辻川慎一つくば便り
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弘法も筆の誤り。
昨晩帰庫して、いろんな事があるけれど、無事に終わった〜と点呼をしていたら総括責任者の方に声をかけられました。
「木曜日から新しく乗車する人が増える事を聞いてますか?そこは慣れた辻川さんに先ずやってもらう事になります。」と笑顔で言われました。「承知しております。気をつけます。」と返しながら、信頼され、任される事を嬉しく感じておりました。
二年前には「給料を払えない」とまで言われておりました身としては、「ようやく信頼されて、戦力として認められる様になった。長くかかりましたので信頼を崩してはならない。」と自分を戒めておりました。
そうしましたら、朝出勤をして同僚にあいさつをすると「バスの収納扉が開いています。気をつけて下さい。」と注意されました。
いつもと違うバスで、収納庫に車止めを入れて走り、終わってから開けて車止めをして、そのまま点呼に行ってしまったのでした。
終わったーと気を緩めてしまい、再点検するのを失念してしまった訳です。
やった事を再点検するのは、電車の検査でも同じで基本なんですね。しかも、そそっかしく、記憶力も怪しくなって来た私には欠かせない作業なんですが、それを忘れてしまいました。
見つけて注意してくれた人に感謝し謝りながら、「またやってしまった。」と反省した次第でした。
バスのサイド扉を開けっ放しで走って壊してしまった人がいた事がありましたので、走行前には確認しているのですが油断大敵です。甘い、甘いと反省しました。
(今日は、週一の小学校送迎です。私が再婚する以前から、ドン底状態にある時もずーっと作り続けてくれたお弁当に改めて感謝しながら頂きました。)
お弁当を温めに行ったら、同年代の先輩に「運転が上手いと言われている人でも、何千回もやるうちに失敗する事があるんだよ。自分で大丈夫と思って失敗するんだ。最近もあった。だからね。自分は年なんだから、上手くはないのだからゆっくり、慎重にと自分に言い聞かせながらやってるんだ。」と有り難いお話しを聞きました。
超上手い運転士でも、大丈夫と思い油断するとぶつけてしまう。
リアルなお話しを聞いて、下手な私はそれ以上に何事も慎重にやらないと手痛い失敗をして、せっかく築き直して来た信用を失ってしまう。
一瞬の油断が命取りになると言う意味では、とても厳しい仕事だと思います。
だからこそ、冗談を言い合うのも楽しいのですね。
だから、職場でも暗い顔はしないで、笑顔に努めます。
「弘法も筆の誤り」って言葉が浮かびました。弘法大師と言う書道も達人のお坊さんがいたのですが、そんな凄い人でも間違える。間違えたらちゃんと対処する事の大切さを教える言葉の様です。
そう偉いお坊さんさんですら人間は間違える。間違いからちゃんと学び、対処する。間違いを糧にして進化する。
私なんか、間違いだらけだから、まだまだ進化できる。あ〜あと落ち込む気持ちに負けてはいられない。プラスに考えながら、しかし自分を甘やかす事なくですね。
無事に日々の乗務をされている同僚たちは、何事もない様に責任を果たしている訳ですが、どれほど努力されているのかを見て、学ぶ日々でございます。
大型二種免許でも取って、バス運転士でもやって見るかなんて言う甘い世界ではないのですね。
だからやりがいがあるのだと思います。
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2024/12/17 14:35
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「違いが分かる男」の…
今年最後の2週間は、土曜日も乗務になりますので長ーい2週間になります。
それが終わると約一週間の年末・お正月休みになりますので何とか無事に、安全に送迎の勤めを果たしたいと思っております。
ところで今日から違うバスを運転する事になりました。
三菱ふそうから日産製の中型バスです。37人から40人乗りのバスになりました。
新しいバスを運転している運転士さんには、何の参考にもならないお話しを少し。
どちらもかなり古いバスですので。
まあ、とにかく色々と違うので戸惑います。
シートベルトが、三菱製は乗用車と同じく右側から引っ張るのですが、日産製は左側から。
シフトレバーのギア選択が違う。排気ブレーキも三菱はレバーを上げて入れるのに、日産製は下げる。
ギアチェンジを行う回転数に上がるスピードが違う。
もちろんスイッチ類も違えば、バッテリーや機器配置も違うのです。
あげくにデジタコのスイッチも左右反対側。サイドブレーキも床とフロントで違う。
意識しないと、運転しながらいちいち手惑います。
それでも何事も無いかの様に快適に乗ってもらえる様にと、とても神経を使う訳です。
色々確認するのに、出庫ギリギリまで時間がかかってしまいました。
走りだすとエンジン音も違います。三菱製の方は、板バネかショックアブソーバーがヘタっているのか道が悪いとギシギシと嫌な音を立てるので、乗っている方に恥ずかしいのですが、エンジン音の方は「ヒューン、ヒューン」と何気に気持ちが良いのです。
日産製の方はと言いますと、ガタボコを拾わないのが救いなんですが、エンジン音の方は普通と言うか、ボヤーっとした感じがします。
でも暖房はすぐ温まる。
ずいぶんと違うのです。
座席のスタイルも、収納式のシートベルトではない古いタイプと言うのは同じながら、通路より座席が高くなっております。
今はどうなんでしょうか?昔の特急電車にあった様な客席なんですね。
変な事に感心したりして、ちょっと楽しい発見もございます。
変化に対応しないと戸惑いながらの運転になりますが、発見があるのは面白いと感じます。
ちょっと「レトロ」なバスを運転できる運転士ならではの楽しみもあります。
一時帰宅をしましたら、妻がお昼を用意しておいてくれました。
実は昨日、私の両親を訪ねてお墓参りをしてからJR時代の友人宅にも寄りました。
そこで頂いた手づくり野菜と手づくりたくあんが並んでおりました。
まあ、何とスーパーで売られている野菜と違う事でしょう。全然別物で美味しい。手づくりたくあんも絶品でした。
大根自体が美味しい上に、塩加減が素晴らしく素材の味が生かされておりました。
なんて言うか、作る人の人柄が野菜にも現れるのだなと感じます。
私も妻のおかげで、だんだんと違いが分かる男になって来たのでしょうか?
ワイルドである事が、格好良いなんて言う時代を生きて来ましたが、たくさんの人たちが「男らしく」この世を去って行きました。
70近くになって、それが本当の強さなのか?格好良い事なのか?ようやく考える様になりました。
周りの人や大切な人を置き去りにして、自分勝手なだけだったのでは?
そんな生き方が通用しない時代になっている。時代の違いも感じる様になったかも知れません。
今年も残り半月です。1日1日を大事に、丁寧に生きられたらと思います。
夜の乗務に出発します。
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2024/12/16 16:06
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マンウォッチング
おはようございます。
乗務の習慣で朝早く目覚めます。
もっとも、仕事をしていない高齢者の朝も早いみたいなので、年を取って来たからなのかも知れません。
いつもながら、先ずはモーニングコーヒーからのスタートです。
コーヒーも人類と同じ様に、アフリカ(エチオピア辺り)から世界に広がったみたいですね。
ヨーロッパでは、イタリアに渡りフランスに伝わりカフェ文化として今に至っている様です。
パリのカフェ。文学や絵画、商いや政治もカフェでの交流、情報交換が大きな役割を果たして来たのですね。
パリのカフェの外席の椅子が、通りに向いているとある人の本に書かれてありました。
人を見ながら、つまりマンウォッチングをしながら自分の人生を考える。
公園のベンチも一人で座る椅子が多いのが特徴だとありました。
一人で考える。「全体」に流されず自分の考え方をしっかり持つ事が大事と、歴史から学んで来た文化の様です。
他の国と地続きで戦争や争いが絶えなかった歴史から、自分の考えをしっかり持ち、それをはっきり伝えずに理解し合うなんて事はできないと言う事が前提の様です。
はっきり言わない事で対立を避けると言う事は、島国日本の人たちの特徴なのかも知れません。
いずれにしても、他の人と衝突せずに「生き延びる」と言う生命の目的が、土壌によって違う文化になって来たのかなと思います。
人自体、同じ人が一人もいないと言う多様性があって人類自体が絶滅を免れ「生き延び」て来たのですから、違う事が大事なんですね。
同じだと環境が激変すると絶滅する。共倒れになると言う訳です。
違う事を前提に、どうすれば助け合い、お互いに幸せに生きられるのか?が人としての普遍的なテーマなのかも知れませんね。
昨日は、ブログで親しくなった友人が訪ねて来てくれました。
我が家に来てくれた人をお連れできる店は何軒かしかありませんが、みなさんに喜んでいただける「しのぶ庵」の常陸秋そばに案内させて頂きました。
季節限定のヤーコンかき揚げがおすすめです。新そばなのか、香りが高く腰がしっかりしてひときわ美味しく感じました。
美味しい食事を一緒に楽しみながら、交流するのは、日本だけでなく世界に共通すると思います。
ドイツでも、韓国でも、労働組合つなかりでしたが、その国の人たちが美味しいと思うお店に案内して頂いた事を思い出します。
私の方は、どうも渡航目的が優先で慌ただしく頂いてしまった事を今になって後悔するのですが、一緒に頂いた人と共に美味しかった!と言う記憶だけはございます。
美味しく感じる事は、人と切り離せないし多様性を感じられる事でもあるのですね。
一人で考えるのは、人と結びつくため。マンウォッチングするのも、ただ眺めている訳ではなく、孤独と同時に多様性と個性を感じる事で一人を乗り越えて行く行為の様に思います。
「成功」して、お金にも困らなくて、美味しいものはいくらでも食べている。でも飽きてしまい、ちっとも楽しそうではない人もおります。持っているお金や権力に群がる人はいても、好きで一緒にいる訳でもない。だから人も楽しめない。
見かけは成功していても、孤独なんだと感じます。
いろんな人を見て来ました。
いろんな経験もして来ました。
さて自分はこれから、どう生きるのか?
バスの車窓から、運転席から人を見ながら考え直します。
みなさまも二度と来ない今日。
良い日曜日をお過ごし下さい。
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2024/12/15 05:53
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されど微笑まん。
上杉鷹山の師である細井平洲先生によれば、何事にも勇気が必要で勇気無しには何事も成せないとの事です。
とすれば、微笑む事にも勇気が必要なのでございます。
(1936年の日本映画「有りがとうさん」 伊豆半島の舗装されていないつづら折りの道
を路線バスが走っていく。路線バスの運転手は、道を譲ってくれるひとたちに(馬にも)、「ありがとう! ありがとう!」と礼をいいながらぬいていく。それで、その運転手さんを、乗客や街道の旅人は「ありがとうさん」と呼ぶようになった。…加山雄三さんの父、上原謙さんがそんなバス運転士を演じました。川端康成さんの原作。)
昨日は朝昼晩と4回の出庫、帰庫。その度に「休憩時間」はあるのですが、出庫時間を間違えると大変なので気は休まりません。
余裕をもって3時起きしてしまいますので眠くなります。
それでも乗客のみなさんや同僚のみなさんには笑顔に努め、お声がけさせて頂きます。
「お願いします。」「ありがとうございました。」と言って頂けるのが、嬉しい私がおります。
休憩時間にフィルター類のホコリをコンプレッサーで吹きとばして、車内清掃をやりましたが「休まないと」とボディと窓は後でやる事に。
かなり効くなーと30分、1時間の休憩時間にちょっと目をつぶりながらも、カーテンの残り一枚はどこか?なんて考える。
目を開けてもう一度車内を見直す。不自然なところをようやく発見して、何とか一応解決してまた時間がある時に納得できる様にしようと考える。
バスのタイプで、ウォッシャー液やブレーキオイルの点検・補充口が違うので確認する。
年末点検項目の半分くらいが済んで、次の作業も考える。
そうして、ラッシュアワーの夜乗務。一番長い3便ですが、金曜ラッシュで運転席に座りっぱなし。
トイレを急ぎ済ませようとしたら、身体が硬まってフラフラする。
それでも乗ってくれている人たちに笑顔で声をかける。「(お正月休みに)ベトナムには帰れないのですか?」と日本語が分かる人には話しかけたりして「来週もお願いします。」と笑顔で降りて行くと嬉しい私がおります。
料金は、会社が出しているのですが、「気をつけてお帰り下さい。」「ありがとうございました。」と声を掛ける事にしております。
しかし、まるでそんな私を嘲笑うかの様に、バスのエンジン異常のインジケーターが点灯する。さらに「尾灯・制動灯」の警告ランプまで点いてしまいました。
う〜、どんだけ〜。
ヘトヘトで帰庫したら、直さないといけないの〜!
一瞬運命を呪たくもなるのですが、やるしかない。私の笑顔が本物になる試練だと気持ちを立て直す。
帰庫して、点呼で報告すると「点検・修理のために、来週から別の車両になります。」という。つまり、年末点検を別のバスでまた一からやり直しという事なんですね。
内心え~って感じなんですが経験は無駄にはならない。「承知しました。」と笑顔で返し「ブレーキランプの左右どちらがダメか見て頂けますか?」とお願いする。
運転席でブレーキを踏んでも、バスは大きいので自分では後ろが見えないのでございます。
自分で修理したばかりの方だったら作業が大変だ。遅い時間なのにツナギに着替えないとならないな。暗いし、寒いし大変だな〜。とかなり不安だったのですが、今度は反対側というので、良かったーと安どする。
ペンライトで照らしながら、ビスを外して交換球を探して交換し、ブレーキを踏んだら警告灯が点かなくなりました。
指先が冷えてしびれたものの、私の責任でやる事がようやく終了。
笑顔で点呼の人に報告とお礼を伝えて帰路につきました。
私の長〜い金曜日です。
バス運転士は、運転だけではなくたくさんの試練があります。
でもそれは人生そのものなのかも知れません。
試練があるから、辛い事や悲しい事もあるからこそ、勇気を出して「されど微笑まん」。
それが、他の人も励ます本物の微笑みなのかも知れませんね。
私自身の革命の様に思います。
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2024/12/14 08:07
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師走に思う思いやり運転。
師走は何かと忙しいのは、公私ともになんでしょうか?
私の方も、通常の作業の他に作業項目が課せられて慌ただしいのでございますが、さらに本日は朝、夜の間に昼間の送迎の仕事が入っております。
中味としては、そんなに大変な行路ではないのですが、発車から入庫までありますので手間は同じなのでございます。
むしろ、普段と違う所に注意が必要になります。
まあ、他の(大半が年下の)先輩同僚たちは慣れてはいるのですが、それでもやはり面倒がるパターンなんですね。
しかも、忙しい師走だからこそ仕事の依頼も入って来ると言う訳です。
今日は、朝乗務後にエアコンフィルターとエンジンの吸気エアフィルターのホコリを圧縮空気で飛ばす作業をやりました。
電車の検修庫にはかなり高圧の圧縮空気のパイプが通っておりますが、こちらでは電動のコンプレッサーで行います。
コンプレッサーのスイッチさえ分かれば、慣れた作業でもあります。
一番大変なのは、以外にもエアコンフィルターを外すために天上のビスを外し、再び戻す事なんですね。
電車の時はチームでしたので、一人では無く必ずと言って良いほど手が伸びて来ました。手を貸す、あるいは一緒にやるのが当たり前でした。
何事も一人でやると言うのは大変なんですね。大体、上を向きながら長いビスを扱っているだけで、腕やクビが疲れてしまいます。
何事も必要な作業に至るまでと後始末の方が手間がかかるのでございます。
と言う次第で今週2回目、妻にお弁当を作って頂きました。私が何とか頑張れている源なんですね。
そんなこんなで、私自身も焦ると余裕が無くなる事を再発見しながなんですが、昨晩も交通事故を脇目に見ながらバスを運転しておりました。
進路変更の必要があるか等を、赤色灯の点滅が見えた段階から予測し始めます。とにかく安全にかつスムーズに。運転士としての技量は困難な時にこそ問われるのだと思っています。
2台の車の衝突事故でした。三車線を無理に曲がろうとした車と構わずスピードを落とさずに直進して来た車。譲らない同士の衝突だろうなと思います。
かなり壊れておりました。
譲るのは悔しい。損する。私は急いでいるんだ。とはお互いなんでしょうね。
それでぶつかれば、結局両方とも損しますよね?忙しい師走がますます忙しくなる訳です。
譲るって事を上からやる様な感じの人もおりますが、お互いに守り合う、協力し合うから「お互い様」の様に思うのです。
余裕が無い時にこそ、譲れるのが譲ると言う事の気持ち良さの様に思います。
日常の中で、私たちはいつも非常時になった時が試されている様に思います。
そう考えると私自身は、やっぱりまだまだだと思います。
米沢藩を立て直した上杉鷹山の師であった細井平洲と言う農民出身の学者のが送った言葉に「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行なわんや」と言うありました。要は「何をやるにしてもまず勇気が必要である」と言う意味なんですね。そして「先施の心」すなわち「自分のして欲しいことを先に他人に対してすべきである」という教えも遺しているそうです。
あ〜、何をやるにしてもとは日常のささいな事でさえ勇気をもってやるって事なんですね。
譲るのにも勇気が必要。うん、確かに。しかも、自分がしてもらえたら嬉しい事について勇気をもって他の人にやると言う訳です。
うーすると、自分がしてもらって嬉しい事がちゃんと分からないと他の人にできないと言う事になります。
嬉しいと感じられる事が、勇気を持った思いやりの前提になる訳です。
嬉しい感じ!を大事にしながら、午後の長丁場も頑張りま〜す。
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2024/12/13 12:11
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