辻川慎一つくば便り
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私も弱いので。
暗い中を出勤するのに車で走り出しましたら、チラチラと降るものがありました。雨じゃない、雪みたいだと思ったらだんだんと強くなって来ました。
参ったな〜。年内は大丈夫だろうと、まだスタッドレスタイヤに換えておりませんでした。
車庫に着いたら、さらに強くなって来ました。
同僚たちと「参りましたね。寒いですね〜。」と話しながら「止んで晴れるはずです。」との予報を頼りにする事に。
出庫の頃には止んだのですが、路面が濡れておりますのでバスのボディははねた泥水で汚れます。
帰庫して早速洗車機にかけた上、年末作業の課題である圧縮空気での室内のホコリ除去作業をやる事にしました。
窓を開けないとホコリが充満するのですが、何と私の担当バスは客席の窓が開きません。
仕方がないので非常扉を開けて、マスクをして作業開始。
いやぁ、普段ほうきが届かない最後部の椅子の下からホコリの塊だけでなくアメの包装袋やいろんなものが出て来ました。
おまけに、私がなくして困っていたペンライトのヘッド部分まで出て来たのは有り難かった。
運転席でキロ数を見たり(記入項目にあるのでございます。)、運転記録を記入するのにも、車両点検するのにも使っているものです。
何せ老眼で良く見えない私に取って、老眼鏡と共に無いと仕事にならない必需品なんですね。
バスの車内は綺麗になるし、紛失物も見つかるしやって良かった〜と思い、車内をさらに掃き、モップで拭き上げ、外窓とボディの水滴をスクレイパーで落とし、さらにタオルで拭き上げたら一時帰宅だと考えておりましたら「辻川さん、今日は雪で中止かなと思ったら大掃除やるんだね。」と同僚が言うのです。
「え~っ、今日は大掃除だったのですか?」と慌てて、帰りが遅れますと妻に連絡しました。
大掃除の分担は、側溝に溜まった落ち葉を取り除いて流れを良くする事。ほうきで集めながら手で袋に入れておりましたが、結局周りの落ち葉も集めないと直ぐに側溝に溜まってしまいます。
なので、周りの落ち葉も集める事に。
夏は草との闘いですが、この時期は数限りなく落ちて来る落ち葉との闘いなんですね。
自然が豊かだと言う事ではあるのですが。
落ち葉を掃いていましたら、本社ビルの清掃をしていた取締役の人から「一段落したら外窓もやってもらえますか?」と言うので、タオルで拭きました。
その方は、掃除になるとみなさんが使用するトイレの清掃を徹底してやる人なんですね。
便器の中まで手で磨きます。
朝早くから夜遅くまで仕事をして、人が足りなければバスも運転します。いつも険しい顔をしているのは責任感からなのかと思います。笑っている時には、私も安堵したりします。
普段見えないところが、綺麗である事は人でも、会社でも大事だと思いますので裏窓も出来る限りですが、綺麗にしました。
ゴム長靴を履いて作業していたためか、足が冷えて来て、持病のお尻が痛んで来ました。それでも、我慢しながらやりました。
小学1年生で手術はしたのですが良くはならず、私に取ってまるでウルトラマンのカラータイマーなのでございます。
子どもの頃から人知れぬ弱さを抱えながら、頑張って来た感じです。
でも弱点があるって大事ですよね。
弱いから、他の人の弱さに同情して来れたのかも知れません。
弱さに負けずに頑張っている人を尊敬して来た様にも思います。
優しさと甘さは違うのですね。と昨日のブログでも考えてみた訳ですが、弱さで落ちこんだりするのが、人間ですよね。人がどうのこうのよりも、自分の弱さを見つめながらも、自分はどうするか?
掃除をすると言う行為は、そんな弱い自分を見直しながら、自分自身を清め、リセットする事なのかな?なんて思います。
毎日大掃除状態の妻がおりますので、疲れて帰宅してからも出来るだけですが手伝った次第です。
良い新年を迎えるための大掃除をしながら、私の食事も用意してくれます。
さて、こちらの明日は氷点下3℃予報。
明後日は冬至ですね。
師走は事故シーズンでもあります。
自分の弱さを見据えながら、何より安全第一で頑張ります。
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2024/12/19 16:15
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見せかけの優しさでなく。
どうも、あれもこれもやらなければに支配されて一つ一つが雑になる。しかも人に良く見られたいと言う欲まであるので矛盾する。
結局自分のためにもならず、トホホな結果になって来た様に思います。
本質で同じ事をいつまでも繰り返すのは、愚かですね。
今日は、せっかく担当バスが変わりましたので、あれもこれもと言う気持ちを抑えながら朝乗務後の年末作業をやりました。
ヘッドレストカバーを外し、洗濯機で洗い、取り付けました。
外すよりは、装着の方が手間取ります。綺麗に付けないと台無しですので。
一つ一つ付けながら「何年か前に、657系の座席シール貼りを、仲間たちと一緒にワイワイ言いながら楽しくやったな〜。」なんて思い出ます。
「シートベルトをお締め下さい。」と書いてあり「お手数をかけますが、万が一のためにシートベルトをお願いします。」とアナウンスするけど、ほとんどの人がやらないな〜。なんて思ったりします。
シートベルトをしないと、万が一の場合の保証が10%ほど引かれてしまうのです。運転士が注意喚起しないと、運転士の責任も問われます。
私も万が一も無い様に運転はしているのですが、絶対は無い訳です。
そんなこんなも思いながら、最後にカバーの取り付け状態をチェックしました。
やらなければならない。やれば良いと言うやっつけ仕事だと、やはり自分に取って良くないのだなと思いました。土台楽しくない訳です。
ちゃんとやると気持ちが落ち着きますね。自分のためが、人のため。そんな感じが致します。
本当に自分に優しくあると言う事は、人に優しくあると言う事と一体。
自分に甘いから、人にも甘くしてダメな事も良しとすると自分も人もそれまでになる。
相手の甘さに依拠して、実は自分の甘さを容認しているだけなんですね。
自分が好き!ではなく、嫌われたくない、良く思われたいと言うのは、自分が自分の人生の主人公になれていないと言う事なんですね。
そう言う人だと「中味ゼロ!」になる。「あいつは中味ゼロだよ!」と同僚が言うのを聞いて驚きました。
中味ゼロって何だろう?厳しい言葉でしたが、果たして自分と無関係だろうか?
自分が自分の人生の主人公になれず、見かけだけ繕うならば、67年も生きて来た私だって中味ゼロって事になるな。
見せかけが通るほど甘い世界はどこにも無いのだ。本物の優しさこそが人の中に残って行くのではないかと改めて学んでおります。
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2024/12/18 16:04
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弘法も筆の誤り。
昨晩帰庫して、いろんな事があるけれど、無事に終わった〜と点呼をしていたら総括責任者の方に声をかけられました。
「木曜日から新しく乗車する人が増える事を聞いてますか?そこは慣れた辻川さんに先ずやってもらう事になります。」と笑顔で言われました。「承知しております。気をつけます。」と返しながら、信頼され、任される事を嬉しく感じておりました。
二年前には「給料を払えない」とまで言われておりました身としては、「ようやく信頼されて、戦力として認められる様になった。長くかかりましたので信頼を崩してはならない。」と自分を戒めておりました。
そうしましたら、朝出勤をして同僚にあいさつをすると「バスの収納扉が開いています。気をつけて下さい。」と注意されました。
いつもと違うバスで、収納庫に車止めを入れて走り、終わってから開けて車止めをして、そのまま点呼に行ってしまったのでした。
終わったーと気を緩めてしまい、再点検するのを失念してしまった訳です。
やった事を再点検するのは、電車の検査でも同じで基本なんですね。しかも、そそっかしく、記憶力も怪しくなって来た私には欠かせない作業なんですが、それを忘れてしまいました。
見つけて注意してくれた人に感謝し謝りながら、「またやってしまった。」と反省した次第でした。
バスのサイド扉を開けっ放しで走って壊してしまった人がいた事がありましたので、走行前には確認しているのですが油断大敵です。甘い、甘いと反省しました。
(今日は、週一の小学校送迎です。私が再婚する以前から、ドン底状態にある時もずーっと作り続けてくれたお弁当に改めて感謝しながら頂きました。)
お弁当を温めに行ったら、同年代の先輩に「運転が上手いと言われている人でも、何千回もやるうちに失敗する事があるんだよ。自分で大丈夫と思って失敗するんだ。最近もあった。だからね。自分は年なんだから、上手くはないのだからゆっくり、慎重にと自分に言い聞かせながらやってるんだ。」と有り難いお話しを聞きました。
超上手い運転士でも、大丈夫と思い油断するとぶつけてしまう。
リアルなお話しを聞いて、下手な私はそれ以上に何事も慎重にやらないと手痛い失敗をして、せっかく築き直して来た信用を失ってしまう。
一瞬の油断が命取りになると言う意味では、とても厳しい仕事だと思います。
だからこそ、冗談を言い合うのも楽しいのですね。
だから、職場でも暗い顔はしないで、笑顔に努めます。
「弘法も筆の誤り」って言葉が浮かびました。弘法大師と言う書道も達人のお坊さんがいたのですが、そんな凄い人でも間違える。間違えたらちゃんと対処する事の大切さを教える言葉の様です。
そう偉いお坊さんさんですら人間は間違える。間違いからちゃんと学び、対処する。間違いを糧にして進化する。
私なんか、間違いだらけだから、まだまだ進化できる。あ〜あと落ち込む気持ちに負けてはいられない。プラスに考えながら、しかし自分を甘やかす事なくですね。
無事に日々の乗務をされている同僚たちは、何事もない様に責任を果たしている訳ですが、どれほど努力されているのかを見て、学ぶ日々でございます。
大型二種免許でも取って、バス運転士でもやって見るかなんて言う甘い世界ではないのですね。
だからやりがいがあるのだと思います。
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2024/12/17 14:35
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「違いが分かる男」の…
今年最後の2週間は、土曜日も乗務になりますので長ーい2週間になります。
それが終わると約一週間の年末・お正月休みになりますので何とか無事に、安全に送迎の勤めを果たしたいと思っております。
ところで今日から違うバスを運転する事になりました。
三菱ふそうから日産製の中型バスです。37人から40人乗りのバスになりました。
新しいバスを運転している運転士さんには、何の参考にもならないお話しを少し。
どちらもかなり古いバスですので。
まあ、とにかく色々と違うので戸惑います。
シートベルトが、三菱製は乗用車と同じく右側から引っ張るのですが、日産製は左側から。
シフトレバーのギア選択が違う。排気ブレーキも三菱はレバーを上げて入れるのに、日産製は下げる。
ギアチェンジを行う回転数に上がるスピードが違う。
もちろんスイッチ類も違えば、バッテリーや機器配置も違うのです。
あげくにデジタコのスイッチも左右反対側。サイドブレーキも床とフロントで違う。
意識しないと、運転しながらいちいち手惑います。
それでも何事も無いかの様に快適に乗ってもらえる様にと、とても神経を使う訳です。
色々確認するのに、出庫ギリギリまで時間がかかってしまいました。
走りだすとエンジン音も違います。三菱製の方は、板バネかショックアブソーバーがヘタっているのか道が悪いとギシギシと嫌な音を立てるので、乗っている方に恥ずかしいのですが、エンジン音の方は「ヒューン、ヒューン」と何気に気持ちが良いのです。
日産製の方はと言いますと、ガタボコを拾わないのが救いなんですが、エンジン音の方は普通と言うか、ボヤーっとした感じがします。
でも暖房はすぐ温まる。
ずいぶんと違うのです。
座席のスタイルも、収納式のシートベルトではない古いタイプと言うのは同じながら、通路より座席が高くなっております。
今はどうなんでしょうか?昔の特急電車にあった様な客席なんですね。
変な事に感心したりして、ちょっと楽しい発見もございます。
変化に対応しないと戸惑いながらの運転になりますが、発見があるのは面白いと感じます。
ちょっと「レトロ」なバスを運転できる運転士ならではの楽しみもあります。
一時帰宅をしましたら、妻がお昼を用意しておいてくれました。
実は昨日、私の両親を訪ねてお墓参りをしてからJR時代の友人宅にも寄りました。
そこで頂いた手づくり野菜と手づくりたくあんが並んでおりました。
まあ、何とスーパーで売られている野菜と違う事でしょう。全然別物で美味しい。手づくりたくあんも絶品でした。
大根自体が美味しい上に、塩加減が素晴らしく素材の味が生かされておりました。
なんて言うか、作る人の人柄が野菜にも現れるのだなと感じます。
私も妻のおかげで、だんだんと違いが分かる男になって来たのでしょうか?
ワイルドである事が、格好良いなんて言う時代を生きて来ましたが、たくさんの人たちが「男らしく」この世を去って行きました。
70近くになって、それが本当の強さなのか?格好良い事なのか?ようやく考える様になりました。
周りの人や大切な人を置き去りにして、自分勝手なだけだったのでは?
そんな生き方が通用しない時代になっている。時代の違いも感じる様になったかも知れません。
今年も残り半月です。1日1日を大事に、丁寧に生きられたらと思います。
夜の乗務に出発します。
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2024/12/16 16:06
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マンウォッチング
おはようございます。
乗務の習慣で朝早く目覚めます。
もっとも、仕事をしていない高齢者の朝も早いみたいなので、年を取って来たからなのかも知れません。
いつもながら、先ずはモーニングコーヒーからのスタートです。
コーヒーも人類と同じ様に、アフリカ(エチオピア辺り)から世界に広がったみたいですね。
ヨーロッパでは、イタリアに渡りフランスに伝わりカフェ文化として今に至っている様です。
パリのカフェ。文学や絵画、商いや政治もカフェでの交流、情報交換が大きな役割を果たして来たのですね。
パリのカフェの外席の椅子が、通りに向いているとある人の本に書かれてありました。
人を見ながら、つまりマンウォッチングをしながら自分の人生を考える。
公園のベンチも一人で座る椅子が多いのが特徴だとありました。
一人で考える。「全体」に流されず自分の考え方をしっかり持つ事が大事と、歴史から学んで来た文化の様です。
他の国と地続きで戦争や争いが絶えなかった歴史から、自分の考えをしっかり持ち、それをはっきり伝えずに理解し合うなんて事はできないと言う事が前提の様です。
はっきり言わない事で対立を避けると言う事は、島国日本の人たちの特徴なのかも知れません。
いずれにしても、他の人と衝突せずに「生き延びる」と言う生命の目的が、土壌によって違う文化になって来たのかなと思います。
人自体、同じ人が一人もいないと言う多様性があって人類自体が絶滅を免れ「生き延び」て来たのですから、違う事が大事なんですね。
同じだと環境が激変すると絶滅する。共倒れになると言う訳です。
違う事を前提に、どうすれば助け合い、お互いに幸せに生きられるのか?が人としての普遍的なテーマなのかも知れませんね。
昨日は、ブログで親しくなった友人が訪ねて来てくれました。
我が家に来てくれた人をお連れできる店は何軒かしかありませんが、みなさんに喜んでいただける「しのぶ庵」の常陸秋そばに案内させて頂きました。
季節限定のヤーコンかき揚げがおすすめです。新そばなのか、香りが高く腰がしっかりしてひときわ美味しく感じました。
美味しい食事を一緒に楽しみながら、交流するのは、日本だけでなく世界に共通すると思います。
ドイツでも、韓国でも、労働組合つなかりでしたが、その国の人たちが美味しいと思うお店に案内して頂いた事を思い出します。
私の方は、どうも渡航目的が優先で慌ただしく頂いてしまった事を今になって後悔するのですが、一緒に頂いた人と共に美味しかった!と言う記憶だけはございます。
美味しく感じる事は、人と切り離せないし多様性を感じられる事でもあるのですね。
一人で考えるのは、人と結びつくため。マンウォッチングするのも、ただ眺めている訳ではなく、孤独と同時に多様性と個性を感じる事で一人を乗り越えて行く行為の様に思います。
「成功」して、お金にも困らなくて、美味しいものはいくらでも食べている。でも飽きてしまい、ちっとも楽しそうではない人もおります。持っているお金や権力に群がる人はいても、好きで一緒にいる訳でもない。だから人も楽しめない。
見かけは成功していても、孤独なんだと感じます。
いろんな人を見て来ました。
いろんな経験もして来ました。
さて自分はこれから、どう生きるのか?
バスの車窓から、運転席から人を見ながら考え直します。
みなさまも二度と来ない今日。
良い日曜日をお過ごし下さい。
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2024/12/15 05:53
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