辻川慎一つくば便り

グレーゾーンを渡る知恵

今日は、雪予報もあり冷たい雨が降っております。外で仕事をされている人、大変ですね。
朝の乗務でバスが汚れましたので、雨の中で洗車・拭き取りをしましたらやはり手が痺れて来ました。
それでも1時間程度の我慢。帰宅のバスを少しでも気持ち良くと思いながらの作業でした。
私の方は、ボーナスも昇級もありませんので勤務評価をあげるためではありません。自分の心と向き合いながらの作業になります。

しかし、納得できる仕上げにはほとんどなりません。やればきりがないくらいです。

どこまでやるか?いつまでもやっていると他の人たちの作業の邪魔になりますので、時間も限られます。

時間と状況を見ながらの作業になります。


(工場の送迎で1年ほど一緒に働いた年上の同僚に「野菜を採りに来るかい?」と電話を頂き、喜んで行って来ました。ダンボール二箱。食べきれないし痛むのももったいないので、職場のみなさんにお配りさせて頂きました。)


何か世の中全体は、きっちりと白か黒かに整理する方向に向いている感じがします。その方が分かりやすくて安全で、あまり考えなくても安心だと言う感じでしょうか?

ところで生身の人間社会はと言うと、白とも黒とも、良いとも悪いとも区分けが付かないグレーゾーンと言うのがあるんですね。

例えば、交差点です。赤信号は止まれ。止まらなければ信号無視。分かりやすいですね。ところが、交差点と言うのはみんな大きさも違い、歩行者用信号の点滅の長さも、青から黄色、赤になる時間も設定が違う。しかもラッシュアワーだと設定が変わるのです。
その中で赤になったから慌ててブレーキを踏むとバスの乗客が転倒する危険があります。なので赤に変わろうとも行く場合があるのです。

ラッシュアワーの右折の場合は特に、信号通りなんてやっていると、いつまでも曲がれないなんて言う事になるのです。

しかもバスだと後続の車も全然進めないって事になってしまいます。

なので赤信号に変わっても行く場合が多々あります。

それが出来ない運転士は、素人同然と言う事になります。

つまりグレーゾーンを渡れて一人前なんですね。全体を良く見て行ける行けないを瞬間瞬間に判断して行く訳です。

どんな状況にもグレーゾーンがある。
白黒つかないところにプロの出番がある。裁判官なんかもそうですよね。

白黒なんてのは、力が強い人に有利な分け方の様に思います。ルールを作る人たちに力があるのですから。


(100円、200円で読みたい本が手に入るブックオフ。私の強い味方でごさいます。難しそうですが、きっちりクリーンな社会の動きに対してグレーゾーンの人間社会における大事さを論じております。)


考えて見ますと、私などはとんでもなくグレーゾーンばかり渡って来ました。塀の上を歩いて、たまたま塀の中に入らなかっただけ。かなり破天荒な人生でした。

昔話でごさいます。ある夜、飲酒運転の取り締まりに止められました。
「ちょっと匂いますね。パトカーに乗って下さい。」と言うので乗りました。
「住所氏名生年月日を言って下さい。」と言うのでスラスラ答える。
「外に出て歩いて見て下さい。」と言うので真っ直ぐ歩く。
その間に質問もされる。「一緒に乗っている女性はどんな関係ですか?」
「おまわりさん、あんまり無粋な質問しないで下さいよ。内緒です。」なんて言いながら笑い合う。
「では思い切り息を吹いて下さい。」と言うので「大丈夫ですよ。まな板の鯉ですから、観念しています。」と笑い合う。

で吹いてアルコール検知器の数値を見てうなる。「う〜んグレーゾーンだな〜。一体どのぐらいのんだのですか?」と聞くので「生ビール一杯とお銚子3本ですね。」と答えました。そしたら「飲み過ぎです!私たちだってそんなに飲みません!」と言うので「おまわりさんは、飲んじゃ行けないでしょう?」とまたしても笑い合う。
「しょうがないなー。今回は注意処分のキップを切ります。」と言うので「罰金はいかほどですか?」と聞きましたら「ありません。」と言う。「え~っ、じゃあ車に乗って帰っても良いですか?」と言うと「だめに決まってるでしょう!」と叱られました。

飲酒運転で検挙されたのに、何だかお互いに笑いの絶えない楽しいひと時でした。

まあ、そんな事は本の可愛いエピソード。アンビリバボーなくらい無茶苦茶なグレーゾーンを歩んで来たのです。

そして、プロのバスドライバーになり飲酒運転は決してしませんが、毎日グレーゾーンと渡り合っているのでごさいます。

笑顔だけは、昔も今も変わらないのかも知れません。ひょっとして社会のグレーゾーンを渡る私の知恵なのかも知れません。

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