辻川慎一つくば便り

自分の人生を生きないと

バスの運転をしながら、技術と共に心の持ち方がとても大切だといつも思います。プライベートのトラブルを抱えているからこそ「落ち着いて、慌てずに、よく見て」と自分に言い聞かせて来たのですが、最近はそう念じなくてもクールな私がいます。

こうありたいと思っても、簡単に自分の身に付かない。日々の鍛錬と言うか修行みたいに、毎日続けて行く事で身について来るんだと実感しています。

小さな失敗はありますし、想定外の事態も絶えず起こるのですが、クールに対処できる私がいるのです。

バスの運転を通して、運転士としての熟練と同時に人としても熟練して来れた。仕事って、そう言う意味で大事なんだと70才を前にしてしみじみ思います。



つまらなくするか、自分の糧にするのかは、自分次第なんだな〜って思います。

年齢から言うと何を今ごろとも言えますが、この年で自分の日々の変化を感じられるって幸福な事ですよね。

何か、誰かのためにじゃなく、自分を生きるから結果として、人や社会の役に立てる。逆じゃないって、ちょっと分かって来た感じです。

世の中のために、みんなのために、何かのために…みたいに生きて来た人生だったので自分のためにが欠落して、あんまり幸福感がありませんでした。

時代背景もあり、自分の人生を生きられず、息子の私を育てる事を生き甲斐にして来た高齢の母が「自分の人生を生きなさい。」と言う言葉が、どれほど重いのか改めて噛み締めております。

自分を生きていないのに他者を幸せにするなんてできないし、自分を捨てて無理をするから他者にも無理を強いて正しいとする連鎖が不幸な社会にしている様に思います。


結構念入りにバスを掃除しているはずなんですが、昨日私の担当バスに乗った運転士さんが見つけてくれた私の筆入れです。

いつも無茶苦茶丁寧に、手を抜かない運転士さんに感謝の言葉を伝えて「敵いません。」と言いました。

普段は、それぞれの仕事があり大変なのですが、何かトラブルがあると近づいて来てくれて「大丈夫ですか?」と声をかけ、必要だと思うと会社に抗議もしてくれます。

一人一人マンウォッチングしているのですが、自分を生きているな〜って感じる人ほどいざとなると当たり前に助けてくれるのです。助けてくれても特に多くを語らず、恩着せがましさが全然ありません。

そんな同僚を見ながら、運転士を通した人としての姿勢を改めて学ぶ日々です。

ステキで、クールで、格好良い!と感じます。ほとんどが年下なんですが、私なんかを大事に思ってくれている事を感じるんですね。

仲間って事も、日々見直します。

そんなステキな仲間たちも「辻川さん、自分の人生を生きろよ。元気なうちはもう長く無いよ。」って言ってくれます。

何だか有り難いですよね。

自分を生きていないと孤立感ばかり、自分を生きていると有り難さが沁みて来る。

私の実感でごさいます。

では、今週最後の乗務に行って来ます。

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