辻川慎一つくば便り
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マンウォッチング
おはようございます。
乗務の習慣で朝早く目覚めます。
もっとも、仕事をしていない高齢者の朝も早いみたいなので、年を取って来たからなのかも知れません。
いつもながら、先ずはモーニングコーヒーからのスタートです。
コーヒーも人類と同じ様に、アフリカ(エチオピア辺り)から世界に広がったみたいですね。
ヨーロッパでは、イタリアに渡りフランスに伝わりカフェ文化として今に至っている様です。
パリのカフェ。文学や絵画、商いや政治もカフェでの交流、情報交換が大きな役割を果たして来たのですね。
パリのカフェの外席の椅子が、通りに向いているとある人の本に書かれてありました。
人を見ながら、つまりマンウォッチングをしながら自分の人生を考える。
公園のベンチも一人で座る椅子が多いのが特徴だとありました。
一人で考える。「全体」に流されず自分の考え方をしっかり持つ事が大事と、歴史から学んで来た文化の様です。
他の国と地続きで戦争や争いが絶えなかった歴史から、自分の考えをしっかり持ち、それをはっきり伝えずに理解し合うなんて事はできないと言う事が前提の様です。
はっきり言わない事で対立を避けると言う事は、島国日本の人たちの特徴なのかも知れません。
いずれにしても、他の人と衝突せずに「生き延びる」と言う生命の目的が、土壌によって違う文化になって来たのかなと思います。
人自体、同じ人が一人もいないと言う多様性があって人類自体が絶滅を免れ「生き延び」て来たのですから、違う事が大事なんですね。
同じだと環境が激変すると絶滅する。共倒れになると言う訳です。
違う事を前提に、どうすれば助け合い、お互いに幸せに生きられるのか?が人としての普遍的なテーマなのかも知れませんね。
昨日は、ブログで親しくなった友人が訪ねて来てくれました。
我が家に来てくれた人をお連れできる店は何軒かしかありませんが、みなさんに喜んでいただける「しのぶ庵」の常陸秋そばに案内させて頂きました。
季節限定のヤーコンかき揚げがおすすめです。新そばなのか、香りが高く腰がしっかりしてひときわ美味しく感じました。
美味しい食事を一緒に楽しみながら、交流するのは、日本だけでなく世界に共通すると思います。
ドイツでも、韓国でも、労働組合つなかりでしたが、その国の人たちが美味しいと思うお店に案内して頂いた事を思い出します。
私の方は、どうも渡航目的が優先で慌ただしく頂いてしまった事を今になって後悔するのですが、一緒に頂いた人と共に美味しかった!と言う記憶だけはございます。
美味しく感じる事は、人と切り離せないし多様性を感じられる事でもあるのですね。
一人で考えるのは、人と結びつくため。マンウォッチングするのも、ただ眺めている訳ではなく、孤独と同時に多様性と個性を感じる事で一人を乗り越えて行く行為の様に思います。
「成功」して、お金にも困らなくて、美味しいものはいくらでも食べている。でも飽きてしまい、ちっとも楽しそうではない人もおります。持っているお金や権力に群がる人はいても、好きで一緒にいる訳でもない。だから人も楽しめない。
見かけは成功していても、孤独なんだと感じます。
いろんな人を見て来ました。
いろんな経験もして来ました。
さて自分はこれから、どう生きるのか?
バスの車窓から、運転席から人を見ながら考え直します。
みなさまも二度と来ない今日。
良い日曜日をお過ごし下さい。
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2024/12/15 05:53
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されど微笑まん。
上杉鷹山の師である細井平洲先生によれば、何事にも勇気が必要で勇気無しには何事も成せないとの事です。
とすれば、微笑む事にも勇気が必要なのでございます。
(1936年の日本映画「有りがとうさん」 伊豆半島の舗装されていないつづら折りの道
を路線バスが走っていく。路線バスの運転手は、道を譲ってくれるひとたちに(馬にも)、「ありがとう! ありがとう!」と礼をいいながらぬいていく。それで、その運転手さんを、乗客や街道の旅人は「ありがとうさん」と呼ぶようになった。…加山雄三さんの父、上原謙さんがそんなバス運転士を演じました。川端康成さんの原作。)
昨日は朝昼晩と4回の出庫、帰庫。その度に「休憩時間」はあるのですが、出庫時間を間違えると大変なので気は休まりません。
余裕をもって3時起きしてしまいますので眠くなります。
それでも乗客のみなさんや同僚のみなさんには笑顔に努め、お声がけさせて頂きます。
「お願いします。」「ありがとうございました。」と言って頂けるのが、嬉しい私がおります。
休憩時間にフィルター類のホコリをコンプレッサーで吹きとばして、車内清掃をやりましたが「休まないと」とボディと窓は後でやる事に。
かなり効くなーと30分、1時間の休憩時間にちょっと目をつぶりながらも、カーテンの残り一枚はどこか?なんて考える。
目を開けてもう一度車内を見直す。不自然なところをようやく発見して、何とか一応解決してまた時間がある時に納得できる様にしようと考える。
バスのタイプで、ウォッシャー液やブレーキオイルの点検・補充口が違うので確認する。
年末点検項目の半分くらいが済んで、次の作業も考える。
そうして、ラッシュアワーの夜乗務。一番長い3便ですが、金曜ラッシュで運転席に座りっぱなし。
トイレを急ぎ済ませようとしたら、身体が硬まってフラフラする。
それでも乗ってくれている人たちに笑顔で声をかける。「(お正月休みに)ベトナムには帰れないのですか?」と日本語が分かる人には話しかけたりして「来週もお願いします。」と笑顔で降りて行くと嬉しい私がおります。
料金は、会社が出しているのですが、「気をつけてお帰り下さい。」「ありがとうございました。」と声を掛ける事にしております。
しかし、まるでそんな私を嘲笑うかの様に、バスのエンジン異常のインジケーターが点灯する。さらに「尾灯・制動灯」の警告ランプまで点いてしまいました。
う〜、どんだけ〜。
ヘトヘトで帰庫したら、直さないといけないの〜!
一瞬運命を呪たくもなるのですが、やるしかない。私の笑顔が本物になる試練だと気持ちを立て直す。
帰庫して、点呼で報告すると「点検・修理のために、来週から別の車両になります。」という。つまり、年末点検を別のバスでまた一からやり直しという事なんですね。
内心え~って感じなんですが経験は無駄にはならない。「承知しました。」と笑顔で返し「ブレーキランプの左右どちらがダメか見て頂けますか?」とお願いする。
運転席でブレーキを踏んでも、バスは大きいので自分では後ろが見えないのでございます。
自分で修理したばかりの方だったら作業が大変だ。遅い時間なのにツナギに着替えないとならないな。暗いし、寒いし大変だな〜。とかなり不安だったのですが、今度は反対側というので、良かったーと安どする。
ペンライトで照らしながら、ビスを外して交換球を探して交換し、ブレーキを踏んだら警告灯が点かなくなりました。
指先が冷えてしびれたものの、私の責任でやる事がようやく終了。
笑顔で点呼の人に報告とお礼を伝えて帰路につきました。
私の長〜い金曜日です。
バス運転士は、運転だけではなくたくさんの試練があります。
でもそれは人生そのものなのかも知れません。
試練があるから、辛い事や悲しい事もあるからこそ、勇気を出して「されど微笑まん」。
それが、他の人も励ます本物の微笑みなのかも知れませんね。
私自身の革命の様に思います。
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2024/12/14 08:07
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師走に思う思いやり運転。
師走は何かと忙しいのは、公私ともになんでしょうか?
私の方も、通常の作業の他に作業項目が課せられて慌ただしいのでございますが、さらに本日は朝、夜の間に昼間の送迎の仕事が入っております。
中味としては、そんなに大変な行路ではないのですが、発車から入庫までありますので手間は同じなのでございます。
むしろ、普段と違う所に注意が必要になります。
まあ、他の(大半が年下の)先輩同僚たちは慣れてはいるのですが、それでもやはり面倒がるパターンなんですね。
しかも、忙しい師走だからこそ仕事の依頼も入って来ると言う訳です。
今日は、朝乗務後にエアコンフィルターとエンジンの吸気エアフィルターのホコリを圧縮空気で飛ばす作業をやりました。
電車の検修庫にはかなり高圧の圧縮空気のパイプが通っておりますが、こちらでは電動のコンプレッサーで行います。
コンプレッサーのスイッチさえ分かれば、慣れた作業でもあります。
一番大変なのは、以外にもエアコンフィルターを外すために天上のビスを外し、再び戻す事なんですね。
電車の時はチームでしたので、一人では無く必ずと言って良いほど手が伸びて来ました。手を貸す、あるいは一緒にやるのが当たり前でした。
何事も一人でやると言うのは大変なんですね。大体、上を向きながら長いビスを扱っているだけで、腕やクビが疲れてしまいます。
何事も必要な作業に至るまでと後始末の方が手間がかかるのでございます。
と言う次第で今週2回目、妻にお弁当を作って頂きました。私が何とか頑張れている源なんですね。
そんなこんなで、私自身も焦ると余裕が無くなる事を再発見しながなんですが、昨晩も交通事故を脇目に見ながらバスを運転しておりました。
進路変更の必要があるか等を、赤色灯の点滅が見えた段階から予測し始めます。とにかく安全にかつスムーズに。運転士としての技量は困難な時にこそ問われるのだと思っています。
2台の車の衝突事故でした。三車線を無理に曲がろうとした車と構わずスピードを落とさずに直進して来た車。譲らない同士の衝突だろうなと思います。
かなり壊れておりました。
譲るのは悔しい。損する。私は急いでいるんだ。とはお互いなんでしょうね。
それでぶつかれば、結局両方とも損しますよね?忙しい師走がますます忙しくなる訳です。
譲るって事を上からやる様な感じの人もおりますが、お互いに守り合う、協力し合うから「お互い様」の様に思うのです。
余裕が無い時にこそ、譲れるのが譲ると言う事の気持ち良さの様に思います。
日常の中で、私たちはいつも非常時になった時が試されている様に思います。
そう考えると私自身は、やっぱりまだまだだと思います。
米沢藩を立て直した上杉鷹山の師であった細井平洲と言う農民出身の学者のが送った言葉に「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行なわんや」と言うありました。要は「何をやるにしてもまず勇気が必要である」と言う意味なんですね。そして「先施の心」すなわち「自分のして欲しいことを先に他人に対してすべきである」という教えも遺しているそうです。
あ〜、何をやるにしてもとは日常のささいな事でさえ勇気をもってやるって事なんですね。
譲るのにも勇気が必要。うん、確かに。しかも、自分がしてもらえたら嬉しい事について勇気をもって他の人にやると言う訳です。
うーすると、自分がしてもらって嬉しい事がちゃんと分からないと他の人にできないと言う事になります。
嬉しいと感じられる事が、勇気を持った思いやりの前提になる訳です。
嬉しい感じ!を大事にしながら、午後の長丁場も頑張りま〜す。
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2024/12/13 12:11
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自分に負けそうになりながら。
早くも12月の半ばに入ろうとしていますね。会社では、新年を迎えるためにバスの通常点検や清掃の他に、エアフィルターの気吹きや油類の補充、さらにヘッドレストカバーとカーテンの洗濯などが指示されております。
私も基本の担当バスがありますので、先ずはカバーとカーテンの洗濯からやる事にしました。
使える洗濯機2台をみなさんで使うので、空いている時に気を使いながらやります。
私の朝の帰庫は、約1時間ほど早いので1時間勝負。ヘッドカバーとカーテンの半分10枚から洗い出したのですが、「全部行けそうだ」と欲が出て、全て外して洗いました。
化繊で薄いものなので、乾燥は取り付けて自然乾燥。夜便までには乾くと言う段取りでございます。
ヘッドカバーは難なく付けられたのですが、何せ古いタイプのバスで、窓の大きさ(長さ)が一様でない事に戻す段になって気が付きました。
カーテンレールが狭いところに隠れていますので苦労しながら引っ掛けて、あれやこれや組み合わせながら、違うと付けては外し…悪戦苦闘しながらようやく出来た!と思ったら、一枚余っているのを発見。そんな〜と焦る。
そのうちにどんどん帰庫して来ますので、自分の担当バスの定位置に戻さないと邪魔になってしまう。
気持ちばかりが焦る。仕方がないので、一旦終わりにして夕方再挑戦する事にしました。
何ともスッキリしない気持ちで、休憩時間に入りました。
あ~あ。カーテンを外す前に長さの違いくらい良く見ておくべきだった。
相変わらず気持ちばかり焦って、仕事が雑になり余計な手間がかかってしまう。
そんな時には、必ず思い出す人がおります。
私に電車の検修の仕事の厳しさを教えてくれた後輩です。同時に、人に教えると言う事の人としての姿勢を学んだ人でもあります。
あ~またかよ。顔向け出来ないなと事ある度に思い浮かべます。
(気分転換もあり11時前に開いているラーメン屋さんで、チェーン店でないお店を探し、妻と行って見ました。若松町の「良温」ラーオンと言うお店です。太い麺がツルツルシコシコでございました。スペシャルもつ丼も確かにスペシャルでした。)
一時帰宅がすっかり遅れて、図書館に本を返しに行きました。
妻に返却を頼んで駐車場におりましたら「すみません。」「すみません。」と言う声がしました。
私?と思って見ましたら、何とその後輩が立っているではありませんか!
え~っ。本当に出てきてしまった〜。って感じでした。
なんという巡り合わせなんでしょうか。
「偶然は、偶然じゃないから。」と言う妻。
そうですね。
私が会いたかったのかも知れません。
そして、励ましてもらえた様に思います。
(こんな濃い感じのお店でございました。)
さて、もう一度カーテンと格闘して気を引き締めて夜の乗務に向かいます。
みなさんも多少の失敗は糧にしながら、ご無事で頑張って下さい。
まあ、私みたいにそそっかしい高齢者は珍しいかも知れませんが、そんな自分に負けないぞ〜!
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2024/12/12 15:54
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お互いに心の支えになりたい。
昨日から私が働く会社では、つくば(研究学園駅からバスタ新宿を結ぶ高速バスの営業がはじまりました。
観光バスを運転してきたベテランの運転士が担当しております。
何せはじめての運行ですので、現実には様々な課題が出てくるのですが、何より運転する人がいて成り立ちます。グチをこぼしながらも、対応する運転士さんたちをやはり尊敬の目で見てしまいます。数々の「修羅場」をくぐり抜けて来た経験の凄さを感じます。
第1便には、記念乗車してツイッターに上げている人がいたとの事でした。いるんですね。「快適!気持ち良い。」とのコメントだった様です。
まだ知られておりませんが、市内の人に紹介しましたら「それは便利だ。使える。」と言っておりました。つくばからバスタ新宿まで大人1300円との事です。
(私の方は、本日は小学校の送迎バスです。お弁当を公園で頂きました。
)
つくばで運転士をするようになって、道路も全く分からなかったのですが、ずいぶんと分かる様になって来ました。
住んだ事も無い街で、運転士をすると言うのですから無謀と言えば無謀だったのかも知れません。
転職と言うのは環境の激変が伴うのですが、知らない街への転居もしましたので平気なつもりで、実は大変なストレスがあったのかも知れません。
「辻川さんならできる」みたいな見えない期待に応えなければ。そんな感じで、ミスの連発に自分が追い詰められてしまいました。
人の要望に応える自分が好きで、雑なくせに完璧主義。雑なのですからミスをする。ミスをすると落ちこんで引きずる。それが、さらにミスを呼ぶ。
見た目では分からない、完全にマイナス思考の私だった訳です。
でも環境の激変で大変だったのは、私だけではありませんでした。
そんな私を信じて、東京から来てくれた妻はどうであったのか?
自分の大変さへの対応で、もっと大事な事に思いが至らなかった。
そんな風に反省をしております。
反省する事で、私だけでなく転職で苦闘している人たちの事も思える様になって来ました。
何ができる訳ではありませんが「私もそうでした。大丈夫、焦らないで下さい。技術の前に危険が分かる事の方が大事だと思います。」
相手の前職を聞きながら、まるではじめての人で悩んでいる感じなら、そんな感じで励ます様にしております。
それからある人は、出会うと笑顔で深々と頭を下げてくれる様になりました。内心は、大変だったのだと思います。
ちょっとくらいは、心の支えになれたのかも知れない。なんて思ったりします。
とにかく無事に、充実して働けるのがお互いに一番の土台だと思いますので。
昨日は、いつも100点でトリプルA評価のドラレコの採点が97.5点。良く見ると「急発進」が1回とありました。トリプルAではあるのですが、落ち込む私がいました。
またです。上手くもないくせに完璧主義で、ちょっとのミスを引きずる。
まだまだ伸びしろがある。増長は戒めて急発進にも注意だなって、成長の課題にすれば良いだけなんですよね。
高齢者の嘱託運転士には、無事故安全手当も、ボーナス査定も関係ないのですよ。と言いながら、点数は気になっている訳です。
自分を本当に評価できるのは、他者でなく自分なのに。人の評価は変わるのですし、機械に全ての危険が判別できる訳ではありません。
危険と感じ、それに対処するのは誰でもなく自分な訳です。
これではダメだ。ではどうするか?
ダメだと思わない事が、処置無しなんですね。
自分へのダメ出しは、前を向き、人と向き合うための積極的な自分への働きかけの様に思います。
いてくれるだけで安心する。
そんな先輩への道を少しずつ歩んでいるのかも知れません。
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2024/12/11 13:32
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