辻川慎一つくば便り
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21才のエモーション
「21才か〜。もう一度戻りてーな!」息子の誕生祝いに来てくれた仲間たちの言葉でした。
中学、高校の時代からとても可愛がって、大事にしてくれた仲間たちです。
この仲間たちの存在があって、自分の進路を決めた息子がおります。
私や仲間たちの影響なのか、どうやら職場でも、どちらかといえば昭和のおじさんの方が合う様です。
テーブルには、妻が用意した心尽くしの料理が並びました。
21才?
私は、何をしていたのでしょう?
国鉄時代の常磐線赤塚駅で踏切番だったと思います。
列車のトイレは、垂れ流し式で走行の風で「拡散」する方式でしたので、踏切の安全を旗やライトで運転士に知らせながら、踏切通過の際は小屋の中に退避しないと悲惨な事になりました。
眠いし、汚いし、責任が重い。しかし、泊まり勤務で11万円程度の給料だったと記憶しています。
それでも、お盆や暮の時期が来ると近所の方がタバコをカートンで届けてくれたり、地域の人たちの駅であり踏切である事を知った時でもございました。
公共企業だった。
ただし、それを当たり前とすると傲慢やおごりが出るのはどこでも、誰でも同じなんですね。
当時は、国鉄労働組合と言う大きな労働組合に所属していました。党派に分かれていて主導権争いが激しかったのですが、何だか偉そうなのがあまり合いませんでした。
国鉄安全体操と言う体操を考案された人が駅長で「体操をやりませんか?」と誘っても、組合の人たちは抵抗してやらない。やれば「点数稼ぎかよ?」と言われる。
私の方は、既に成田闘争等に行っておりましたし点数などどうでも良かった訳です。その駅長さんに誘われた時は「組合の重圧」があろうと応える様にしていました。
後に国鉄分割民営化に対して、私の赤塚駅時代の同僚がゲリラ事件で逮捕され、私も動労と言う組合が賛成に転じる事に猛然と反対して電車運転士を降ろされる事になりました。
その私を心配して、常磐線高浜駅のホームで運転席まで来てくれて「辻川君大丈夫か?心配しているよ。」と言ってくれたのは、21才の時の駅長さんでございました。
私の方は、国鉄分割民営化で仲間たちと一緒に鉄道の仕事を追われ蕎麦屋、売店のたらい回し。
仲間たちと一緒に鉄道の仕事に復帰すると言う事に、23年間をかけたのでございます。
自分たちが大変で、恩ある方々には不義理ばかりだったと改めて思います。
21の自分に戻れたら、お世話になった方々をもっと大切にしたいなと思います。
その時、その時が2度とは来ないから。
時は瞬く間。JRは、60才を前にした私に対して、エルダー社員として再雇用する条件を勝田車両センターの仲間たちから引き離す内容を提示しました。
私は、23年間かけて仲間たちと一緒に働くと言う夢の様な日々を闘い取りました。
仲間たちが増え、一丸になって職場を変えた。本社も震え上がるくらいの激しい闘いも展開しました。
仲間たちの23年間の屈辱と汚名を晴らす!その一念でした。
その結果は、最後にまた私を仲間たちから引き離すと言う事だったのです。まあ、会社としては当たり前の譲れない一線だったのだと思います。雇用の問題ですから多分、私が折れると思っていた。
新しい組合を作って、想像を超える人生があって、喜びも悲しみも一緒にしながら仲間たちと生きて、勝ち取った素晴らしい日々を再び奪う事は許さない!
なので、私が自分の再雇用のために折れたら、私では無くなるのでございます。
仲間たちは、私がJRを離れる事に反対でございました。私がいなくなるとまとまらなくなると言われもしました。
実際に動労水戸から、党派がらみの何人かが居られなくなって出て行く事になりました。
仲間たちよりも自分。何十年一緒にやっていても、結局自分が「偉い」と勘違いする人としてつまらない人もたくさん見て来ました。特に労働組合の幹部です。
組織も人も自分の踏み台。そう言う人はみんな偉そうで、傲慢でした。そして記憶から消えて行った。
21才の時の駅長さんは消えないのに。
人の記憶は、大切に思われた事の記憶としてずっと残るのかも知れません。
その人が本当に苦しい時に、誰かがどんな存在であったか?
https://youtu.be/_h8miUvfjUs?si=7niTMf3V9PDqBrcT
時代が、また大きく変わろうとしている様に感じます。
激しい昭和の激動に生まれ、国鉄分割民営化の時代、バブルの時代も越え、あの対立と争いとは何だったのか?と思う。
そして残ったものは?
これからの時代は?
自分だけの人は、記憶から消えて行くので関係無い。
しかし、汚染物質だけが残るのでは希望も情けもない。
どんな時代でも、人として人を見て、自分を生き抜く、人を残していく、それ以外に類としては残らないのでは無いでしょうか。
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2024/05/19 07:14
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