辻川慎一つくば便り
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習慣の力
昨晩のつくば市内の金曜渋滞は、なかなかのものでした。
夕方第1便は、工場の門を出るのもなかなか出られない状態。いつも混雑する国道408号線の「東雲」前「魔の交差点」も手前から大変な渋滞でした。それでも、第2便発車時間に10分遅れで済ませられたのは、かなり慣れて緩急自在な運転ができる様になったからだと思ったりします。何より状況に対して無用に焦らなくなりました。
焦れば、周りを見ないので危険が増すだけなんですね。ちょっと狭い裏通りも通るのですが、お母さんと一緒の幼児が手を振ってくれているのも見逃さず、笑顔で手を振り返しましたら、お母さんがにっこりとお辞儀してくれました。そんな一瞬に喜びながら、この仕事が出来て良かったと思いながら無事にラッシュを乗り越えた次第です。
私たちがしている行動の4割は、習慣の力で成り立っている。なので無意識にできるくらいの習慣にする事によって脳の働きに余裕ができて、臨機応変に対処する事ができる。そんな事が書いてある本です。そして、その習慣を身に付けて行くためには、きっかけと報酬が大切なんだとあります。
きっかけと言うのは、例えば朝起きたら布団をたたむ。ベッドなら直すになりましょうか。それだけで、一日のスタートが変わるきっかけになるとありました。
例えばバスの運転に入る前に、運転席の周りを拭くとか、道具一式を点検しながら整備し直すとか、そう言う事が、良い習慣付けのきっかけになる。
そして、その報酬と言うのは気持ちの良い一日や仕事になって返って来ると言う訳です。
心の持ち方と言うのは、ルーティン、つまり習慣化する行為によって導かれると言う事なんですね。
私が、この映画に惹かれるのは、実は「習慣の力」をさりげなく描いているところなんです。
役所広司さんふんする平山さんが、起きて最初にやる事が布団をたたむ事。歯を磨く事。植物に水をやる事。…仕事に出かける前から公園のトイレ清掃の仕事。樹木を見上げ写真を撮りながらの昼食休憩。それから、オフの行動も含めてルーティン化された生活を美しい映像で淡々と描いていると思います。私が特に印象に残っているのが、畳の掃き掃除の前に濡らした新聞紙を撒いてから掃くシーンでした。
あ~、母がそうやって掃いていた。ほこりを立てずに綺麗に掃く知恵でした。同時に部屋の空気が澄む効果があるのだと思います。
完璧な一日と言うのはルーティンから成り立っている。それが、この映画のもう一つのメッセージの様に思うのです。
バスの床は箒とモップで掃除しますが、窓やボディは私の場合、きつく絞った水雑巾で拭き上げるのを日課にしております。
そうするといつも思い出すのは、小学生低学年の頃木造校舎の長い廊下を、両手で水雑巾を押しがけした記憶なのです。
友だちとワーワー競争したりしてやった雑巾掛けの記憶が、よみがえるんです。その時の木の床の記憶と共に。
そうすると、私が木道を歩くのが好きだと言う原点がそこにあったのかなとも思います。
昭和の時代の変化はとても凄くて、例えば同じ昭和でも10才下の別れた妻のベースと全然違うと言う事も分かりました。
物事の解決の仕方やルーティンが、一つ一つ違うのです。
私は、何とか自前で解決しようとするのですが、「文明の利器」を買って解決しようとします。
まあ、今の人なら当たり前の事かも知れません。なので批判している訳ではありません。良いものへの目利きは、凄いですし、私には到底及ばないと思っています。
消費社会が今の社会の前提なのですから。
ただ、自分の手で拭く感触や、拭き上げて綺麗になり空気まで澄んで気持ちが落ち着くと言う報酬があり、その時の情景がものや人に対する愛着を生むと言う確かさは、生まれにくいのかも知れない。
そんな事を感じます。
たくさん買うのだけれども、食べものにも、ものにも、人にもそれほど愛着が持てずに捨てる。
自分の手や足で触れてつかんだ感触と共に確かな記憶があり、その記憶がその人の土台になる。ルーティンと言う行為を通して、確かな心の土台を作り続ける。それが習慣の力なのかも知れません。
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2025/05/17 11:09
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