辻川慎一つくば便り

休日に感じた事。

休日、一家で温泉に行き岩盤浴でゆっくり致しました。身体を芯から温める事は、緊張を解し、疲れを取り、免疫力を高める効果がありますので「贅沢」とは思わず大事にして来ました。

横になりながら、置いてあった「文藝春秋」の2月号を見始めましたら止まらなくなってしまいました。昔だったら見ない雑誌でございました。先入観を持たずに読みますと、生き残っている理由が分かります。

その中にゴッホの「花咲くアーモンドの木の枝」の鮮やかな写真があり、引き寄せられました。


こちらはネットからダウンロードした写真ですが、文藝春秋の写真はもっと見事だと感じました。全体的にクオリティーが高い雑誌なのです。


ゴッホと言えば、生前は全く売れない画家だったとの事で、亡くなってからその価値が見直された画家としても有名です。

ゴッホは、日本の浮世絵、特に葛飾北斎に憧れ影響を受けました。輪郭を黒い線で描くのも浮世絵からの影響なんですね。


その北斎のエピソードが伝えられています。


外国人の商館長が北斎に絵を依頼したのですが、その間に入った日本人の人が同じ浮世絵を半額で売ってくれと言った。版画なので同じ絵が作れる訳です。

例え半額でも大金なのですが、北斎は「それでは外国人だからと嘘をついた事になる。それでは私たち(日本人)は嘘つきになってしまう。」と決して応じなかったとの事です。それを聞いた商館長が感激して、全て買い取ったとの事です。

そうして、北斎の浮世絵が西洋に渡りゴッホやモネなどに「ジャポニズム」として多大な影響を与えた。

作品の衝撃と同時に、目先の利益に自分を売らないと言う人としての魅力や衝撃があったと言う事かと思います。

損得を越えた心を感じた時に、人の心は動かされます。

金のための仕事ではなく、良いものを残す。それがジャポニズムの精神の様に思います。

私たちは、何も残せない無常を生きている。一人一人芥子(ケシ)粒くらいに小さいのだけど、その中に宇宙と地球、自然の歴史があって存在する。

人の中に神があり仏があるんだって、そう言う事なんだと思います。

浮世絵も語源は「憂き世」との事です。無常で辛い憂き世をひっくり返して浮世にした江戸時代の人たちの粋(いき)と言う訳です。

そうしますと「粋だねー」と言うのも軽はずではなく、結構深い。

目先の損得ばかり考えるから「ダサ」くなる。

なるほど、なるほど。
どうも、私も粋には程遠い感じですが、まだまだこれからでごさいます。


ゴッホの安藤広重の模写もあります。


アートな世界も分からないのですが、私にだってゆっくり味わえば、感じる事はできるかも知れません。

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