辻川慎一つくば便り

涙の誓い。

株価の最高記録に、春闘賃上げ記録。
能登半島地震で始まった2024年でございますが、景気の良いニュースが続いております。

「春闘」と言う言葉が踊る事自体が久しぶりの感じがします。かつては賃上げをめぐり労働組合と経営者がはげしくぶつかった時代があり、「春闘」と言う言葉自体を無くそうとした事もありましたが無くせなかった様でございます。

言葉自体が残っていても今年の春闘の歴史的特徴は、政府・財界主導と言う点にあります。

となると「コロナにワクチン」ではありませんが、ヌカ喜びせずに冷静に見る必要がある様に思います。



私が、国鉄に入ったのが1978年。

春闘ストライキがまだ当たり前の時代でございました。

78春闘でも列車は止まり、学校は休みになったのですが、駅がストライキ対象ではなかったので出勤しなければならない。その時は、常磐線の高萩駅でしたので自力で行かなけれはならなかった訳です。

道路は大渋滞、年下の先輩の車に便乗させてもらったりしました。

その時にカセット式のカーステレオで初めて「アリス」を聞かせて頂きました。「涙の誓い」などが流行っていた頃だと思います。

https://youtu.be/qrmUMIu9A-o?si=cpIfyhxNtut0rBpY

出勤してもほとんど仕事は無かったのですが、列車が走らない線路にはたちまちサビが出る事に妙に感心したりしました。


ストライキ2日目に、遅刻してしまい国労の先輩に叱られた思い出もあります。

運転士を目指し、動労と言う労働組合に変わってからは「春闘とは何か?」を学びながら、青年部の中で激しく論争もしました。

それが、国鉄分割民営化とどう対決するかに発展して行ったのです。

国家政策だから闘っても無理。いや、労働者は闘う中に展望がある。そんな議論であった様に思います。

それが今や、労働組合の大半が崩され、残っている企業でもアウトソーシングが進み組合組織率は減る一方。

そんな中での政府(国家)主導の「賃上げ」と言う訳です。



天の邪鬼な私は、素直には受け取らない。


国鉄分割民営化から37年。
JRの労働組合破壊を水路に、非正規雇用化とアウトソーシングが全面的に進められて昔と様変わりしているのは、大企業の正社員が一握りになっていると言う現実です。

大企業でも大半は、派遣社員な訳です。

しかも日本の企業の99.7%は、中小企業なので0.3%の大企業の社員の賃金が上がった事が一体底上げになるの?

派遣社員やグループ企業の労働者は?

下請け中小企業の労働者は?

非正規雇用の労働者は?

そう考えるとほんの僅かな大企業正規雇用労働者の賃金が上がった事が、そんなにビッグニュースなの?と思うのでございます。

何だか怪しい。

私が働いている中小企業の代表取締役に聞いた事があります。

「コロナで大変な時に『給料は払うので、安心してくれ』と言ったのは凄いと思いましたよ。」と。

そうしましたら「本当に大変だったけど、そう言わなければみんな逃げてしまう。逃げられたら再起も何も無いでしょう?」と言う訳です。

そうです。逃げられたら終わりなのでございます。

「ハッタリでしたか?」と言うと「苦しい時にこそ、ハッタリをかませられるのも大事なんですよ。」と言う。それも経営者としての勝負であり、立派な闘争でございます。


マルクスさんが言った様に、利潤と言うのは労働者が働く事で生まれる剰余価値にある。つまり、労働者が働かなければ利潤はどこからも生まれない。

資金は集まった。でも少子高齢化の中で労働者にそっぽ向かれたら終わりなんですね。

自民党が、派閥を解散してまでも何とか支持をつなぎとめようとしているのも、逃げられたら終わりだからなんですね。

その意味では、自民党と言うのは他の政党より危機感が凄いのだと思います。日本の財界の意思そのものなんだと思います。

反対だけ言って、実はぶら下がっている方々とは違う様に思います。

時代は激しく変わっていますね。自己満足ではなく、時代を見据えた労働者自身の新しい連帯が作れるかどうか?

けちくさい事のために闘って来た訳ではありません。常に99.99%全体の仲間たち、そして世界の仲間たちを忘れてはならないと思います。

https://www.qab.co.jp/news/20240312204959.html

ウクライナ、パレスチナガサ地区の戦争の最中、全港湾石垣島の50人のストライキ。

こういう労働者と労働組合の闘いに心が震えて、仲間たちと一緒に動労水戸と言う労働組合を作ったのでございます。

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