辻川慎一つくば便り

運転のヘタな運転士なれど

「低迷の中で、ずっとそれを生き続けているのが中小企業の労働者なんです。」

JRの時代に、大企業で闘って来た経験で中小企業の労働組合を支援する私に、そう語ってくれた仲間がいます。

その現実を、この4年近くリアルに学ばせて頂きました。

同時に、人として、労働者として決して奪われない誇りがある事も感じて来ました。

私が慣れる事の出来なかった大型バスに、介助人さんの代打で乗ってくれたプロのガイドさんが雨の湿気で曇る窓に対して「私たちは、会社の看板をつけて走っています。窓が雲っていれば、そんな程度の会社だと思われるのですよ。」と教えてくれた事を忘れません。

人に対しても、周りに対してもいい加減な仕事はしない。

その方が淹れてくれたお茶の美味しさも忘れません。

人に通用する仕事をしておられました。それが、生き残る事の厳しい時代の中で「会社」を残して行く土台になって来たのだと私は思います。

経営者の側からすれば、一瞬も現状にあぐらをかいてはいられない。先を見ながら、厳しく手を打ち道を開かなければ結局働く人に責任を取れない。

その両面があって成り立っている。
税金から給料をもらいながら寄付まで集め、自分の利益だけを考えている政治家の様な人たちには分からない世界なのだと思います。


(今の会社に入社した頃の私でございます。)

私の方は、厳しい中でも誇りを持って生き抜く人たちに改めて学びながら、資本主義への根本的批判について一層深めております。

だからと言って社会主義だとか共産主義だとか「主義」を語る側の非人間性も明らかになったと思っています。

資本主義への批判になっていないのです。だから魅力が無いし、面白く無い訳です。

土台、日本の労働者の99パーセントが中小企業労働者であり、大企業で働く人もアウトソーシングの非正規雇用労働者なのです。

その人たちに通用しないものに、何の魅力や力があると言うのでしょうか?


(羽越線鶴岡駅で、気分だけ電車運転士に戻って見ました。)

ともあれ、私の方にも何の力も無い訳ですので「犬の遠吠え」かも知れません。

その私が、何でもやる総務部のパート社員から急転直下、来週から会社から派遣される派遣労働者として企業の社員送迎バスのドライバーをやる事になりました。

あまり運転が上手くない高齢ドライバーながら、大型二種免許があるプロドライバーと言う事で派遣先で運行責任者を命じられた次第です。

プロのガイドさんから教えて頂いた様に、とこに行っても会社の看板と自分の名前が付いてまわるのでございます。

先ずは、プロの端くれとして恥ずかしく無い様に頑張る。誰かのせいにはできないし、しない。誰かを非難して終わりにできない自分の責任がある。

そうして人として信頼し合う。全ては、そこから。JR時代も、今も変わらない私の現状批判の土台なのでございます。

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