続「草の根」
皆様お疲れ様でーす。
昨日午後の出庫時間を前に、バスの圧縮空気が抜けて圧力が上がらないと言う緊急事態になりました。
近くにおりましたベテラン運転士(私に運転指導をしてくれた人です。)にも確認をお願いしましたらやっぱり上がらない。「辻川さん、これをこのまま運転したら危ない。別なバスを使った方が良い。」と言って、一緒に点呼に伝えてくれました。
予備バスがあいにく車検で、売却寸前で教習用にしか使われていないバスしか無いとの事。「たぶんエンジンはかかるだろう。」と言うので車庫ではなく駐車場の端っこに置かれたバスに行って見ました。掃除もされていませんし、塗装も色あせて見るからに汚い。「これに乗ってもらうのー?」
しかし、緊急事態なのでしょうがない。で、エンジンをかけて見ましたら、かからない。バッテリーが弱っている。ひえ〜。
点呼にかけて行き、その旨を伝えますと「別のバスからバッテリーコードでつないでかけて見てくれませんか?できますか?」と言う。「たぶん大丈夫です。」とバッテリーコードを積んで、ちょっと離れた駐車場にバスで向かう。
乗用車と違い、バッテリーの位置も違うのでバッテリーの位置を確認して、コードがつながる様に合わせて停車する。バッテリーが一つでは無いので、プラス・マイナスの端子の位置を確認して間違いなくつながないとバッテリー自体が溶けて使えなくなります。失敗した現場を目撃した事もありますので、出庫時間が迫っているのですが冷静に、落ち着いて確認する。
つないでエンジンをかける事3度目でようやく予備バスが始動。幸い手助けに来てくれた若い同僚がいて、2台のバスの1台を車庫に戻してもらえる様にお願いする。
私の方は、予備バスを車庫に持って行き行き先表示などを移動。それで発車前5分前。急ぎ出来るだけの雑巾がけをして車庫したのでございました。

予備バスは、私が特別支援学校の送迎バスを担当していた時の現役車でした。
大わらわで出庫して、退勤送迎の1便目を終えて工場に戻りましたら、私の担当バスがありました。取締役の責任者が「辻川さん。どうも圧力メーターの針が引っかかって上がらなかったらしい。叩いたら上がったので大丈夫。予備車にはデジタコがついてないので、バスを乗り換えて下さい。」との事でした。
そうして2便発車時間まで3分のところで、またしてもバス交換となった次第でした。
こうして、昨晩の乗務も乗客の皆さまには無事で終える事ができました。
私の方は、かなりヘトヘトになりましたが動揺しないで冷静に対処できて良かったーと思いながら、取締役の上司にも、若い同僚にも笑顔で感謝のお礼
を伝えた次第でした。
しかし「圧力計の針が引っかかって、叩いたら動き始めた。」と言うのは、何とアナログなんでしょうか?古いバスにはある事だそうです。
それもこれも勉強になります。運転だけでなく、こんな故障やにっちもさっちも行かない様な大変な経験を経てベテランの運転士になっていると思いますと、やはり人って凄いなって改めて思います。私も後追いですが、そんな人たちの末端にいる事の有り難さを感じております。

わが家スイセンが咲きました!
ですが、土壌がやせているのかちょっと小さいです。
すでに長いブログになりましたが、小さいとか大きいとかは人を比べる時にもありますね。あるい立派だとか、貧弱だとか。役に立つ人、立たない人と思ったり、言ったりします。
人間と言うのは、色んな人がいますね。昔のドイツの学者さんが、ライ麦の種をわざと砂地の環境に植えて調べた事があります。
過酷な砂地でもライ麦は頑張って発芽した。でも当たり前ながらとっても貧弱なんですね。
そのライ麦の根の長さを徹底的に測ったのでございます。目に見える根だけでは無いのです。1株のライ麦の根には、極微な根毛がほぼ140億本ついている。何とこの根毛をつなぎ合わせると全長で10600kmにもなる。これは地球の北極と南極の間の距離に相当すると言う事を発見したのです。
嘘みたいな本当の話しなんですね。
命と言う事、生きていると言う事の凄ごさを感じないでしょうか?生きるために、物凄い、想像を絶する様な根を張っているのです。
植物一本、一株でも生きているって事がこんなに懸命で凄いのに、人間は違うのでしょうか?
生きているって事だけで凄いのに、役に立つの立たないのだとか、元気だとか病弱だとか、健常だとか障害があるとか、若いとか年寄りだとか……。どうも生きている事自体が奇跡の様に凄い事なのに、勝手な区分けや分類をして人の命に価値を付けて低めてしまう。
そんな、「風評」に疑問を持たず、自分の人生をつまらない、価値が無いと思わされてしまって無いでしょうか?
私もまだまだ途上ながら、色んな人を乗せて、色んな人と接点を持たせて頂きながら、感じて来た事と同じなんですね。
人間の場合、環境と言うのは土壌や自然環境だけでなく、過酷な社会環境と言うのがあります。
その中で負けずに、懸命に生きている。生きようとしている。
お互いに先ずその事に気付き、それこそつまらない社会的常識や比較に囚われない事が大切な様に思うのです。
週末金曜渋滞、覚悟の乗務に行って参ります。
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