辻川慎一つくば便り

穏やかな休日に

5日間、自分と周りに向き合いながら何とか無事に乗務を終えて穏やかな休日の朝を迎えております。

生意気な気持ちでなく、仲間たちを率いて国鉄分割民営化に抗って来た私は、国家の政策と闘うと言う意味を考え続けて来ました。

もうほとんど忘れられている作家に、松下竜一と言う人がおりました。

自ら自然保護や平和運動をやりながら、「売れない作家」として生き抜いた人でした。

その作家は、国家と闘った人々への暖かくもしっかりした記録を残されて来た人です。

「東アジア反日武装戦線」と言う忘れられた爆弾闘争をやって、死期を迎えた桐島聡と言う人が名乗り出て、奇異の扱いをされた事で、松下竜一さんの本を読んでいた事を思い出しました。


「東アジア反日武装戦線」の人たちを題材にしたルポルタージュ。



たった一人で「蜂の巣城」と言われた砦を作り、ダムに沈む町を守ろうと闘った室原知幸さんを題材にした本。

日本のダム建設・「公共事業」の根本を変えたと言われる闘いを展開した人の記録です。

その他、忘れ去られた人々の生き様や闘いの貴重な記録を残しております。

自らは、家業の豆腐屋をやめ売れない作家一本で年収120万円程度だったそうですが、妻や彼を応援する人たちに支えられて生き抜いた作家でございました。



売れない作家なので、たくさん残した作品も絶版状態。


彼の本もかなり読んで、持っていたのですが、何千冊かをまとめて処分した時に無くなってしまいました。

絶版なので、今買おうとすると一冊何千円と言う値段がついております。

まとめて売った値段と変わらない事に、愕然とする次第です。

彼の原点は、才能を感じた友人が過酷な環境の中で25才で死んでしまい、その友人が書き残したものが全て焼かれ、寝ていた布団が鳥小屋に敷かれていたと言う鮮烈な記憶だったそうです。

名も無く、過酷な人生を送った友人の記録を残したい。

そこが原点で、その友人の物語を題材にした絵本も残されています。

その作品が載った文庫本も、絶版故に大変な値段がついております。

皮肉ですが、それが松下竜一さんが残した作品の本来の価値ではないのか?と思ったりします。

忘れ去らた抗う人々の記録。
忘れてなるものか。忘れてはいけない。

そんな思いをもう一度、読み返したいなんて思いますが、なかなか手が届きません。忘れ去られた名も無き労働者への私の中の生きた記憶と、松下竜一さんの愛着と思いが重なるのでございます。

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