辻川慎一つくば便り

生き心地

夜9時に帰宅すると、妻が日替わりで作ってくれた野菜がたくさん入ったスープがあります。

寒くて身体が冷えているほど、芯から温まり「ほ〜っ」と芯から身体が喜びます。


(ローカロリーで消化に負担が掛からないのに温まる。頂きものの白菜の有り難さです。)


それからお風呂で身体を外から温める。

湯船に浸かり、両手で顔にお湯をあてます。

あ〜、なんて気持ちが良いのでしょう。「生き心地」って言うのでしょうか?

避難されて酷寒の中にいる人たちに、この2つがあるだけで、生きていて良かった〜と感じるよな~なんて思います。立ち上がれない悲しみや失望も越えられるのは、生きていて良かったと具体的に感じられるところからかも知れない。

そんな事を思いました。


人を乗せ毎日運転しておりますと、日々刻々と道路状況は変わるのですが、実は自分の心や性格、あるいは体調との向き合いの連続なんだと思います。


苦境や難関も、自分次第と思うところが大半なんですね。車の運転は、人間社会そのものへの向き合い方と同じだと思います。

人間が生み出し、人間と人間が車を通して他者と関係しているのですから、そこにどう関わるかも自分次第。

心根や性格がもろに出ます。なので衝突するのも、危険を回避するのも人と人の関係がもろに現れるのだと思います。

人を思いやりながら運転ができるか、自分の事情や気分に支配されて車を凶器にするのか?

それが生死を分ける。
便利で、意のままに扱える様で、実は大変厳しく怖いのが車でありその社会の様に思います。

F=ma

力は、質量と加速度によって決まる。

車は、人と人がぶつかるのとはレベルの違う力で人や物に衝突する。

だから毎日の様に死者が出て、再起不能の人が生まれている訳です。

まとめて死者が出ると注目されますが、一体何人の命が奪われ、社会復帰の道が絶たれて来たのかと言う事には、思いが及ばないのも現実なんですね。

個別に責任を問われ罰せられているので、「自分には無関係だ」と思ってしまう訳です。



安全のための3つのS。知っていましたか?

(人を思いやり)スピードを控え。危険を感じたら止める。常に周りを良く見て運転する。

交通事故を回避し、惨事にならないための基本条件です。

人に言う前に、何より私自身への戒めです。

朝も晩も、私のバスに乗っている人たちが居眠りしていると嬉しくなります。

怖いと感じれば、眠れません。運転が乱暴なら乗り心地が悪い。なので安心して眠っている姿がルームミラーから見えると嬉しくなるのです。(バスのルームミラーの役割は、社内の安全確認がメインになります。)

学校の先生などは、居眠りされると怒るのでしょうけど、居眠りされて嬉しい職業なんだよな~って思います。

安心して眠れるって大事ですよね。人は生まれた時から、誰かに守られて安心して眠り、育ったのですから。

間接的ではありますが、乗客は私のバスに乗っている間は、私に守られているのです。私を信頼するから安心して眠れる。小さい事かも知れませんが、そこにも「生き心地」がある様に思います。

その信頼を裏切ってはならない訳です。思いやりが、心の安らぎと信頼を生む。

それって人間社会そのものの成り立ちの様に思います。

思いやりを大切にして、今週最後の乗務に行ってきます。

みなさまもご無事で。

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