辻川慎一つくば便り

理想は、偽りの灯火。

色んな人を見て、色んな経験を重ねて来たからでしょうか?心が動くと言う事が、少なくなって来ました。

命が、明日も明後日も、1年後も10年後も続いて行くと思いながら生きているのですが、事故や天災で突然亡くなったり、病気で死が迫っている事を知る場合もあります。全て他人事でなく、自分にも必ず訪れる。

それを考え無い様にして、結構安易に生きてしまっている様に思います。

私自身もそうでした。
本当は、いつ終わるか分からない大切な命と時間なのだと思います。

だから、本当に心が動く事を大切にしないともったいないのだと思う様になりました。



寒く慌ただしい出庫の前ですが、点検、書類記入、点呼を終えましたら朝焼けが綺麗でした。人知れず深呼吸をして、手を合わせました。


朝の乗務を無事に終えてバスの清掃をしました。毎日掃除して一見綺麗に見えるのですが、掃けばほこりやゴミがある。モップを掛けて洗えば、水は濁る。窓も毎日拭いているのですが、なかなか思う様に綺麗にはならないのです。なかなか簡単ではありません。

私の妻も毎日の様に家の掃除をしたり、片付けをしたりしておりますが「きりが無いくらいある。」と言います。

これで良いと言う事は、生きている限り無いのかな〜?と思ったりします。


私の部屋には、妻が用意したシュロの箒とチリトリがあります。

なるべく、毎日掃く様にしているのですが、何故かほこりやゴミがあります。

それでも掃くと空気感が変わり、気持ち良く感じられます。

バスの清掃を終えて一時帰宅しようとしたら、私を気にかけてくれてお世話になって来たベテランの先輩がおりましたのであいさつをしました。

そうしましたら「辻川さんDPFの事で困ったんだね?ブログを見た妻が心配していたよ。」と対策についてアドバイスをして頂きました。

決して知ったかぶりをする人では無いのでいつも有り難く思っております。

何せ、バス運転士になって5年、ようやく自分の運転と言うものが少し分かって来たところながら、経験不足は自覚しております。

なので、気にかけてアドバイスしてもらえると言う事をいつも有り難く感じております。

まして、奥様まで気にかけてくれている事を知り、心から有り難いと思いました。

人の心を傷つけるのも人なら、癒やすのも人の心なのだと思います。

小さな事なのかも知れませんが、そう言う事に心が動きます。


たくさんの落ち葉が地面に落ちて、細菌が分解して、また養分になる。


クヌギの葉であれば、カブト虫等の幼虫の住み家と食べものになったりもする訳です。

その上を歩くとフカフカなんですね。豊かだと足が沈み込むくらいになります。

私は、筑西市にあるバス車庫の周りの自然を一人散歩しながら過ごす時間にずいぶんと癒されました。

私にアドバイスをくれる先輩もまた、その時に一緒でした。その人の存在にもずいぶんと癒されました。

悲しみと深い喪失感があったのですが、自然と人に癒される時間があっての今だと思います。

「理想と言う偽りの灯火を消して周りを見てみると、あなたにずっと届けられていた、たくさんの小さな優しさや思いやりに気がつく様になる。」

理想と言うのは、正義や大義だとかばかりでは無い様に思います。理想の親、理想の夫婦、理想の関係…そんな全てが偽りの灯火なのだと思う様になりました。

正義や理想を追い求めていた時には、人を傷つけている事にも気付きませんでしたが、小さな優しさや思いやりに心が動く私がおります。

なので、それを大切にして行きたいと思っています。

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