辻川慎一つくば便り

机の思い出

雨が上がり気持ちの良い天気になりました。

雨が続いて汚れてしまった担当車3台の洗車や清掃がちょっと大変ですが、先輩たちと話が出来たりするとそれも楽しい時になります。

さて、みなさんは「机」への思いなんてありますか?

車の運転を軸にして様々な仕事をする事になり、あまり座っている時間は無いのですが会社から私用のデスクを頂きました。もちろん、もらった訳ではありません。


仕事上のデスクを頂いたのは、JR勝田車両センターで電車の検修をやっていた時でしたので約3年ぶりの事です。


勝田車両センターに52才で行くまでは、25年間鉄道の仕事から外されていましたので会社の中に自分用のデスクがある事自体に感激した思い出があります。

会社から排除され続けた者にしか分からない感慨かも知れません。仲間たちとそのデスク越しに話せるだけで、幸せを感じたものです。


(妻とはミニテーブルで、のどかな景色を見ながらブレックファストを楽しみます。)


私が両親から机を買ってもらったのは小学一年生入学の時でした。1964年のことですね。

父の給料が20000円で5000円の木造長屋に住んでいました。

玄関を入ると三畳間があり、そこに置かれました。

私が自由に使える初めての場所であり、お城みたいな感じでした。

大人にはつまらないものでも、私に取っては大事なものを引き出しに入れました。例えば、牛乳ビンの紙の蓋を集めたりしました。色んなものを集めて眺めておりました。

ある時は、捨て猫を拾って来て机の中に隠して、両親に驚かれました。

白い猫でした。最初は怒っていた両親が、結局は自分たちで可愛がっておりました。

のら猫だから「ノラ」と言う名前を付けられました。

成長したノラは、父さんの布団の中で出産しました。

父さんが驚いて飛び起きたのを今でも覚えています。

私たち一家が引っ越す事になり、お婆さんのところに貰われた様に記憶します。みんなに可愛がられた猫でした。

その机は、私が20歳で国鉄に就職するまでお世話になりました。

ものを大事にできないと、ずいぶん母に叱られた記憶がありますが、この机には長くお世話になりました。

両親は、私を生んで、私の居場所を作ってくれていたのですね。

居場所って大事なんですよね。

だから自分の居場所ばかりに気にするのでなく他の人の、後輩たちの、子供たちの居場所を作れる様にできるのが大人なんだと思います。

自分だけなんて、楽しくありません。

自分だけってのが、本当の貧困なんだと思うのです。

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