辻川慎一つくば便り

暴れ川坂東太郎(利根川)

茨城県の県境を流れる利根川の異名は「坂東太郎」。九州の筑後川が次郎で、四国の吉野川が三郎と呼ばれるとか。

江戸に向けた水運で栄えた跡が各所に残っておりますが、危険と一体だったのだと思います。

佐原の道の駅には、こんなものが展示されています。


「発動機船たちばな」スクリューの位置も船底も浅い船です。つまり動けなくなった船を曳航救助するための船だった様です。


それから

護岸工事用の「ナベトロ機関車」もありました。


茨城県の常陸太田市にもあるとのことですが、土砂などを運んでナベの様な荷台をひっくり返すことで降ろす。軽くなると戻り、自動ロックされる。かつては、炭鉱でも使われていたとのこと。

川にも鉄道が使われていたことを初めて知りました。私の父が炭鉱で働いていましたので、何だか親近感があります。

江戸時代から水運で栄えた佐原の古い商家には、こんなものもありました。


外側は鉄板ですが、内側が木で出来ている金庫です。船が沈んでも金庫は沈まない様に作られ、使われていたとのこと。こんなところにも川が暴れた時の大変さが忍ばれました。


さて、私がJRの後輩のラストランに行った日は空も大荒れでした。
この日「秋葉原無差別殺人事件」の犯人の加藤智大さんに死刑が執行された事を知りました。

安倍晋三元総理が銃撃されたのが8日。マスコミでは、山上容疑者による怒りで統一教会の問題がクローズアップされています。

私は、人を殺す事が良いとは思いません。それぞれの行いや言動には必ず報いが来るとも思っていますし、誰にも怒りの感情はあります。

怒りと言うのは、本当は自分や自分の大事なものを守ろうとする大切な感情なのだと思います。

つまり攻撃的に見えるけど、自分や家族や仲間等の危機に対する防衛が本質だと考えて来ました。怒りが人に向かなければ自分に向かうのです。

それでも、あなたがいるから私も生きられる。そんな存在が一人でもいれば、こんな結末にはならなかったのではないかと思うのです。だから、彼らを自分とは無関係だとは思えない。

何だか痛い私がいます。みんな暴れ川の坂東太郎だった。

〈死刑は5分間の絞首だと聞いています。実際には、1分もあれば死ねると思います。皆様に与えた苦痛と比べると、あまりに釣り合いませんが、それでも、皆様から奪った命、人生、幸せの重さを感じながら刑を受けようと思っています〉(加藤智大)

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