辻川慎一つくば便り

持ちつ持たれつの粋

朝の冷気が気持ちの良い秋晴れの日曜日です。

こんな爽やかさを爽やかさとして感じられる事も、以前の私には無かった様に思います。

何だかいつも重荷を背負って、難しい顔をして考え事ばかりしていた様に思います。

JRで仕事をして、筋トレをして、会議に出かける。最終の特急で缶ハイボールを飲みながら帰り2時3時に寝て6時には起きてまた仕事に行く。休日も集会、会議、デモ、そして飲む日々。

信じられない様な日々を送っておりました。それでも、小さな畑を作り、田んぼのあぜ道を1人散歩する事を小さな楽しみにしておりました。


(つくば市の「イーアス」屋上パーキングから見た筑波山です。中腹の温泉街も見えました。)


JR最後の1年間は、国鉄からJRにかけて仲間たちと一緒に生きて、闘って来た全てを自分に問いながら私自身の再雇用をめぐり譲らない闘いをやり抜きました。

折れずにやり抜きましたが、本当は心底疲れていた様に思います。

顔と体は正直に傷んでいたのですね。
死んだ様な顔をして、信じられないくらい体も固まっていて男性のマッサー師に「こんなに体の固い人は初めてだ。二度とごめんです。」と言われておりました。実はそれでも自分では大丈夫だと思っていた事が、一番危なかったのかも知れません。

それを誰より心配して、守ろうとしてくれたのが今の妻でした。



ザ・バンドに「Weight」と言う曲があります。

とても印象的な曲なんですが、歌詞の意味までは知りませんでした。

https://youtu.be/ho-RVRBg5D0?si=cNwLDB14RFZ-o7rR

ナザレに来た時には、半分死にかけていた。どこか休めるところは無いか?と聞いたら「そんなところは無い」と言われ、その代わりに「その重荷を降ろせよ。代わりに俺が持ってやる」と言われた。


とそんな歌詞でした。

ナザレってキリストの生誕地だと言われる街です。

重い荷物を背負った私を迎え入れて、ひたすら守ってくれたのが妻でございます。

体も、心も疲れ果ててしまっていたのか私の方は、妻のところでひたすら眠っていたと言います。

そればかりでなく、私が背負って来た重い荷物まで持たせてしまいました。

重い荷物をおろした私が別人の様に、心からの笑顔で居られるのはその人のお陰なんですね。ナザレの妻でございます。


私はと言うと、とても後ろめたくってずっと彼女の顔をちゃんと見れないで来ました。


でも、それもやっぱり間違いですね。

ちゃんと見て来れなかったのですから、しっかり見て心に刻んで行くのがお返しです。

そして今度は、私が重い荷物をしっかり持つ。

夫婦の関係、そして人の関係も本質は同じ。だから、自分の人としての姿勢によって、そしてパートナーとか仲間によって人生は変わっるのだと思います。

日本人は、それを「持ちつ持たれつ」って軽く表現して来た訳です。

そこが「粋」なんだな〜なんて思う次第でございます。

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