心の目「スワン・ソング」
みなさま、雨の日曜日です。
夏の強烈な日差しも辛いですが、冬が近づき空気が乾燥して来ますと景色がクリアに見えると同時に太陽の光のまぶしさも強烈になります。
この時期もまた、ドライバーには過酷でございます。運転がメインでなくなった私でさえ、目の痛みが辛く感じます。
なので、雨の日にホッとする私もいる訳です。

妻と二人で映画を見ました。
2021年の作品なので、そんなに古い映画ではありません。
昔は街で一世を風靡したゲイのヘアアーティストが、愛する人を失い、弟子に裏切られ、地位も財産も全て失い老人ホームにいる。
隠れてタバコを吸う事と仕事で使っていた紙を折る日々。
そこにかつての客だった有名女優の遺言で、死に化粧の依頼が来るのですが「私から弟子に乗り換えた人だ。金の問題ではない。」と拒否する。
それから、ある日ホームでタバコを吸わせて来た「認知症」の女性の髪の毛をさっと整える。すると見違えるほど印象が変わる。そして「あなたは美しい人だ」と言う。
見かけではなく、その人の真の美しさを見てそれを表す。それがヘアアーティストなんだと言う事をもう一度発見し直した。
そして、老人ホームを脱出しかつて活躍した街に文無しで戻る訳ですが、もはや家の跡形も無い。しかし、彼にヘアメイクしてもらった人がいて彼を忘れないと言われる。彼もまたそのお客さんをちゃんと記憶している。
プロってこうなんだ!と思う。
有名女優の死に化粧をしたかつての弟子が「こんな険しい顔は私には無理」とギブアップするのですが、彼は故人に話しかけながら彼女の美しさを再び引き出す。
そんなストーリーでございました。
妻が「慎一くんのチョイスでは、久しぶりの当たり!」と言ってくれました。

初めて私の母を見た妻が「綺麗な人だね。」と言った事を思い出します。
頭で見る目は、心の助けが無ければ歪んでしまう事を学んで来ました。
心で感じて見るならば、見る人も物も自然も豊かに見える。つまり、つながりか方が強く、深くなる。
そこを抜きにして、差別反対!と声高に言っても結局打算での政治的「解決」になってしまうのだと思います。
だから実に簡単に政治的「手のひら返し」が起きるのです。
深い怒りの手製銃が世の中に突き出した「旧統一教会」と政府自民党の関係。それが手のひら返しの「解散命令」なんて事の中に果たして解決や明日があるのでしょうか?
心なき無責任。忖度と手のひら返しが一層当たり前になるだけの様に思います。
打算と目先の損得勘定か、それとも心の目のつながりか?
そこに、私たちの未来をかけた本当の闘いがある様に思うのです。
醜いアヒルの子(アヒルの子だってかわいいですが)に見えるけど、本当は美しい白鳥なんだよ。それを現すのが、プロの仕事なんですね。
「スワン・ソング」心の目で見る映画だと思います。
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