辻川慎一つくば便り

自分に引き寄せるのではなく

土日も関係なく連続11日働いていると言う同僚が、昨日凍った私が担当するバスの窓ガラスを溶かしておいてくれました。

いつも率先して、会社のトイレを便器の中から磨くバス業務の責任者である取締役は、私と同じ従業員送迎バスを3日間運転しながら昼間も休む事なく仕事をして帰るのも私よりも遅いのです。

いずれも50代の働き盛りではあるのですが、やはり身体が心配になります。

60代後半とは言え、土日の休みも、休憩時間もある私は恵まれていると思います。

個別にも大変な事情はあると思うのですが「それが自分の役割ですから。仕事が無くなれば、会社も従業員の生活も守れない。上下関係では無いと思っています。」と上司の人は言います。

先ず自分からトイレをピカピカに磨き、バスも綺麗にする。

私は、こういう人たちは信頼できると思っています。なので、学びますし、恵まれていると思うのです。

ある日道を歩いていましたら、ちょっと高齢の女性が道端で太極拳の様な動きをしておりました。

腕をゆっくりと外側に広げて、前の方にまわし自分の方に気を引き寄せておりました。

私には何となく違和感がありました。
引き寄せるのではなく、放って行くのでは?


二宮尊徳と言う人がおりました。

我利では無く、利他こそが自分に返って来るのだと荒地を開拓するためには、先ず人の心を耕さなければならないと言う事を貫いた日本の先人です。

彼の考え方をわかりやすく説明する絵がありました。

お風呂のお湯を自分に引き寄せようとすれば自分をすり抜けるが、外側に放って行く事で自分に返って来ると言う訳です。

この様な考え方で、自分の事しか考えられない人の心を耕し、みんなのためになる目標を心を一つに合わせて実現して来たのですね。

この様な考え方と言うのは、二宮尊徳だけではなく日本の本当の偉人に共通する考え方だと思います。


バスの運転をしていても、自分の都合や事情を優先する人が事故を起こします。


そして、そう言う人はどういうところでも人と気持ちを合わせられません。

何故かと言えば、相手の都合や事情より自分の都合や事情しか考えてないからなんですね。当たり前の事だと思います。

自分の都合だけで法やルールを振り回す人もおります。あるいはそれを無視する人も。

ルールと言うのは、縛りではなくお互いの自由を守るためにある。と言う本来の目的では無く、自分の都合と正当化のために主張されると非和解的な対立になる。

そうして結局最後には自分に返って来る。「自業自得」と言う事になる訳です。

交通事故も、戦争も、自分の都合や利益、自分たちの事情や「国益」しか考えないところから生まれてはいないでしょうか?

相手や周りの利益になる事を考えて、発信し、行動する事が自分に返って来る。

何より幸せに生きられるんだよ。

そう言う教えを様々な困難や辛酸の中でつかみ取り、残して来たのが日本の先人たちからの最高の財産なんだと思います。

そう言う考え方を、世界の厳しい関係の中では通用しないとして捨てて来てしまいました。

トランプ政権になって、アメリカ一極を守るために驚く様な政策を打ち上げていますが、アメリカの働く人たちの衰退は止まりません。

人々が働く事の中でしか、価値や富は生み出せないのです。

ヨーロッパも同じ。

中国の成長も鈍化していますが、アメリカのシェアといずれ入れ替わるとの読みもあります。

プーチンのロシアも、その中国があって何とか持っている。

でも、それぞれの指導者も実は自分たちの都合と利益しか考えていませんね。

本当に他の人の利益を考えてやれるなら、それが自分たちに返って来る。

そう言う考え方なら、お互いに繁栄し幸福になれるはずだと思います。

対立にも、戦争にもならない。

違うでしょうか?

自分にだけ集め様とする何気ない行動や姿勢に違和感を感じる理由です。

呼吸そのものが、しっかり吐かないと新しい空気が取り入れられません。しっかり吐ける事が自分の肉体と精神の安定の土台です。

自分の都合や利益しか考えられない我利の心を耕す事から。この時代だからこそ、世の中と世界の本当の改革の土台がそこにある様に思うのです。

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