辻川慎一つくば便り

土曜日なのに

今日は土曜日で、スクールバスはお休みです。朝早い出勤の人はあまりいませんでした。

「機先を制して」と言う訳でもありませんが「土曜日なのに出勤ですか〜?」と笑顔で同僚たちに話しかけます。「そっちこそ出勤かい?」と、何となく連帯感があるのが不思議です。

バスの点検の時にはまだ暗く、星も月も見えていて寒い。「寒いね〜。」と言い合いながら、また連帯感。辛い時ほど共感し合うって大事だと感じます。



灯火類も全て点検します。レンズが曇っていたら拭くと、何だか気持ちも引き締まります。


灯火類OK!

発車の頃には日が出て来ますので、終わりかけの街路樹の紅葉を見ながら気持ち良くスタート。

ところが交差点でブレーキを踏みますと「制動灯、尾灯」の運転席ランプが点いてしまいました。

アッチャー、ブレーキランプが切れたなー。まあ、ランプを交換しても5分程度。帰庫してからやろう。ついでにグリス給油装置にも、グリスの補充をしよう。等と考えました。

今日は土曜日なので、車庫も混雑していないので余裕だよ。なんて思っておりました。

誰もいない車庫で早速ランプ交換。



ビスを失くすのが一番面倒なのは、電車の修繕で経験済みなので外したカバーの中に揃えます。


楽チン、楽チン。

交換してOK!

それから車内とボディをできるだけ綺麗に清掃。燃料を満タンにして、所定の位置に停車する。

無事に終わったと思ったら、また「制動灯・尾灯」切れのランプが点いたのでございます。「え~っ!」

点呼に行って事情を説明しましたら「車両が古いので、ソケットの方の接触不良かも知れない。使ってないバスのと交換して見てくれませんか?」と言うのであります。

いやぁどうも。
バスの下に潜って見ましたら、暗く、しかも油で汚れておりました。しかも、ソケットには外れない様にフックがあるのですが、それがどこか分からないのでございます。

明るいところで、上からならば難なく見つかると思うのですが、下から手探りと言う感じなのです。


こんな時にはライトが必需品である事も、電車の検修の時の教訓でございます。


これを口に咥えながら、ソケット部分を何度も見て、マイナスドライバーで壊さない様にこじって見る。

シートは敷いておりますが、背中も尻も冷えて来る。首を上げながら良く見ようとするので、首も辛くなる。年を感じたりもする。

うわー一体どうなってるんだー。と独り言を言いながら、休んではまた挑戦する。

私の担当バスですし、誰もいないのですからやり切るしかない。

あれこれやっていて、フック解除の場所がようやく見つかりました。

場所が分かれば簡単な作業なんですね。

「コロンブスの卵」って言うと大げさかな?何でもツボが分かれば簡単なんですね。



こちらです。


悪戦苦闘約1時間。ポイントが分かれば、やはり5分とかからないの作業なのでございます。

こんな時には、不運と思うのかやれて良い経験が出来たと思うのかで全然気持ちが違いますよね。

古いバスなので、ポイントが分かってもその経験がどれほど役に立つのかは分かりません。

でも、音を上げずに自分でやり切れたと言うのは、何より自分の自信になるのだと思います。

分かる人、出来る人からすれば「それが何?当たり前の事だろう。」ってなるのかも知れません。

私は弱い。何より心が弱い。
だから誰かのアドバイスや存在があってではありますが、自分の弱さと格闘しながら、一つ一つ投げ出さずに自分でやり切る事で自分をつくり続けているのだなって思います。

他の人に取っては大した事でなくても、私に取ってはかなり嬉しい達成感があるのです。

出来ない人がいたとしても笑えないし、そう言う人を見ながら自分はどうだろう?って考えます。

残業にはならないのですが、報酬はお金では無いのでニコニコの午前中でございました。

これから夜の乗務です。
何があるか分かりませんが、一つ一つが自分の糧だと思いながらバスを運転したいと思います。

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