辻川慎一つくば便り

厚情と薄情

昨日とは打って変わり、夏日の様なあたたかな快晴になりましたが湿度が低い分気持ちが良い様に思います。


あちこちで、藤の花が綺麗に咲いております。


さて、昨日のずぶ濡れで、痩せこけて、目が見えない迷い猫でございますが、妻があちこちの知人の助けを受けながら手を尽くし、保護活動をされている人たちに保護されました。

保護活動をされている人から報告が来て、迷い猫は医者に見て頂いたとの事。

結果は「猫エイズ」に「猫白血病」だったとの事でございます。

ぞっとする様な怖い病名なんですが、特に野良猫の中で蔓延している感染病との事でございます。

争い事で噛まれたりする事でウィルス感染が広がって行くのですが、人間には感染しないと言います。

昔捨て猫を飼っていた私の方、初めて知った次第でございます。

昔からあったのでしょうか?飼っていた猫はかなり長生きだったので、そんな不治の病があるなど知る由もありませんでした。

さらに驚いたのは、「治療費」6万円を保護活動の団体で負担し、最後の看取りまでやってくれるとの事でした。

う〜ん。半端ない厚情さではありませんか。

そしてまた妻は「少しでも回復するなら私が世話をしょうかと、あなたに相談するつもりだった。」と言うのでございます。

可愛い子猫なら分かる気もするのですが「私もいずれそうなるのだし、わが家にたどり着いたのは偶然ではないと思う。」と言うのです。

老いた人たちの命を見つめ、その尊厳を大切にして来た人の思いなんですね。


どうもその思いに対して、私の方は「薄情」と言われても仕方ない感じが致します。


やるだけの事をするしかない。そこまで思うんですか?

しかし、やるだけの事とは何か?
良く心に問うならば、人や命を思うのに十分なんて事は無いのでございます。

頭の世界で割り切れても、心の世界は割り切れない。

あくまで便宜的なのが頭の世界でございます。

頭は、心に問いながら。それが「思う」と言う事でした。

またしても「義理と人情」の労働組合を頭で考えて来た私の完敗でございます。

そう言えば、私と言うずぶ濡れで死にそうな大きな動物を拾って、非難を恐れず保護したのも妻でありました。

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