辻川慎一つくば便り

傷だらけの人生

今日は、久しぶりの晴の中で朝乗務しました。

雨の夜、ラッシュアワーを走ってから目が痛むのですが、それでも気持ちが良い。こんな時のバス運転士は悪くないなと思います。



晴だと車庫からも筑波山が見えます。

ベテランの運転士さんはもちろん、新しい人も、介助人さんも、なるべく一人一人の名を呼んで、お顔を見ながら「おはようございます!」とあいさつします。

一人一人に関心と興味がありますので、その人なりのちょっとした話題も投げながら。

もちろん全てなんかわかりませんが、私なりの関心を伝えます。

発車までの短い時間です。
それでも、毎日続けているとみなさん笑顔を返して下さいます。

それから、助けて下さいます。

私の方は、選挙にでる訳でもありませんし、上に立とうなんて気持ちもサラサラありませんので、笑顔を交わしあえるだけで幸せを感じます。

私のバスが出庫する時に、手を上げてもらえたりすると心から嬉しく感じます。

最近は、工場に入っている別のバス会社の運転士さんまで、すれ違う時に手を上げてくれる様になりました。

例え名前を知らなくても同僚であり、同胞の様に感じます。

こんな感じって、たぶん運輸労働者みなさんにある様に思います。


昨日紹介した「イヌタデ」の花言葉は「安全。無事。」でした。

不思議ですね。

国会の解散、総選挙で政界再編か!
なんて賑やかですが、2011年の3・11の東日本大震災と原発事故から国の政治への信頼や幻想が根本から崩れてしまった様に思います。

色々と新しい風を装って、新しい政党も現れて来ましたが、何だかなーって感じです。



暗い中、雨のラッシュアワーを走りながら思い浮かんだ歌があります。

鶴田浩二と言う役者で歌手でもあった人の「傷だらけの人生」です。

https://youtu.be/Ql5cBQgqr9w?si=a7m8yAeTrQfY_Q04
 「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。
どこに新しいものがございましょう。

生れた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」
 何から何まで 真っ暗闇よ
 筋の通らぬ ことばかり
 右を向いても 左を見ても
 馬鹿と阿呆(あほう)の 絡み合い
  どこに男の 夢がある♫

1970年のヒット曲ですが、何だか今も変わらないと感じませんか?

右も左も正義を主張しあい、相手を非難して人気取りをして潰し合う。

考えや主張の違いが本当にあるの?って思います。

本当に違うならば、どうすれば一緒にやれるかを本気で考え、発信しなければならない。

どちらかが一方的に正しいなんて事は、実際の人との関係ではありませんよね。

「生まれた土地は荒れ放題」って、福島や能登半島だけでは無いと思います。


1年間、何かとお世話になった大切な同僚が、今月いっぱいで辞める事になってしまいました。

中型バスに変わってから、折り返し時間に余裕が無くなり、お話しも難しくなったのですが、わざわざ運転席まで野菜を届けてくれました。

何と秋茄子とたくさんのピーマンでした。

嬉しいですよね。
お金に代えられないものがある様に思います。

私自身も傷だらけの人生とも言えますが、人の情に支えられて今があります。

いてくれるだけで有り難い。
そんな人たちに守られて来たのかなって思います。

バスは、傷だらけにしてはならない厳しい仕事に携わりながら思います。

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