辻川慎一つくば便り

レトロモダン

みなさま、お疲れ様です。

昨晩の金曜日、つくば市内の渋滞は、私の浅い経験ながら酷く感じました。

2便目の発車時間に間に合わず、3便目もギリギリ。つまり一息つく間もなく約3時間連続の運転になりました。

私のバスは、ちょっと古いタイプのバスでマニュアルと言うだけでなく回転数が合わないとスムーズにギアが入ってくれません。シフトチェンジにちょっとしたコツが要るのでございます。無理矢理操作が通用しないバスとも言えます。慌てていると言う事を聞いてくれないアナログなバスなんですね。

新しいタイプやオートマならば、ちょっと強引でも大丈夫な訳です。逆に言うと無理ができてしまう。

道が空いていれば難はないのですが、渋滞だとみなさんイライラして無理をします。車は無理を聞いてしまう。

なので私の方は、そんな状況に神経を使いながら、頻繁にブレーキを扱い(フットブレーキはなるべく使わず排気ブレーキやエンジンブレーキを上手く使いながら)クラッチを踏みシフトチェンジしなければならないのです。


クラッチを踏む左足もだんだん疲れて痛んで来ます。

とにかく大きな車ですので接触や触車についての油断ができない。降車する人の安全も確認し、注意も促す。とにかく緊張のしっ放しでした。

ヘトヘトで帰庫して、今度は難儀な車庫入れ。そして、車内清掃。雨が降りましたのでボディも清掃。

仕事に楽な仕事は無いと思いますが、バス運転士の仕事は運転だけではないのでございます。



今日は、所用があってJR土浦駅に寄りましたらこんなバスが停まっておりました。


日産U690と言うレトロバスで、テレビ番組にも出たそうでございます。

運転士さんに聞きましたら、鉄道イベントに来る人を乗せるとの事でした。

「2200形保存会」だそうであります。

2200形って何だ?と調べると


小田急のレトロ電車なんですね。


鉄道にバスですか。

妻が運転士さんに「この人は、JRの電車運転士をしていて、今はバスの運転士なんですよ。」と紹介する。

何の因果でございましょうか。

やはり気になるのは運転席でございます。



「ダブルクラッチ」と言う古い技を使わないとシフトダウンが難しいタイプだろうなと思う。


何しろ私が小学1年生の頃のバスです。

座席は、運転席含めて28席ほどなので今のマイクロバスくらいです。

エンジンは昔のトラックと同じなので、ボンネットが飛び出ている。その分大きく見える訳です。



鉄板の溶接止めナットも含め、後ろ姿もかわいいですね。


白ナンバーなので営業車ではありませんので二種免許無しで運転できます。


日産のバスですが、ボディは富士重工製でした。エンジンとボディで作る会社が違っていたのですね。



岡山のバスだったと運転士さんが説明してくれましたが「宇治」と言えば京都。ずいぶんとロングランをしていたバスなんですね。


何の因果か、鉄道でも今は無き485系特急型や451系急行型、401系普通電車を運転し、今もレトロになりかけているバスを運転している私です。

レトロとモダンの間にいるのでしょうか?

そう言えば「レトロモダン」と言う言葉があります。昔っぽさと今っぽさが同居する。懐かしいけれど新しい感じがする事を言うのですね。

レトロだけどモダンなんですね。

足がしびれてフラフラして、バスのステップから落ちそうになりながら、心配顔のベトナム人の若いみなさんへ言う。

カムオン!

ベトナム語でありがとう!

どうもイントネーションが違うらしく、一瞬考えてからみんなで笑ってくれました。

私もレトロなだけではございません。

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