辻川慎一つくば便り

そんなヒロシにだまされて

昨日、午後から指示された仕事の段取りをシュミレーションしながらお弁当を頂こうとした時に、妻から「高熱が出た」との連絡がありました。

てっきり息子の事かと思い、仕事中だしどうしようかな?

「参ったな~。」と送りましたら「大丈夫かじゃないの?あなたは私が心配じゃないの?」と返信が来る。

波立つ気持ちを抑えつつなるべく冷静になって、午後の作業をにらみながら開いている病院の診察時間を調べる。事情を説明して「早退」ができるか上司に打診をする。

上司からも「了解です。気を付けて仕事をしてください。」との返信を受け、なるべく落ち着いて依頼された仕事を正確に終わらせる事に務めて何とか無事に早退。

病院に車で連れて行き、発熱外来で検査してもらい「コロナでもインフルでもありませんね。コロナ以降良くわからないウイルスが流行っているので、困っています。」との事でした。

私自身明日から、責任ある仕事を任される事になっておりますし、私自身の感染と発病が困る訳です。

大体私が一緒に倒れてしまったら、生活も財政も直ちに行き詰まる訳でございます。

そう言う意味では、参ったな~なんて言ってられない現状にある。


「あなたの性格はヒロシに似ている」と妻に言われます。


ヒロシとは、私の父です。

高齢になって母を頼りにする父は、母にきつい皮肉を良く言われます。

例えば、私を保育園に預けて共稼ぎをしていたのですが、昔の事で保育園が遠かった。その保育園に私を自転車の荷台に乗せて送ってくれるのがヒロシでございました。

昔の道なので、起伏に富んでいたのでしょう。ある朝、大きな段差があったのか荷台のチャイルドシートごと私は道路に落ちてしまった。

しかし、ヒロシは気付かない。私は遠ざかる父の後ろ姿を呆然と見ていたのを記憶しております。

もちろん、しばらくして私がいない事に気付いて戻って来たのですが、母は「子どもの事なんかどうでも良い父親だった。」と言う。

その事だけではありませんが、ヒロシを非難して「だまされた!」と言う訳です。


古すぎるのか、私が乗せられていたチャイルドシートはありませんでした。一番近いネット画像がこれです。


小学生くらいまで、たくさんの病気になりました。小学校の保健室の天井がお友だちと言うくらいに。

母と連絡が付かない時は、父が早退して迎えに来てくれた事も記憶しています。

そんな時は、今日の私みたいだったのかな~なんて思ったりしました。

ヒロシは、思いやりの言葉をかけられません。かと言って思っていない訳でも無い。

母が「素直になれない天の邪鬼なんだ。」と言うと、妻が「この人もです。」と言うのです。

心を言葉にする事って難しいですよね。通わせたいと言う気持ちから発せられる訳で、閉ざした心からはでない。

結果が良ければ、でなく過程が大事なんだってマルクスさんとエンゲルスさんも言っていた様に記憶しています。

世界は、過程の集合体だと。
過程を煌めかせるのが人間の言葉なのかも知れません。

反省、反省。もったいない、もったいない。

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