辻川慎一つくば便り
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本当は笑い合いたいのだけど。
目はかなり良かった方でしたが、老眼が進んで見えないだけでなく、夜間の対向車のライトが眩しくて見えない。
なので運転の時には、UVカットと眩惑防止のメガネをかけております。
ところで業務用みどりナンバーになりますと最終降車地点の時間と距離を記入しなければなりません。
ハザードを点灯し、停止操作をして、サイドブレーキを引き、ドアを開閉して、デジタコの小さなスイッチを「降車」「乗車」「休憩」「待機」などその度に押した上でございます。
昼でさえまだ慣れない作業を、混雑している夜の路上でやるのでございます。
私の場合は、それにメガネを交換しなければ見えないし、記入できないという作業が必要な訳です。
まあ、何とも不便極まりない。
高齢者の作業にはいちいち時間がかかる事を、スーパーのレジやATMで経験しておりますが、お陰で寛大になりました。
ずいぶんと寛大になった私ですが、今朝は厳しい言葉を言いました。
発車時刻定刻より1分遅れで到着したバス停でベトナム人の若者たちを乗せたところ「すみません1人来ていないので待って下さい。」と言う。
直ぐに来るのならと、混雑する路上で待ちましたが1分以上経っても来ない。先に待っている人たちがいますし、折り返し2便にも影響する。
「もう待てないよ。悪いけど待っている人がいるんだよ。遅れたら自分で行くしかありません。」
と伝えて発車しました。
発車時刻は過ぎているのて、ルール上は待つ必要は無いのですが、遅れも増して待たせてしまう人がいる。そんなジレンマに心がざわつきました。
待ってやりたくても待てない事もある訳です。
そんな立場なんて、分からないかな?
工場に着いてから、別のバス運転士さんから託された昨日の遺失物であるルームキーを、守衛室の前にバスを停めて届けました。
私がバスを停めたのを見て、警備会社の顔見知りの青年が運転席まで来てくれました。事情を話すと快く引き受けてくれました。
何度か世間話をした青年ですが、これは嬉しかった。私を見てわざわざ来てくれたのですから。
お陰様で、心のモヤモヤがちょっと晴ました。
大事に接したお返しを受けた感じでした。
毎日、毎日、色んな事があります。
それが人の社会であり交通運輸の仕事なんですね。
まだまだ未熟な上に、目や体力のハンデがあるみたいです。
炎天下で、バスの車内、車外の清掃、窓拭きをやりますと汗まみれにもなります。
観光バスの運転士さんたちに比べると大した事は無いのですが、仕事を終えてほっとするとどーっと疲れが来ます。
でもたぶん、皆さん同じなんだと思います。他愛のない話しを交わしながら、同僚である事を確認し合っている様にも思います。
「辻川さん。大谷がホームランを3本打ったよ!」
「え~っ。凄い人ですね。」
だの
「スポーツ大会で昨日乗った中学生、アラブ系かな?あごヒゲビッシリで、ガッシリしていて、まるでモハメッドアリだったよ。」
「宗教的な事もあるかも知れないから、あまり変な事は言えないね。」
とか、例えの古さで私の同年代だと分かってしまいますが。
緊張を笑いで解く。
大事な事なんですね。
そういえば、JRの仲間たちとも良く笑いました。今でも会えば笑い合います。
だから、本当は工場で働く外国人労働者の仲間たちとも他愛もなく笑い合いたいのですね。
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2024/09/20 15:50
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