辻川慎一つくば便り

幸せな鉄道員

今年も残り一週間を切りました。

みなさま今年は、良い年でしたでしょうか?

昨日は、私の長年に仲間であり、鉄道員の後輩運転士でもある人のラストランでございました。

運転士と言っても、国鉄分割民営化に反対する労働組合に所属したために運転士としてのハンドルを握ったのは50才近くになってから。約10年間の事でした。

鉄道本体の仕事から排除されて、駅の自販機管理などの仕事をさせられ、裁判でJR東日本の敗勢がはっきりする中で電車の検修の仕事になり、最高裁判決によって運転士になった仲間です。

なので彼の「ラストラン」は、一緒に闘い抜いた仲間たちと共に勝ち取った勝利のラストランでもございました。



辛酸をなめ尽くしたロシアの文豪ドフトエフスキーが「人間の最大の不幸は、自分が幸福である事を知らない事にある。」と言い切りました。

ラストランを無事に終えた彼が送ってくれた言葉です。
「どうにか皆んなの支えで今日を迎えることが出来ました。かつて辻川さんに出会い組合員のみんなに出会い自分の人生これで良かったと実感しています。」

私同様不器用ながら、できない言い訳は決してせずに、何事にも真剣にやり抜いて来た人です。しかし、自分が頑張ったとか偉そうな事は言わず「みんなの支えがあったから」「自分の人生はこれで良かった」と言うのです。

つまり、自分が幸せであると知っているのですから、ドフトエフスキーさんが言う様に、本当に幸せなんですね。



私に出会った事にも感謝してくれているのですから、そう思われている私も幸せ者です。


頭で考える事は絶えず変わるので揺るぎがあるのですが、本当に心から思う事は揺るがないのだと思います。

自分が揺るがない信頼関係にあると感じた時に、人は幸せを感じるのだと思います。


私が行けないので、ラストランを見届けに行ってくれた妻に、お餅を持って来てくれた仲間もいました。


杵でつかれて、叩かれて美味しくできるお餅。妻が、それを揚げ餅にして私の帰宅を待っていてくれました。

福来みかんが入ったお餅もあります。

何と言う美味しさと食感でしょうか!

掛け替えのない仲間たちがいて、私も幸福な元鉄道員の一人である事を噛み締めた日でございました。

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