辻川慎一つくば便り
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人は分類できない。
5月15日は、1972年に沖縄が米軍の支配から日本に返還された記念日でございます。
返還されても米軍基地の実態は変わらず、むしろ日本政府によって手厚い待遇を受け続けて来たので米軍の事故や犯罪があっても、沖縄の人々が泣寝入りさせられて来た実態が変わらない。沖縄戦でたくさんの人々が亡くなった上で続く戦争被害に、沖縄の人々も、本土の人々も声を上げ続けて来ました。
1990年代中頃でしたか、大規模な抗議行動があり、私も動労水戸の組合員たちを引率して沖縄に行きました。
ところで、少数組合で財政に余裕が無いので組合員が積立ていた「旅行会」のお金で行く事を提案した訳でございます。
まあ、私としては一石二鳥のアイデアだったのです。そして、私が別に担当していた労働組合の会社が旅行業もやっていましたので、格安ツアーを組んで頂きました。
格安なんですが、一流のリゾートホテルを確保してくれたので、行った組合員たちは大満足。それだけでなく沖縄の魅力を満喫したのでございます。
初日翌日は、渡嘉敷島にクルージングと海水浴に行く事がみんなで決められておりましたが「旅行」なのでダメとは言えない。
集会の方が気になっていたのは、私だけでなく空港から張り付いている沖縄県警の担当者たちでございました。
「辻川さん。集会には行かないのですか?」と聞くので「旅行なので渡嘉敷島に行きます。」と言うと「渡嘉敷島で何かあるのですか?」と言う。「ある訳無いですよ。一緒に行きますか?」と話す。
沖縄県警の人たちは、泊港で手を振りながら見送ってくれました。
組合員たちも手を振り「行って来ま〜す。」
1日離島を満喫して、次のリゾートホテルへ。
県警の担当者が心配してついて来るので、話をしました。
「辻川さん、集会には行かないのですか?行って下さいよ。」と頼まれる始末。
「そうですよね。仕事で警備しているのに報告できなくなりますよね。明日は行きます。明日の朝来てくれれば大丈夫ですよ。」と話す。
ホテルで「明日は集会に付き合ってよ。」と言っても、海水浴で日焼けし過ぎて熱がでたりとみんな乗り気で無い。
仕方ないので、私と何人かで行く事にしました。
翌日は嘉手納基地ゲート前の抗議行動に参加したのですが、凄い数なので駐車場が分からない。
すると沖縄県警の担当者が「駐車場に案内します。ついて来て下さい。」と言う。
うー。「組織」の方に知られたら問題になるな~と思いつつ、有り難く付いて行った次第です。
しかも、一緒に嘉手納基地を見ながら「辻川さん。こういう抗議集会がある日に米軍は飛ばないんですよ。そうでない日の騒音は酷いものです。立場上言えませんが、私たちだって基地には反対なんです。」と説明してくれました。
普段は、沖縄県警のマル暴。つまり暴力団担当者の人でございました。
私は、型通りに集会デモをやって分かった様に帰って来るよりも、とても深い、良い経験をさせて頂きました。
警備をしている人の中にも反対している人がいる。
警察は敵だ!とかに人を分類して、反対している自分たちが凄いみたいな、そんな浅いものでは無い現実を学ばさせて頂きました。
沖縄県警の方々は、那覇空港まで見送ってくれました。まあ、それが仕事ではございますが、お互いに手を振りながら別れるのは人と人の関係だったと懐かしく思います。
分類すると言うのは、人間の脳の重要な働きでございますが、人間を分類する事はできないのでございます。
できないものを分類しようとする事に無理がある。生物学的にも人種と言うものは無いと言います。
職種で分類したり、信仰や信念で分類するのも無理なんですね。
ですから、分かった様に分類せずに一人一人を人として礼節を忘れずに向き合う事が大切なのかな~と思うのです。
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2024/05/08 16:33
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