ベトナムの碧い飴
昨日は、ベトナムからの実習生の健康診断のドライバー兼付き添いで残業になりました。
とても忙しい一週間。本社に戻り帰る時にはホッと致します。見上げると金星と木星のランデブーが見えました。
あー今日は3月3日。一番近づくと言われていた宵だったと思い出しました。
健康診断は、10人乗りの車を使います。
乗り物酔いをすると訴える女性を運転席の脇に乗る様に勧めましたら、運転席の方に行こうとします。
「運転するの?」と笑いながら助手席を開けて座らせ、みんなのシートベルト着用を確認して出発。
振動や揺れを最大限に抑えながら運転したのですが、約30分の行路で健診施設に着くと用意していたビニール袋に吐いてしまいました。
あれこれのハプニングはありますが、健康診断を無事に終え、帰路はどうしようかと考えました。
気持ち悪くなる事から気をそらして見たらと考え、「大丈夫かい?」の声掛けからはじめて見ました。
すると、どんどん話して来ます。
日本語を勉強中なので、私と話す事も勉強なんですね。
あれこれ言葉を考えながら、後ろの友だちにも聞いて話をしてくれました。
「ホーチミン市から来たのですか?」と聞くと「ハノイです。知っていますか?」と答えてくれる。「もちろん知ってますよ。有名な大きな街ですよね。」と言うと喜んでくれました。
みなさん来ている街が違う。後ろからも「私は…からです。」と聞こえます。
その度に笑い声がします。
助手席の実習生は、「私は23才で夫がいます。子供は2人います。」と話す。
「え~っ。子供たち寂しいね。ママー、ママーって泣いてない?」
「そうですね。でも大丈夫です。私のお母さんが見てくれます。」
「夫は9歳上です。」
「そうなんだ。どうして結婚したの?」
「日本語でハンサムは何ですか?」
「あ~ハンサムだから好きになったんだ。」そう話すとみんなが笑います。
「夫は運転の仕事をしています。ベトナムでは、ハンドルがこちらなんです。」
「あ~、分かりました。それでこちらに乗ろうとしたんだね。」
「はい。」
「ベトナムでは、車はお金持ち。お金が無いのでモーターバイクがたくさんです。」
「夫がドライバーって、もしかしてタクシードライバーですか?」
「はい。」
「じゃあお金持ちですね?」と冗談を言ってみたら、
「古いです。」と言う。
またみんなが笑います。

(妻が植えたヒヤシンスも小さいながら咲きました。)
私は話しながらも、横断歩道を渡る人がいると止まる。すると渡る人が頭を下げてくれる。私も、笑顔で手を上げ
る。
信号待ちでも側道があれば空けて停車するので、側道から来た車のドライバーがお辞儀して入って来る。
それを見ていて「日本人が(お辞儀のしぐさをして)こうするのに驚きます。ベトナムだと(窓を開けるしぐさをして、文句を言うジェスチャーをしながら)こうなります。」と言う。
そして、私たちには見慣れている街も「日本はとても綺麗です。」と言います。
なるほど、そんな風に感じるんだ。
自分たちでは当たり前で、気が付かない事一つ一つに感心しているのですね。
そして少しの事でも楽しんでいる。
みんなでお蕎麦も食べに行ったとのこと。
「美味しかった?」と聞いたら「まずいー。」とみんなで。
あまり評判は良く無いお店でしたので、私は内心納得しましたが、それで日本のお蕎麦が美味しくない!と思われたら残念です。
で、無事に研修センターに到着。
「帰りは大丈夫だったね!良かった、良かった。お疲れ様!またね~。」と語りかけましたら、みなさんが私の顔をもう一度見て「ありがとうございました!」と言ってくれました。
ベトナムの碧い飴も頂きました。生姜が入っていると嬉しそうにくれました。私は「頂きます!」と笑顔で口に含ませてもらいました。
疲れてはいても、楽しい週末の仕事になりました。
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