ちょっと発見した事。
東日本大震災があり、息子の一人を亡くし、長年貢献して来たはずの党派から手のひらを返され、自立神経もおかしくなり、それでもギリギリで立っていた時に、今の妻と息子に誘われて観た映画があります。
みなさんは、知っておられるでしょうか?新海誠監督の作品「君の名は」です。

男の子と女の子の入れ替わり物語から始まり、実は女の子が育った田舎の町は彗星が衝突して消えていた。そんな設定ですが、東日本大震災がテーマである事が分かった時に思わず嗚咽し、涙が溢れて来ました。
枯れるほど泣いたはずなのに、また泣きました。
その映画の主題歌を歌っているのがRADWIMPSと言うバンドである事を、妻が教えてくれました。
その主題歌の一つに「スパークル」と言う曲があります。
https://youtu.be/a2GujJZfXpg?si=TX2KvbbFG6tZVe77
何ともユニークな、ボーカルの野田洋次郎さんの作った歌詞。
その出だし部分ですが…
まだこの世界は 僕を飼いならしてたいみたいだ
望み通りいいだろう 美しくもがくよ
互いの砂時計 眺めながらキスをしようよ
「さよなら」から一番 遠い 場所で待ち合わせよう♪
「まだこの世界は、僕を飼いならしたいみたいだ」ってどういう意味なんだろう?ってずっと思っていました。
この「飼いならす」と言う言葉の出どころが、ようやく分かったのです。
「星の王子さま」でした。飛行士として実際に空に消えてしまったサン=テグジュペリさんが、良く使った比喩的な言葉でした。
星の王子さまが、何も無い孤独な砂漠でキツネに遭い「友だちになろう!」と言うと「君に飼いならされていないから、友だちにはなれない。」なぜなら「君に取って僕は他の数十万のキツネと変わらず。君は僕に取って他の数十万の人と変わらない。」「飼いならされたら特別な一人になる。」と言われるお話しから来ていたのです。
「飼いならす」は、 直接には餌を与えたり、または養育したりしてなつかせるを意味しますが、同時に知ること、時間をかけることが伴う訳です。
出会ってすぐに友だちになるなんて事は無いんだよ。時間を掛けて、世話をして、良く知る事でしか成立しない関係なんだよって事です。(SNSで即友だちなんて安易な関係では無い。)
特に傷付いている動物や、もちろん人も簡単に心を開いてはくれません。
そして、孤独である事を知っている人こそが、本当に手を差し伸べたり連帯する事ができる。暖かさの有難みが分かるのですから。
お腹が空いた事の無い人には、本当に美味しいものが分からないのと共通するかも知れません。
日本人は、孤独を悪い事として群れる事、周りに合わせる事を良い事みたいにして、本当に個人として自分を尊重し、相手を尊重するにはどうしたら良いかを考えずに来た様に思います。
孤独をしっかり感じられる事は、人との、あるいは動物たちと強く結ばれていく前提なんですね。だから孤独を知る時間ってとっても大事な訳で、孤独が可愛そうってのも違います。
そこに、永遠の人としての出会いと煌めきの前提があるのですから。
そんな物語であり、主題歌であったのかなと改めて思います。

妻作の「オーガニックブルーベリー」アイス。ブルーベリーを噛むたびに、口に酸っぱさが広がります。
なるほど。飼いならしてくれているのです。
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