辻川慎一つくば便り

すみっコぐらし宣言

昨晩終点で乗客を降ろしてから、無事に回送に入る旨の電話を点呼に入れましたら「車庫での停車位置が変わりました。」との事でした。

商売繁盛でバスも増えておりますので、車庫のやりくりも大変なんですね。私のメインは、40人乗りの古い中型バスなので大型バスよりは融通が利きます。なので結構駐車場の中をあちこち動きます。

と言う訳で、またもや「すみっコぐらし」になりました。


でも、良いんですよ。朝の点検をして運転日報に書き入れておりますと、ウグイスの鳴き声が聞こえて来ました。


う〜ん。新緑があり、ウグイスの鳴き声までするなんて最高〜と思うと、今度はキジの鳴き声まで聞こえます。まあ、残念ながらキジの方は姿とは違いあんまり美しい鳴き声とは思えませんが、気分良く発車致しました。

真ん中だの、先頭だのと散々やりましたが、すみっコの方が安らぎます。

帰庫しましたら、明日土曜日の乗務に「研修指導」の指示がありました。以前も一度担当した事があり、直ぐに謝るのですが、指摘した事について全然改めない人なので取締役の上司に「何を教えれば良いのでしょう?」と聞いて見ました。

「辻川さんも以前言った様に、半クラッチの扱いがだめなんです。何とか一本立ちできる様に指導して欲しい。」と言われました。そして「辻川さんは優しいからな〜。他の人なら強くダメ出しするのだけど。強く言って欲しいと言う事ではありませんが。」とそんなお話しでした。

人によっては、私を酷い人間だと恨んでいますので「優しいだけではダメなのかな〜」なんて考えてしまいました。

私自身は、優しいだけと思ってはいないのですが、人の感じ方って色々だなって思います。この人には何を言ってもやっても許されるなんて言う半端な優しさでは無いと思っていますので。


(「すみっコぐらし」の脇には用水路が流れ、その上に「アカメガシワ」がせり出しています。赤い葉が大きくなるととても鮮やかで、緑の葉とのコントラストが美しく感じます。)

ところで、とりあえず謝ってしまい何も変えようとしない後輩同僚さんは大卒の人なんですね。頭は下げるのですが、きっと心からでな無いのかなと思ってしまいます。自分の方が大卒で上だって言う誤ったプライドが邪魔しているんじゃないか?なんて思ったりします。だから素直に人の指摘を受け入れられないのではないのかな?

まあ、勝手な推測ですが、他の大卒の人も頭で考える自分の理屈が先に立って目の前の人から学ぼうとしない。だからいつまで経っても運転士としてひとり立ちできない人がおります。


(用水路の土手に咲いていた雑草の小さな花です。「アメリカフウロ」と言う帰化植物との事です。葉が赤く鮮やかに紅葉するのを見た事があります。)


私も結構頭から入ってしまう傾向があるので、実践ではなかなか苦労して来ました。

電車の運転士の時も、乗務カバンに入れていたのはマルクスなどの本で、時間さえあればながめて、なるほど〜なんて赤線を引いては読み返しておりました。

運転が上手くなるはずありませんね。
でも仕事に携わりながら身に付けて来た「マルクス主義」でしたので、労働をした事の無い学生出身の方々が語るマルクス主義とは、筋金の入り方が違っていたと思います。

知る人は知ってますが、知らない人は全然知らない筋金入りのマルクス主義者でございました。

そんな私に、高齢になってから次々と起こる夫婦と家族の破綻の「悲劇」。

しかし、良く周りを見ながら考え直して見ますと、私だけでは無いのですね。珍しくも何ともない現実な訳です。

瀬戸内寂聴さんが「夫婦制度の崩壊」みたいな事を言われておりましたが、夫婦だけではなく家族制度そのものが、根本から崩壊している現実があります。

どうして家族でなければならないの?家族である意味って何?一部幸せな人たちを除きますと、みんな分からなくなっていると感じます。

形は夫婦や家族であっても、高齢化で病気や介護の問題が発生すると問題の本質が露呈致します。

独居と孤独死、あるいは廃屋の山状態です。


(こちらは凛と咲く「山法師」です。)


マルクスの盟友エンゲルスさんは「家族は国家支配の最小単位である」と言われました。そうしますと家族制度の崩壊って、国家制度の土台崩壊につながっている事になります。

ロイヤルファミリー天皇家を国家の象徴にしても、土台の崩壊が激しく進んでいて手が打てない。

そんな現状なのかも知れません。

そうしますと、私に起きている問題と言うのも特別に私に起きている事ではなく、時代を反映した出来事なのだと言う事が見えて来ます。

なので悲嘆にくれている場合ではないと、筋金入り労働者出身の元マルクス主義者は思うのでございます。(本は処分しましたが。)

つまり激しく変わるこの時代のすみっコに私もいると言う訳なんですね。

逆に言いますと、「あなただけではありません。」と言う事になります。

今や高齢者階級と言う一つの階級がいる。そう言う自覚って大切かも知れません。失うものは心のみ。つながらないと人として終わってしまう命の限りの階級闘争の中にあるのかも知れませんね。学歴も職歴もクソも関係なく。

今日は、ほんわかネタでなくてすみませんでした。


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