辻川慎一つくば便り
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続ワン・セカンド
週末金曜日は、会社では私担当と同僚のみなさんが思っている工場の送迎バスです。
来月からバスが増える、つまり他のみなさんが運転するルートが増えると言う事で「どうなるの?」と私に聞いて来ます。
会社の方も、私が一番知っていると「そこは辻川さんに聞いといて。」と言う場面もあります。
なのでフルタイムパートで日給の身なれど企業名を付けて「◯◯所長」だなんて勝手に呼ぶ人もおります。
私の方は、笑って応対するだけでございます。
(今日のJAには、百日草が出ておりました。一鉢60円を2鉢。ヘッセを読んで見方が変わりました。花の枯れ方まで魅力的だとの事です。)
今日の朝は、突然「荷物室開扉」の警告ランプが点いてアラームが鳴りっぱなしでの運転になりました。
バスのサイドにある扉なのですが、もちろん発車前に閉まっている事はしっかり確認ますし、サイドミラーを見ても異常無し。
数分の待機時間に点検に行きましたら、扉と押しスイッチの間に隙があって押されていない事が分かりましたが、処置する時間はありません。
お客さまには「安全に支障はありませんので、ご容赦下さい。」と説明したのですが、赤ん坊の泣き声同様気になる周波数ですので、運転に集中するのが大変でございました。
どんな場合にも動揺しないための訓練みたいな感じでございました。
帰庫してから、報告し針金で緊締して応急処置。修理依頼書を書いて出すと言う作業も発生しました。
それでも、元自衛官さんと会いましたら「今日は、辻川さんの顔が見れたから良かった〜。」なんて言ってくれたので、悪い日じゃないなんて思います。
(こちらは一鉢70円の「ペンタス」。花びらが星形の5枚あるのでペンタス。半世紀前化学科でやった「モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ」と言うギリシャ数字?を思い出しました。5と言う意味の名の花なんですね。)
昨日の小学校送迎バスの回送中に信号待ちしていたら、隣に特別支援学校のバスが停まりました。他社のバスですが「もしかして」と運転席が見える位置まで小移動しましたら、運転士さんが懐かしい笑顔で私の方を見ました。
「やっぱり!」私も笑顔で手を振りました。バス運転士になって最初の頃に、同じ特別支援学校に来ていた運転士さんでした。
それからも不思議に色んなところで遭遇して来た人なんです。
私より若く子育てをしながら、バス運転士をして来た人でした。言葉は交わせなくても「また、顔を合わせたね。お互いに頑張ってるな。」って言うのが分かるのです。
こちらも「ワン・セカンド」の出会いなんですね。
考えて見れば、人の人生そのものがワン・セカンドの様なものです。その中の一瞬にも忘れられない人がいる。
8年の時が掛かりましたが、しっかりバス運転士としての歴史と時間を刻んで来たのだなと感じる一瞬でございました。
だから私は、自社だけでない同業の仲間たちにもなるべく手を上げ続けております。
昨日も早めに帰宅出来ましたので、こんな映画を見て見ました。
たくさんの美しい木、印象深い音楽の中で「故郷」を理不尽に奪われた人たちを追った素晴らしい映画でした。
「生まれたところには故郷と言う名があるが、死んで土に返ったところに名が無いのはどうしてだろう。」そんなナレーションに考えさせられました。
長田弘と言う詩人が、朝日にはステキな呼び方があって歓迎されるのに、沈む夕日には無いのはどうしてか?と言う表現をしていた事も思い出しました。
ヘッセは、百日草の花が枯れて行く変化が素晴らしく凄いと表現しておりました。
私たちは、何か勘違いをしていないのかな?
映画には「死者を呼び起こす。」と言うナレーションもありました。
忘れると言う事で、死者は2度殺される。
忘れないと言う事は、人の世界ではまだ生き続けていると言う事なんですね。
老いた日々でさえも、ちゃんと美しさがある。
死者を呼び起こしながら、今を輝かせる事ができるのが「老い」と言う事の様に思いました。
政治的な理想に燃えて無残な結果が待っていた。しかし、仲間を思いながら、故郷と肉親たちを思いながら、生き残った二人の老人の、人としての深さや魅力を感じる映画でございました。
さて、今夜は金曜ラッシュの運転ですが、自分の心と向き合いながら動ずる事無く臨んで来たいと思います。
みなさまも良い週末になります様に。
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2025/06/27 12:10
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