辻川慎一つくば便り

未来に触れる。

母が身辺整理をし始めて、私の小学校からの通信簿を渡してくれました。小学1年生の時の先生の評価には「落ち着きが無い」とありました。それから60年経っても、なかなか落ち着かない人生を歩んで来た様に思います。落ち着かないどころか、波乱万丈の人生が続いております。

そろそろ落ち着かないと、心が波立ったままで冥土行きになりそうです。今度こそ落ち着いた生活が出来るかな?って思っていたら、また破綻してしまいました。

でも落ち着くって、落ち着こうと努力する事より、日常の一つ一つの事をしっかりやると言う習慣の中でしか身に付かないのかも知れません。

あれもこれもって欲張ってやろうとすると、一つ一つが雑になり落ち着くなんて事はできませんね。つまり、心を込めて一つ一つやると言う事を通してしか落ち着くなんて事はできないのかも知れません。

全てをやろうなんてのは、土台無理なんですから。


昨日は、芝生を引き剥がして木の柵を作ったミニ畑に野菜の苗を植えました。


DIYのお店に行くと苗も結構なお値段で売られておりますが、近くのJAに行きますと60円とか90円とかで売られております。まあ、本当は種を撒けば良いのですが、そんなにたくさん必要な訳ではありませんので、安い苗を植えました。

野菜の苗の脇に、花の苗も売られておりました。一鉢35円とかなり安いのです。

それでも、どれにしようかな?としばし悩んで選んで来ました。花の名前が書いて無いので、花壇に植えてからググって見ました。


こちらです。分かる人は分かりますね。


「忘れな草」なんですね。先日「なよなよ忘れな草」を公園で見つけたお話しを載せたばかりでした。

「アダムがエデンの園に住んでいた頃、彼が花の名前を一通りつけ終わって歩いていると、小さな花に声をかけられた。『私の名前はなんて言うの?こんなにかわいい花を見落とすなんて。』アダムは嘆き、『二度と忘れないよ。名前は勿忘草だ。』と名付けた。」という言い伝えがあるそうです。

見落としそうなくらい小さいけれど、可愛い花の私を忘れないで。そんな意味を込めて名付けられたのです。

昔「忘れな草をあなたに」と言う歌が流行りましたが、そう言う意味だったのか〜と今さら分かったのでございます。

野菜を植え、花を植え、さらに物置も傷んで来ましたので一旦ものを出して白ペンキで塗装致しました。

作業服はもちろん、手にも顔にも白ペンキ。でも雨ざらしの木材なので、塗らないと腐ってしまいます。人がメンテしないと持たないのが、木造建築なので貧者なりに手入れ致します。

早めに切り上げて、シャワーでペンキを落とし、焼酎をちびちびやりながら映画を見る事にしました。休日らしく。


こんな映画でございます。


中国とインドに挟まれた仏教王国のブータンの映画でした。

ブータンの首都ティンプー(人口11万人ほど)に住む、やる気が無い教師がオーストラリアに行く事を夢見ながら、標高4000メートル以上ある僻地の学校に送られる。嫌で嫌でしょうが無いのですが、村人全員に歓迎され、子どもたちの純真な心に触れながら、本当の人としての幸せや喜びを感じて行く。そんなストーリーでした。何が素晴らしいかと言うと美しい風景映像と、村人みんなが歌を歌うの何とも言えない深い声です。歌は、自然と神、 そして人に向けられた心の表現として歌われる。あ~、人間の歌ってそもそもそうなんだよな〜って思います。

それから水牛の仲間でしょうか「ヤク」と言う牛の乳や糞まで生活に欠かせない大切な存在として描かれております。なのでヤクの歌も心を込めて歌うのです。

村一番の歌い手でもあった村長さんが「先生は、未来に触れる事ができる。」と言う言葉が印象的でした。妻を亡くしてから歌わなくなった歌を、冬が来てティンプーに帰る先生のために歌う。その中で子どもたちの先生への思いがこもった手紙を読む。その場面で思わず泣いてしまいました。

人への思いってこうだよなって、自分の心の原点を思い出させてくれます。

ネットが広がってから、ブータンと言う国の人びとも「世界一幸福」だと思わなくなってしまったと言われます。他の国や人と比較する様になると、幸福感が下がるのはどこの国の人も同じなんですね。

子どもたちが勉強する紙が無いと言われて、自分の部屋の寒い風よけの紙を破って子どもたちに分けた先生の心を、子どもたちは知っていたのです。だから先生を信頼して、好きになって、一生懸命勉強した。だから離れたく無かった。

そこまででなくても、私の子どもの頃もノートや紙は貴重品だったよななんて思い出しました。今は、ものが溢れていて大切にしなくなりましたね。当たり前になってしまいました。



「先生は、未来に触れる事ができる。」って「子どもたち」を通して、そして周りの人びとを通してなんですね。

それもまた、忘れられて来た事の様に思います。

先生に限らず、私たちは未来に触れる事ができるのだと思います。

そう思わなくなってしまっただけの様に思います。

国鉄分割民営化に抗った時に、私たちは一点の火花となって拡がるのだと思いました。

拡がる事が大事だった訳ではなく、そうしてみんなで未来に触れようとしていたのだなと思い直した次第です。

どうも最近は、何かとちまちましております。

https://youtu.be/QiCrhhl69IM?si=XdADgKEA0bobbU2B

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