辻川慎一つくば便り
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悠然と
昨日は土曜出勤で今日は休み、明日一日仕事をしましたら何と8日間のお休みでございます。
私の会社の場合、高速バスを除いて道路が混雑する期間には基本的に貸し切りバスの仕事は受けない様にしている様です。それだけロスが大きい事を長年の経験で蓄積して来たのですね。儲ける時はしっかり儲けるけれど、無闇にがっついたりせずに働く人を休ませる。メリハリをしっかりつけている会社運営だと思います。
もちろん不満や愚痴は聞こえるのですが、辞める人より入る人の方が多いのには理由がある様に思います。
(バスの窓拭きをしておりましたら、オニグモの若いのがいました。エサの虫も多い自然豊かな環境なのでございます。)
国鉄時代、駅の汚い便所掃除やゴミだらけで酒瓶が転がる臭い電車の掃除とサボ(行き先を示すホーローの鉄板)入れから私の仕事人生が始まりました。
それからいろんな職種を経験して、ようやく電車運転士になって3年も経たずに、国鉄分割民営化に反対し、節を曲げないと言う事で運転士を外されてから25年、売れない蕎麦屋や売店に隔離されておりました。はっきり言えばこれが自分の仕事だと言える様な確たる仕事をしていなかったのでございます。
裁判で勝って52才で電車の検修の仕事に戻れたのですが、ついて行く事に懸命になっているうちに終わってしまいました。頑張ったのですが、最後には太刀打ち出来ない経験の差を思い知りました。
と言う訳で、元国鉄の電車運転士とか元JRとか言っても「鉄道員」としての仕事は何だったのですか?と聞かれると困る私がおります。
分かりやすいかと「電車運転士でした」と言うのですが、40年のうちたったの3年くらいでした。
でも、それだけでも人とつながる事があります。それがJRや電車の公共性なんですね。そこに色んな人生がある事を出会いの中で知ったりします。
バス会社に大型二種免許を取って62才で入ってからもうすぐ5年になります。しかし、ミスを重ねて運転士を外されましたので、そのうち2年間は総務課預かりとなりあらゆる雑用を最低賃金でやった2年間でした。
なので運転士歴は厳密には3年と言う訳です。なので、バス運転士としても怪しいのです。しかし、このドン底の様な2年間があってこそバス運転士の仕事と言うのが見えて来たのだと思います。
たぶん、して来た苦労の中身が他の運転士さんたちと違うのだと思います。
見えているものが違うのですね。
自分の仕事としてのバス運転について確たる実感があるのです。
運転士としての腕の問題でなく、この仕事が私の仕事だと言う揺るぎ無い確信みたいなものが自分の中に出来て来たのです。
これは、私の人生上では画期的な事なのです。
年相応に動じなくなった人としての私がいる。そんな実感なのでございます。
上手いバスの運転士さんのハンドリングやクラッチ、アクセルワークと言うのは実に悠然としております。ムダな動きがありません。
逆にちょこまかバスを操作しようとすると上手く行かないんですね。結果も見苦しくなります。
人の運転を見せて頂きながら考えて来ました。考えると言う事はそこから学ぶと言う事ですね。
完全復帰してから半年にしかならないのですが、運転士としての成長と人としての成長が同時に、一気に来た実感があります。
簡単に言えば、心に確たるものの実感ができて、動じなくなった私がいるのを感じている訳です。
誰かのための仕事でなく、自分の仕事になったと言う事かも知れません。
だから、不満と言う感情も湧かず、楽しい事は楽しい、気持ち良い事は気持ち良いと自然に感じられるのです。
あこがれの夫婦も破綻し、家族も両親だけになり、お金もほとんど無くなり、無い無い尽くしになっている現状なんですが、以外にも心が軽いのは、自分の中に確たる仕事があるからなのだと思うのです。
そして、もう一つ。
私はずっと書き続けて来ました。組合の方針書や総括文から、政治党派の論文まで、信じられないくらいの文章を書いて来ました。しかし、本当に自分の中の確たるものが表現できていたのか?と言うと違っていたと思います。
本当に自分の中の確たるもの、それを言葉にできたら、書く事で表現できた時に過ぎ去るだけのものでは無くなる。それももう一つの仕事かも知れないと思いはじめました。
さて、明日一日もしっかりと悠然と臨みたいと思います。
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2025/04/27 17:03
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