辻川慎一つくば便り

せっかちとおっとり。

いや、どうも。

今朝の夜明け前は氷点下4℃。痺れました。睡眠時間が少ないのに寒くて何度も目は覚めました。起きるのも、仕事に出かけるのも何だか辛いのですが起きるしかありません。

コーヒーを淹れ、用意して頂いた早朝食を食べ、歯を磨き、ヒゲを剃り、ステップマシンも踏み身体を内側からも温めて出勤しました。

手袋をしてバス点検と日報記入をしていましたら、それでも指先が痺れる冷たさです。それは、同僚たちも同じ。

点呼を終えて、出庫までの僅かな時間に一服している同僚たちのところに行きあいさつしながら雑談をしました。

「先日の事故の原因は何だったのでしょうか?」と聞きました。
「判断ミスでしょうね。せっかちだと待てなくなる。せっかちな人は運転士には向きません。」とたずねた同僚が答えてくれました。
「でも、せっかちな人も結構いますよね?」と私が言うと
「そう、90%の人はせっかちですね。」と言う。
「でも大半の運転士は、丁寧な運転をされていますよね?」と私。
「本当はせっかちなのに、抑えて丁寧にやるからストレスが溜まる訳です。その当たりが私に来るんです。」と同僚が言いました。
「なるほど〜。◯◯さんは、職場に無くてはならない存在な訳ですね。」

なかなか奥が深い分析だと感心した訳ですが、ストレスの当たりどころになっている同僚のストレスもあるよなとも思いました。

ともあれ、そう言う事を同僚の前で言えると言うのは悪くない職場だとも思います。


(昨日は、青空の中に雪雲が広がっておりました。風も冷たく寒いはずです。)


せっかちの反対はおっとりでしょうか?

ではおっとりの人が運転士に適しているかと言うと、周りの流れに関係なく自分本位のおっとり運転をされたら迷惑でしかありませんね。

バスの運転士は、法定速度で走りますが、周りは人一倍良く見ておりますし、気を遣っています。おっとりなんかしていない。よく見ない人が危ないのですから。

危ない状況をよく見て判断し、何事も無い様に安全にスムーズに運転する。

実は、それだけでなく危なければ止まるのは当然。必要と判断したら路上で安全に後退できる事が凄いのだと思います。

もちろん危険が伴いますし、勇気と冷静な判断が必要な訳です。

前進する事よりも、後退する事の方がはるかに難しいのです。

本当に上手いプロって、後退の仕方にあると思うのです。行けるかどうか迷いながら、後退せずにぶつかる。それでは、本当の熟練のプロにはならないのだと思います。


高いところが苦手なので、本格的に登山をした事はありません。


子どもの頃、故郷の立山におじさんたちと登った事と筑波山にケーブルカーを使い安易な山登りをしたくらいです。

ところで、登山の遭難って下山の際の方が多いのです。色んな要因はあるのでしょうが、登るために力を使い果たしてしまうと降りられなくなるのですね。

下山を考えずに登ると力尽きてしまう訳です。

世界も、日本社会も登る事ばかり追って来ましたね。もう限界じゃないか?と言われながら、まだまだ果てしなく登る!って感じがします。

疲れてしまい、ついて行けない人は、自殺したり、身体や心を病んだり。

何のための経済成長で、誰のための社会なんでしょうか?

止まって考え、必要なら後退もする。
ちゃんと降りる事を考えながら登るのが本当の熟練なんだと思います。

大局や将来を見ないで、前進ばかり考えていると自分も周りの人も不幸になるだけって、原理は同じ様に思ったりします。

私自身の人生も、自分の足元をしっかり踏みしめながら止まって考え、しっかり帰って行くと言うところに来た様に思います。今夜も引き続き、その熟練への挑戦です。

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