辻川慎一つくば便り
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鉄道とバスから見える事
みなさまお疲れ様です。
JRの後輩から、北海道・九州の鉄道運営の酷さについてブログで取り上げて欲しいとの要望が届きました。
JR東日本を離れてもう6年にもなりますし、良く分からない事がたくさんございます。
なので、現役のバス運転士から見える事を考えて見ました。
(最近茨城県笠間市で起きたマイクロバスの転落事故です。)
みなさんは「茨城ダッシュ」と言う言葉を知ってますか?
交差点正面の信号が青に変わるのを見越して右折する事です。実は、交差点の事故は左折より右折の事故が多い。右折の際には、歩行者や自転車の有無をしっかり確認しなければならないのですが、自分が早く行く事だけを考えてダッシュするので危険な運転になります。
茨城に死傷事故が多い典型だと言われます。
マナーが悪いのは茨城だけか?と言いますと、私の実感としては、栃木も千葉も変わらない。なので北関東だけかと思いきや…
「名古屋走り」と言うのもあります。こちらは、ウインカーをつけない車線変更。
さらには「伊予の早曲がり」と言うのまであります。これはやはり無理な交差点右折の事らしい。
そうしますと、どうも地域限定と言う事では無い様です。
はい。当たり前の事ですが、自動車の台数と走行距離に比例して事故は増えると言うのが統計上の真実なんですね。
自動車の普及した社会をモータリゼーションと呼ぶ様です。
日本の社会と言うのは、基幹産業として自動車産業を位置づけて道路網を整備すると共に自動車の保有を進めて来ました。車が無ければ成り立たない郊外の住宅団地の建設も進められ、大規模小売店舗立地法で車でショッピングと言う生活スタイルもできて来た訳です。
それと共に衰退して来たのが鉄道、バスなどの公共輸送なんですね。
採算割れしている鉄道もバス路線は重荷でしかない。採算の合う路線だけ残そう。
1987年の国鉄分割民営化は、全国の不採算路線の切り捨てを決定的に進めた訳です。
都市部はよりスマートで便利になり、不便が増す地方には若者も残らなくなりました。
なのでますます衰退する。
そこに少子高齢化と言うかつて無い大きな波が津波みたいに襲いかかって来た。
網羅された道路の維持費用も大変な負担なのですが、自動車基軸政策を維持し続けるしか無い。
しかし高齢化の大波は、その政策の破綻を容赦なくつき出している様に思います。
つまり、個人のマナーレベルの事ではない社会的な問題がある訳です。
そしてこれは、実は日本に限った問題では無いと言う事なんですね。
都市部は便利になったと言いましたが、実は公共交通の危機は都市部でも始まっている。それを端的に示したのが京葉線の快速電車廃止問題の様に思います。
深刻な労働者不足で鉄道も、バスも従来の路線を維持できなくなっているのだと思います。
モータリゼーションからモーダルシフトへと鉄道や船舶輸送の見直しも言われておりますが、無用なお荷物とされて来たJR貨物にその様な体制や体力があるのでしょうか?
簡単には行かないだろうし、国の政策や考え方が変わらなければ無理だろうなと思います。
(動労水戸ブログからの転載です。鉄道が好きな人には、自然の中を走る列車風景を撮る人が多い様に感じます。)
自然とその中から生み出した人間が作り出したもの(文化)との調和と共生の追求にヒントがある様に、私は思います。
つまり、私たち人間の原点であり初心に立ち戻って考え、発想する事ではないかと思います。
結局人間は誰しも自然から生まれ、自然に帰るのですから。
北海道の鉄道も九州の鉄道も、日本の資本主義的発展のために、数多くの労働者を犠牲にして、自然を掘り崩し成立して来ました。
かつての「栄華」が良い訳ではありませんね。
これからどの様な鉄道が必要なのか?JR北海道(JR東日本の指導下にある様ですが)の特急全席指定化なんかで危機を乗り切れるはずがありませんね。
これからの社会を私たちがどう作って行くのかと言う事と等しい大切なテーマに、単なる金儲けで対応するところに無理があると思っています。
なので私は、「鉄ちゃん」たちにも期待してしまうのです。
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2024/05/30 16:34
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