辻川慎一つくば便り

初心忘れるべからず。

昨日の乗務は「研修見習い」付きで、指導運転士と言う事でございました。

これは言わないとと指摘すると「すみません」と速攻で返すし、頭を下げる人なのですが何だか全然変わらないのです。

さすがの私もだんだんと呆れてきて、声が大きくなってしまいました、

そしたら「年のせいで頭が硬くなっている」みたいな事を言います。

うーん。私の方が7つも上なんだけど、その私に言う?とちょっと呆れてしまいました。

要するに聞く気が無いだけでしょう!
と思ってしまいます。

運転日報には私の名前もあるので一緒にチェックしていましたら、何だか落ち着かない。「違います」と訂正されるのが嫌らしい。確認しないでちゃっちゃと書くので、修正液だらけの日報になる。

気が滅入りながらも、名前がある以上責任は私にあるので負けずに見る。

自分でやった方が気が楽ですし、そんなみっともない日報を出したく無い訳です。

気疲れしながら、何となく分かった事。大学出のつまらないプライドなのかなって。

だから、他の運転士さん含めて真剣に話を聞けないんだ。だから、全然変わらない素人みたいな運転のままなんだって。分かってしまいました。

先に謝ってしまい、自分を守っているだけなんだって。だいたい謝る事では無くて「はい。有り難うございます。以後気を付けます。」ですよね。

私はそうして来ましたし。


荒れ模様の天気の中の指導中に、停車したら虹が見えました。


ちょっと気晴らしになりました。

でも、そんな人にも自分自身を見直す学びがあります。自分はどうだったの?って。

つまらないプライドが邪魔して、先輩同僚たちの苦労や努力からちゃんと学べていなかったのじゃないの?

そんな風に振り返ります。

同時に先輩同僚たちは、私が真剣に学んでいる事を認めているから大事にしてくれているんだなって思うのです。下手でも私を、認めてくれているといつも感じています。


(朝5時半。出勤前にゴミ置きに行きましたら、田んぼに水、そして月に雲。何だか楽しく気持ちが良かったです。)


それから長年の先輩同僚たちとは比べられないのですが、自分自身のバス運転士として上達しているんだと言う事も「変わらない人」を見ていると分かるんです。

全然運転が違うのですから。
たぶんそれは乗客のみなさんが感じている事だと思います。

まあ、そんなこんなと毎日毎日同じ日がありません。私の人生の様に起伏に富んだ日々です。


そんな昨日は、こんなものを会社から頂きました。「表彰状ですか?金一封は入ってないですね?」なんて言って笑いを取って、後で封筒を開けたら入っておりました。


25年無事故無違反の表彰状の様なものでした。


金ピカSDカードでした。


まあ、ご利益は大して無いのですがもらえれば嬉しいですね。若い頃の無茶を思えば、こんなのをもらえる様に変わったんだなって感慨もひとしおでした。

「初心忘れるべからず」と言う言葉は、能の大家世阿弥さんが残した言葉なんですね。

少年の愛らしさが消え、青年の若さが消え、壮年の体力が消える。何かを失いながら人は、その人生を辿っていきます。しかし、このプロセスは、失うと同時に、何か新しいものを得る試練の時、つまり初心の時なのです。「初心忘るべからず」とは、後継者に対し、一生を通じて前向きにチャレンジし続けろ、という世阿弥の願いのことばだといえるかもしれません。

とありました。
年だからしょうが無いでは無く、当たり前にあった事がどんどん失われて行く年だからこそ、初心忘れるべからずで新しいものや心を得て行く。そんな実感が致します。

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