辻川慎一つくば便り

思いがゴロゴロ

贅沢な三連休が終わり、今日明日は、大型バスの運転でございます。

先々週に初の1人乗務をして、今日は1人で運転するのは初めてのコースになりました。

70近くになって、私に任される喜びと共に不安と緊張感があります。大きかろうと少しでも接触させてはならないのですから。

だからこそ、やり遂げた時には一層の喜びがあるのでございます。その緊張感を維持し続けてこそプロなんですね。

どこまでやれるかは、分かりませんが向上心を失う事なく歩み続けたいと思います。


昨日は、うどん好きの友人のためにうどんの汁作りを致しました。

料理を習った事は無いのですが、うどんの汁作りのベースは国鉄仕込みなので歴史は長くなります。

但し化学調味料を一切使わないで作るのは、新しい挑戦であります。

決めては昆布と鰹節の合わせ出汁。いりこ出汁の方が切れの良いスープになる様ですが、優しい味になるのは昆布出汁。

具たくさんのスープは、私好み。豚肉や油揚げ、ネギ(九条ねぎにしました)からも出汁は出ますので優しいながらも豊かな味になると思っています。


朝のうちに作り置いて、味が落ち着いてから頂くと言うのも私好み。

遅めのランチで、友人と一緒に頂きましたら「美味しい」と言って頂けました。

料理もいつも上手く行くとは限りません。失敗しながらも、自分でも美味しくできた!と言う奇蹟の瞬間みたいなのがあります。

そうするともう一度体験したいと夢みちゃうんですね。

そう、鉄道の写真を撮るために山を登ったり、遠くに出掛けたりして奇蹟の様な瞬間を撮れた記憶の快感が、また経験したいと言う夢を呼ぶ。

美術館で絵を見ていると絵描きでもなんでも同じ様に思います。今風で言えば、みんな強烈な夢見る「オタク」なのだと思います。

私の方は、オタク度は低いながら奇蹟の様な瞬間に出会った深い喜びを再び夢見て求めると言うのは分かる気がします。


(美術館でアンドレ・ブラジリエと言う画家さんデザインのコーヒーカップを買って来ました。お客様用ですが、気に入っております。)

思い返して見れば、失敗しながら奇蹟を求め続けて来た人生だったなと思います。

大きく破れたからと言って、無駄だったなんて思ってはならないのだと思います。

一緒に夢見て、実際に奇蹟を起こした仲間たちに失礼ですし。

ただ、過ぎた事は追い求めても何も戻りません。


友人が帰ってから、こんな映画に見入りました。


何事も禁じる夫を30年介護し続けて83才になった女性が父親との約束の山に登ると言う物語でした。イギリスの自然のイメージが完全に変わる美しい映像と凄い役者さんに魅入ってしまいました。

そう諦めていた夢を取り戻し、同じく夢を諦めて生きる青年の心を動かす。

そうして実現した奇蹟の物語でした。

美しく、淡々とした静かな物語。

良いと思える映画にもなかなか巡り合わないものです。

でも時々巡り合う。

あ〜、夢ってのはそう言う事なんだと、妙に納得した次第でございます。

小さな奇蹟を追い求めて、バスを運転する。小さな奇蹟を求めて料理を作り、小さな友人や両親に届ける。

すると、全ては上手く行かなくても小さな奇蹟が起こり涙する。

同い年の友人が「辻川さんは夢を実現し続けているよ。」と言ってくれた事が、そう言う事だったのかって合点する私がおります。

みそきん君のお母さんが、御赤飯に「栗がゴロゴロ入っていた」と喜んでくれた言葉を思い出します。思えばステキな言葉ですね。私の思いがゴロゴロ入っている訳ですから。

大型バスで、ラッシュアワーに挑戦するのも小さな奇蹟を求め続けているから。私の夢があるから、失敗しても諦めずに来たのですね。細心の注意を怠らず、悠然と進むしかありません。


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