辻川慎一つくば便り
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「俺みたいに可憐な花だなー」
身体は休養を求めているのですが、子どもに迷惑はかけないと気丈に頑張り続けている両親に会いに、片道1時間半掛けてひたちなか市の実家に行きました。
息子の一人も眠るお墓参りのために花を買いに寄ると「お母さんにもプレゼントしよう。」と妻が言います。「そうだね。何だかんだ言うだろうけど、きっと喜んでくれるね。」と返すと、妻が選んでくれました。
出迎えてくれた母は「仕事も大変だろうに、何で来たの?私たちは大丈夫だよ。心配無い。」と言う。
花を渡そうとすると「何で?」と言いながら「そうか。(運転免許の)高齢者講習に合格したからかい?」と言いました。
84才の免許更新で、一緒に受けた中で最高齢だったと言っておりました。「後3年は頑張る。お父さんは、私がみる。お前に迷惑は掛けない。」と言いながら、決して自分は大丈夫とは思わず買い物や病院に行く際には、アクセル、ブレーキの位置を確認してからエンジンを始動して発車しているとの事です。
それなのに「何してる!早く行け!」と偉そうに言う父の言葉が一番のストレスだと、必ず吐く母でございます。
父の方は、分かっているのかいないのか「俺の事は、母さんがいるから心配するな。」と言う。
私が小さな頃は、母を散々殴っていた父でございます。
鉱山労働者で発破(ダイナマイト)担当で立坑堀の親方をしていたので、今でもリアルに語る父でもあります。
「鉱山はまだ良かったが、炭鉱は危なかった。」と落盤で背骨を折りながら命拾いした話しもします。
それも酒を飲みながら治してしまったと笑う。
母の方は「小さな子供がいるのに、俺はいつ死ぬか分からない。なんて父親としては、無責任の塊見たいな男だよ。」と脇で嫌みを言う。
すると父は、それが聞こえないかの様に話を変える。
「あ~。綺麗な花にはトゲがある。俺みたいに可憐な花だな~。」
母が「年を取って用意するのも楽じゃないけど、お前が食べたいと言うから作ったよ。」と言うカレーも「多すぎる。」と文句を言う父。
「多ければ残して。」と母が言うとペロッと食べて「最近は食べられなくなった。」と言う父。
妻と2人で「まるで漫才見たいだね。」と笑うのですが、母にすればストレスが溜まるばかり。
私たちに「何で来た。」と言いながらも、父への恨みの毒を吐き出し続ける母でございました。
それでも、私たちがいると笑い話になる様で最後には、笑い合うのでございます。
「元気なうちに、会える時に会っておかないと後悔する。」と言って、良くわからない昔話に付き合ってくれる妻にほんの御礼でサザコーヒー本店に寄りました。
極上の美味しさのサザのコーヒーで作り上げた「将軍ソフトクリーム」の倍の値段で、本店でしか味わえない「ゲイシャソフトクリーム」1000円でございます。
とても上品な味で、コーンまでコーヒーベースでございました。
「コーンまでこだわっている。」と感心する妻。
満足そうな顔を見て良かったと思っていると
「あなたは、お父さんに似て天邪鬼だからそうならない様に気をつけてね。」
と刺される。
時代は変わっている。
私たちは、昔でなく今を一緒に生きている。どの人も懸命に生きている事を忘れてはなりませんよね。自分だけが大変な訳では無い。
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2023/12/10 06:41
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