辻川慎一つくば便り

魂は細部に宿る

ゆったりと丁寧に生きたいなと願うのではございますが、目が弱り、耳もよく聞こえず、フラつく。何かしようとするとすぐに腰が痛くなる。あ〜あと思います。

気持ちが急いても、身体が付いて来ないのでゆったりやらないとイライラするだけなんですね。丁寧にと思っても、良く見えないのですからやっぱりイラついて来る。なので、やっぱり完璧に出来なくてもになるのは、致し方ないかと思います。


先週の休みには、スタッドレスタイヤの交換。

昨日は、懸案だった障子紙の張り替えを致しました。

霧吹きで紙を濡らし、古い紙を剥がす所から始め、木の桟(さん)に合わせて紙を貼って行く。単に白い紙を貼るのでしたら一気に貼れるのですが、色付きの和紙でデザインするために細かく貼って行くのでございます。

これがなかなかめんどうで、腰が痛んで来るは、フラつくはで倒れそうになる。仕方ないので、休み休み。えらく時間が掛かるのでございます。

ただ、バスの運転の経験で学んで来た事は「どんな事でも始める時が大変だけれど、投げ出さなければ慣れて来る」って事なんですね。

辛抱しながらやっていると、だんだんと慣れて来る。それから工夫するという余裕も出て来て、疲れない様に、しかも綺麗に速く出来る様になって来る。


始めた時と時間の流れや中味が変わるんですね。


お昼を挟んで計5時間ほど掛かってしまいましたが、最初の一枚に一番時間がかかりました。

小さな障子の方は、あっという間に張り替える事が出来ました。

どうでしょうか?
部屋の空気感が変わりました。

入社当初、研修指導を担当した事のある青年と話しました。運転技量的にはとっくに追い越されておりますが、力任せの運転で無くなったのを見て「運転が変わったね。」と言いましたら「分かりますか?乗せている人が快適かどうかを考える様になりました。」と言いました。

「大事な事だよね。バスの運転って技量以上に、心の置き方の様に思うな。」と言ったら「そうなんですよね。」と言う。

「でも、ゆっくり走る様にしていると睨見つける奴がいて、睨み返してやりました。」と言うので、あ~若さだなと思いながら「そうか〜。俺は見えないから気にならないんだよね。」なんて会話をいたしました。

見えないのも困りますが、必要以上に見えてしまうって事もあるかも知れませんね。

両方の人がいてバランスが取れる。なので、お互いを認め合い、支え合っての人間社会の様に改めて思いました。

上下を競い合っても無意味だから、満足などしない。幸せはどんどん逃げて行くだけの様に思います。だから追いつけない。



「魂は細部に宿る」と言われます。


一見細部は見え無いけれど、細部に込められた人の精気が人の心を打つ。それを大切にして来たのが日本人の伝統の様に思います。

少しずつでも細部を整える。すると、心も整って全体も整って行く。そうして、人の心や魂と言う見えない本質が見えて来るのかも知れない。

すっかり疲れながら、そんな事を思う土曜日の休日でございました。

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