辻川慎一つくば便り

揺るぎなき信頼

昨日は、大型バス研修の4日目最終日でございました。

審査を担当してくれた人は、会社でナンバーワンと言われる6歳年下の先輩でした。

心を静めてバスの点検から始めたのですが、しばらく動かしていないバスでバッテリーが弱っていてエンジンがかからない。その方に「エンジンかかりません。」と言いましたら「走る前に壊したな〜」なんて言われながら、一緒に別のバスのバッテリーとケーブルでつないで始動出来ました。

以前ならば「どうしてこんな時に」なんて引きずったかも知れませんが、引きずる事なく発車。指示されたルートを、自分でも驚くくらいにスムーズに運転できる私がおりました。

午前中のうちに「もう大丈夫だな。できるよ。午後からどうするかな〜。」と言って頂きました。

4年前には「あんた。この仕事で飯食う気があるの?全然見てないよ!」と厳しい言葉を投げられた人でございました。

研修が終わると、指導運転士からの見極め評価の成績表が出されるのですが、項目全てに合格。しかも特に良いと言う評価も10項目近くございました。例えば安全確認の項目等が「良」評価でした。「あんた、何にも見てないよ!」と言われた人でしたので、自分が進歩したと言う実感が間違いでは無かったと嬉しい気持ちが致しました。

高齢だから無理と自分に言い訳せずに、大型バスの運転士復帰を目指して来た目標が実現した瞬間でもございました。


(深い色合いのマリーゴールド。聖母マリアから来ている名前だとかで「揺るぎなき信頼・愛」と言う花言葉なんですね。)


子を失い、人生を賭けてきた党派にも失望し、JRも離れ、、バスの運転も失敗の連続、のたうち回る様にどん底から這い上がる様にやって来た6年間でした。さらに、新しい家族も破綻した中で成し遂げた事でありました。

他の人には、どうという事の無い事かも知れませんが、私としては努力してたどり着いた到達点でございます。


だからこそですが、そんな私を支え続けたのは、何があろうとも「揺るぎなき信頼」を投げ続けてくれた人たちの存在だと言う事です。


状況がどんなに過酷で、厳しくても、揺るぎなく信頼し続けて、言葉にしてくれる人がいれば頑張れる。自分を見つめ直して、整理し、次に向かう事ができる。

そう言う経験が出来た事が、本当に大事な事だったと思います。

そうです。今度は私が改めてその様な存在になって行く。

国鉄分割民営化の嵐の時に、仲間たちを励ましながら先頭に立っていたはずの自分が見失っていた事を、はっきりとつかみ直した様に思います。


今日は、水戸地裁で私の後輩たちが提訴した裁判の公判がございます。


仲間として、人としてやってはいけない事は、信頼を裏切りながら自分を正当化する事です。

それを曖昧にしたら、自分たちも腐る。何十年闘おうとも、信頼は一瞬で崩れる。そう言う厳しい世界に、交通労働者はいるのです。

バスを運転しながら、鉄道員であり、その労働組合の責任者であった自分を見直しながら改めて思って来た事です。

普段の努力や修練無しには、成り立たないのが信頼なのですね。

だから私は、JRに限らず私の仲間たちに人として揺るぎなき信頼を投げ続けるのであります。

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