辻川慎一つくば便り

忘れていた記念日を前に

40才下の青年の「研修指導」の3日間。飲み込みも早く、伝える事も無くなり「私のやり方」を強いてもいけないし、どうすれば良いか悩んでおりました。

すると何年も私のブログを見続けてくれて、自分の大変な状況に重ねながら思いを寄せて下さっていた友人が「8月1日は記念日ですね。」と花を届けて下さいました。


自分でもすっかり忘れておりましたので驚くと共に、その思いを受けて深く感動致しました。


姿の良い「ピンク・アンスリウム」でございました。花言葉は「飾らない美しさ」との事で、親愛を表現しているとの事です。熱帯アメリカから来た花なんですね。

そうか。やっぱりどうのこうのと言うよりも、相手への思いがあるのかどうかが一番大切な事だよなと教えて頂きました。

年寄が、若者が、と分かったかの様に済まさず、相手をしっかりと自分自身の目でみながら自分と違う世界を受け入れる事で新しいものが見えてくる。自分を強調せずに、誠心誠意で向き合う。それが私だったはずと思い直した次第でした。

すると、回送時間や待機時間に若者は、自分の好きな事を始め、自分自身の同僚たちへの感想などをいつも以上にどんどん話して来るのです。

なかなか追いついて行けない話しもあるのですが、私の話したい事にならない様に興味を持って聴く様にしました。

もちろん、質問したり、面白く反応したり。するとさらに話してくれるのです。

あ~、こんな場面が昔あったなと思う。私の子どもたちが小学生の頃、学校や遠足などの行事があると、帰ってきてそれを聞いて欲しくて「あのね。」って話していたのと、もしかすると同じかも知れない。

そんな事を思いました。どんな話しでも、自分が感じた事を受け入れてくれる人がいる。その原型は、親であったと自分自身を思い返したのです。

批評でなく、受け入れて自分で頑張ったと思う事を見抜いてフォローしてくれる人の存在がいる事が生きて行く励みになる。だから良く見て、本人が頑張って努力している点を見抜く力が必要なのだ。

そんな風に思いました。なので「◯◯くんが、とても気を使いながら努力しているのは分かっているよ。」と伝えたりしました。

人としてちゃんと見てくれていると感じるから、さらに色んな話しをしてくれる。それが分かりました。

待機時間には、元警察官さんの人まで「実は、バイオリンをやっています。」と驚きのお話しをしてくれました。もちろん音楽好きの私ですし、噛み合うお話しが出来た様に思います。その繊細さが、きっと警察の仕事内容に合わなかったのだななんて、想像したりもしました。


(何と私の母が好きな菊の花まで探してきて、プレゼントしてくれました。)


帰庫して、終了点呼をしましたら信頼する取締役の上司が来て「辻川さん。しばらく乗っていないので、来週から大型バスの研修をやってもらいますね。」と伝えてくれました。

来月には68才になる私です。あまり負担にならないルートを指示して来てくれた事の有り難さを感じて有り難く思って来ました。しかし、甘んじたくないなと言う思いもありましたので、再び大型バスを任せてもらえると言う事は、私にとってはとても光栄な事です。「ありがとうございます!」とお辞儀させて頂きました。

62才でバス運転士になり、大失敗の連続で「さじを投げられ」て2年間の総務部員。それから企業派遣運転士として1年、本社の運転士に復帰出来たのは昨年の11月の事でした。
大型バスを任されると言うのは、一旦地に堕ちた信頼を築き直せた結果としてあります。

なので、私には特別の喜びがあるのです。悲しみのどん底に、仕事上のどん底、さらに新しい家族関係の困難さ、私にとっては大変な6年間でございました。

地を這う様に、しかし、何とか気高くあろうと努力して来た事が報われた瞬間でございました。

私に取っては特別の事が、7年目の入社記念日の前に起きたのです。

それを見続けて、分かってくれていた人がいる。

その人が花に託して、私に伝えてくれたのは、人への思いこそが人を支えると言う事です。

「本当のあなたは、ずっとそうだったじゃないですか。だから仲間たちが、困難を越えてついて来たのでしょう?」

自分でも余裕が無くて気付かなかった事でもあります。

そう。人は「パン」やお金のためだけではなく、人の思いの中で本当に生きる。

今日は、私の新たな出発の日でもあります。

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