辻川慎一つくば便り

電車運転士科

昨日は、国鉄時代に一緒に電車運転士になった仲間たちとの飲み会がありました。

上は69才で一番若い同期も定年になりましたので、その仲間の慰労会でした。

私は、駅から機関区に行き電車運転士になりましたが、検修から電車運転士になったり、客貨車区の列車係から電車運転士になったりと色んな年齢と経歴の人が同期になったのです。


既に亡くなられた仲間も何人かおりますが、その人たちも含めて一人一人の人生を一緒に思い起こし共有いたします。


最後にみんなで一致するのは「人身事故」の思い出でした。

自分の運転する電車で人を轢いたことは、生涯忘れられない記憶だと話します。

「俺なんか、ダメだ!と思いながら飛び上がってしまったよ。飛び上がてもムダなんだけど、飛んじゃうんだよ。」

「分かる、分かる。」

「俺は4人轢いたら、もう嫌になって鉄道を辞めたんだ。」

とそんな仲間も来てくれます。

そう考えると鉄道自殺する人がどれほど多いのかと改めて思います。


死ぬほど辛いこともあるでしょうけど、轢いたショックを忘れられない記憶にしている仲間たちがいます。


そんな形で生きていた証を残すより、辛いことやできないことを支え合い、笑い合える記憶をお互いに残せれば良いのになと思います。

少なくとも、何十年も頑張って来て、辛かったことも笑い合える仲間たちがいることの有り難さを噛み締めました。

途中まで電車で一緒に帰った仲間が「こんな集まりが出来ているのは他に無いよ。辻川さんが引っ張ってきたからだ。」と言ってくれました。

仕事も、仲間たちとの関係も、自分ができることの証明ではなく、一人ではできないことを見すえて行く事に本質がある様に思います。

仲間たちや同僚がいて、私は私を生きている。

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