辻川慎一つくば便り
Home
長い夕暮れに
昨日は、小学校の送迎バスでした。有り難い事は夕方に帰宅できる事です。
22時就寝で3時起きの日々はかなり疲れます。昼間の時間はあるのですが、明るい昼間に仮眠できたとしてもやっぱり疲れは溜まるのですね。特に神経を使う仕事ですので、疲れ方が違います。
なのでまとめて夜に眠れると言う日があると、とても助かります。
ところで、部屋からゆっくりと一人庭を眺めておりましたら、夏が近づき夕方がとても長い事に気が付きました。
夏至が6月21日ですので、今月の昼間が一番長いのです。
真夏にはだんだんと短くなって行く。つまり、既に秋が潜んでいると言う訳です。
ところで、なかなか日が暮れないと言うのも寂しく、辛いものがあると感じます。
夜が来ないと休めないのですから。
暗くなりましたら、倒れる様に眠る事が出来ました。
そんな事をゆっくりと感じられるのは、初めての事かも知れません。
自分自身の感覚を置いてきぼりにして来た様な人生だったのですね。
色々と何かのためにとか、人のためにとか散々やって来て、結局良くは言われず、罵倒され恨まれたりする。懸命に何でもやって来て「何もできないくせに。」なんて言われる始末でした。
最近は、バスの運転をしながら何より自分の感覚の確かさをつかんで来た感じがあります。
仕事って、人が確かな自分として生きて行く上で大切なものなのだと思います。
他者の評価や対価に明け渡しては行けない自分自身の感覚があるのです。
「何もできないクセに」って、何かが出来なければ人として存在する意味が無いとも取れます。
何かが出来なければ生きる意味は無いなんて言う考え方って、明治以降の立身出世主義の影響の様に思ったりします。自分だけで出来る事なんて何も無いのに。
そう考えると、たかだか百数十年の考え方になります。
(私のブログを楽しみに待っていてくれる方からのアドバイスを頂き「大玉トマト」に挑戦中です。)
私自身も、立身出世とは逆の生き方を選択したはずでしたが、結局別の立身出世を目指していた様でございます。労働組合や政治党派の中でです。
でも、会社でも党派でも、あるいは労働組合でも、その中で地位を築こうとすれば、自分自身の感覚で!なんて事は通用しない組織の事情や論理と言うものがあります。
その論理と言うのも組織維持のためにと言う事情で変わるのです。論理と言うのも純粋には成り立たず、それぞれの人としての感覚を押し殺すところに成立していると言う訳です。
(ピーマンの花が、実になって来ました。)
まあ、それぞれの組織維持のための観念のバトルが展開されるののは、戦争の論理と同じなのですね。
さて私は、この映画を思い出します。
鉄道員として真っ直ぐに生きて、子を亡くし、妻も亡くし、定年退職で行き先も無く、駅で死んで行った男の物語。
ところで、この映画には志村けんさんも出ております。
役どころは、父子家庭の非正規の炭鉱労働者でした。
駅前の居酒屋で、正規職の炭鉱労働者からストライキなのに仕事をした(スト破りと言いました。)と取り囲まれて責められる。
それを鉄道員が止めると「テメーら親方日の丸じゃね〜か。」とケンカになる。
その時に、女主人の奈良岡朋子さんが水をかけて「私しゃ日の丸も赤旗も嫌いだよ!」と止めるシーンがあります。
結局志村けんさんは、炭鉱事故で命を落とす。
実際に炭鉱事故が連続して起こり、たくさんの労働者が無くなった歴史がありました。
私も鉱夫の息子でしたので、両親と息を飲みながらニュースを見ていた事を忘れません。
何の因果か、私も鉄道員になったのでございます。
私に取っては、かなり特別な映画なんですが、自分が赤旗を振っている時には見えないシーンだったのです。
振っている旗が絶対だなんて考えて人を押しつぶすならば「日の丸も赤旗も」おんなじだ、嫌いだよって言葉が
重い。しかも、権力と言うものに抗った奈良岡朋子さんに言わせているのですから。
立身出世主義から、個別バラバラの孤立化社会への急速な転換。子供を虐待する親が過去最高になり、自殺者の数も凄いままです。
自分の孤独を噛みしめながら、自分の感覚から逃げる事なく孤独を感じて、ギリギリの人が自分だけではないと想像する事。今は、とても大切な事の様に思います。
未選択
2025/06/05 13:29
0
コメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
コメント送信
前のページ
Home
次のページ
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
カテゴリー
未選択(1393)
最新記事
見える見える都が見える。
(06/06)
長い夕暮れに
(06/05)
間が語りかける。
(06/04)
習熟することと確かな自分。
(06/03)
遅すぎる花
(06/02)
RSS
RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0
リンク
管理画面
新しい記事を書く
P R
ページトップ