辻川慎一つくば便り

三拍子な夜の出会い

「お金、地位、名誉」の三拍子が無い私が、三拍子揃った方から夕食に誘われました。

「お変わりありませんか?」と訪ねたら、色んな事業を展開している方なのに「やることがなくて、暇でしょうがない。辻川さんは退屈じゃないの?」と聞くので「60過ぎで大型バスの運転手。無事にやるだけで精一杯ですし、職場の人たちも面白いので退屈なんかしないですよ。」と私。

 何か全ての権力を手に入れて、何でもできる王様が「退屈だけはどうしようもない。」と言った話を思い出しました。それから、「年を取るのはときめかなくなるから」と言うNHKのチコちゃんの話しもです。

三拍子が無い分、ささいな事を喜ぶしかないのでしょうか?


(今朝の筑波山。雨でしたが姿が見えました。手前には収穫の時期を終えた梨畑が広がっています。鳥害避けのネットをたたんでいます。)


乗務の前日は、21時以降アルコールは口にしないので約2時間楽しく会食し、タクシーで帰路につきました。

すると今度は、タクシーの運転手さんが色々話しかけて来る。

「お客さん若く見えるけどいくつですか?」

「もう62ですが。」

「えーッ。私は50代ですよ!私より上ですか?」

見ると確かに頭が真っ白な方でした。そして、

「寒くなりましたがお客さんは、パッチはいてますか?私ははかないんですけど。」

どうしてそんな質問するのか分かりませんでしたが…

「もちろん。実は私、バスの運転手なんですが、私たちは体を動かさないですよね。だから、余計に体を冷やしてはならないんです。冷えは足から来ます。だから見栄を張ったり、我慢しても何にもならない。冷やさないことが大切だと思います。」

「そうですか!良いことを聞きました。実は私、バブルのころスーパーの取締役やってたんです。」

「そうですか。じゃあ羽振り良かったですね!」

「銀行がいくらでも貸してくれましたから、相当使いました。2年くらいですが。お客さんも良かったんじゃ無いですか?」

「私はただの労働者ですから、良いことなんて無かったですね。タクシーに乗車拒否にはあいましたが。それにしても羽振りが良かった人たちの大半が消えましたね。」

「そうです。ピークも凄かったけど落ち方も凄かったですね。」

何と三拍子を無くされた人だった。

「でもピークを経験されて、タクシーの運転士として今を生き抜いている。凄い人生ですね。」

なんて話しながら、メーターを見たら料金が2500円超え!ア痛っ!でもまあ楽しかったからしょうがないか。なんて考えてたら…

「お客さん。2000円でいいよ!良い話を聞かせてもらったからね!」

「えーッ!本当ですか!そんなこと言われると3000円払いたい気持ちになりますが、甘えさせていただきます。ありがとうございます〜。」

と逆チップをいただいてしまいました。


何だか色々な人生に触れて、得して、ラッキーな一夜になりました。人様の存在の有り難みが分かるし「三拍子が無いのも悪くない!」と強がる私でございました。

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