辻川慎一つくば便り

壁アートの謎

今日明日は、大型バスの運転でございます。
私に取っては今週の山と言う事になります。

ちょっと疲れておりますし、インフルエンザも流行っているとの事で、心も身体も休める事、冷やさない事を心掛ける様にしております。手洗いとうがいも、めんどうがらずにやっております。

昨日は早い出勤時間で、誰もいないタバコ場で一人一服をしておりました。

会社の社屋脇にあります。まだ暗いので、仕方ないので壁を眺めながらでした。


もう35年以上経ちますが、この会社で出来た労働組合のために何度も通った思い出深い建物でございます。


初代の社長は、昭和を生き抜いたとても面白い人でした。社屋のデザインは、やはり魅力的な作品を作っていた彫刻家でございます。その彫刻家の支援もされていた縁で、社屋のデザインも頼んだ様でございます。

建物も古くなり、改装工事が行われておりますが、このデザインを気にする方は少ない様です。

曲線は、女体だと思います。なので上の窓が胸、中窓がおヘソ、そして下窓は下腹部になる訳です。

何気にエロチックな場所で、一服しながはみなさんでワイワイやりながら、仕事の緊張を解いていると言う訳です。

男ばかりだと、時には軽いわい談をして笑い合うのでございます。なので、壁アートの謎を知る私は、なおさら可笑しく感じます。

この壁を見ていたはずの多くの人が、この世を去った事を思いながら。

この社屋が維持されて来たのは、もちろん経営者や幹部の人たちの努力があってではありますが、何より労働者が働き続けて来たからなんですね。

私は経営の事は良く分かりませんが、いくらお金があっても人を動かせないなら、お金と言うのたただの紙切れでしかないと言う事は知っております。

お金を使って誰かが動いてくれる。あるいは動いて出来たものを買う事ができるから有難い。誰も動かなければ、何の力も無いのかお金と言うものです。

ところで、にわかにお金儲けに成功すると何か自分が万能になったかの様に思ってしまう。偉くなった様な気になってしまう。

そうしますと、因果応報で結局自分に跳ね返って来るのでございます。ですから、人が働いてくれる事への感謝が無く、当たり前にしているとちゃんとバチが当たってしまう。

人が動いてくれて、働いてくれてなんぼと言うのは、社会体制が変わろうとも変わらない事なのだと思っております。

家族だって心を合わせて協力するから成り立っている訳で、お互いにやってもらう事を当たり前にしていると破綻するのでございます。

その点は、破綻し続けて来た私だからこそ反省の中から言える事かも知れません。


(「辻川さん。俺の車に辻川さんの好きなものがあるよ。」とシャコタンの高級車に乗る青年が言うので見て来ました。強面の車に、これかよ!って可笑しくなります。私に飴玉をくれる青年です。)


どんな仕事でも、どんなに不器用であろうとも、ひたむきに努力する人を蔑んではならないと思う。

例え報われずとも、ひたむきに努力する姿に人の心は打たれるのだから。一つ一つ、小さな事から整理し、やり続けて行く。

「地の塩」とは、そう言う人の事を言うのだと思います。

もう少し早く気付くべきでしたが、気がついたらやる。いつまで生きられるかなんて事よりも、大切な事の様に思います。

それでは、今週一つ目の山に向かって参ります。



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