辻川慎一つくば便り

命の値段の安さ。(トラック運転士レポート)

みなさん良い日曜日をお過ごしでしょうか?

私は、昨晩9時から今朝の9時まで12時間休みなし、ブッ通しでトラックの運転と荷物の配送をして来ました。

一日だけ、ベテランの見習いをして本番。一昼夜400キロ近い運転が大変なだけてなく配送拠点でのルールや、荷物の仕分け、ツールの使い方などいちいち手間取る。

荷物を積むのに腹に力を入れたらベルトが切れて難儀するハプニングまで。雨は降っているし、前途多難。



いくつもある配送先への移動距離が半端無く長い。出だしこそ快適でしたが、運転席の下が前輪なので上下動で腰がおかしくなる。さらに荷物運びで腰にダメージが来る。

さて配送先も目立たないところばかり、ナビで近くに行けてもガタイがでかいこともあり止めて探すことも困難。何とか見つけて、近所迷惑にならない様に注意し、深夜誰もいない営業所で冷蔵庫に品目ごとに間違えない様に納品する。お弁当なので、扱いに注意しながらだ。しかし、真っ暗な中で電灯のスイッチの場所がマチマチで分からない。

一つ一つにめちゃくちゃ時間がかかる。疲労が蓄積して、ようやく後半に入ると凄まじい睡魔が襲って来る。大声をだそうが、寒風にあたろうが、顔を叩こうがダメ。危ない!死ぬぞ!と自分に言い聞かせてもダメ。対抗車線にふらっと行きそうになり、ハッと立て直すけれどまた眠くなる。

どうしようもなく、停車すること3回。トイレにいったり、顔を洗ったり。配送時間が気になり、また直ぐ発車する。

しかし、見習いで夜が明ける頃には終わった作業が終わらない。夜明けと共に睡魔が消えたが、今度は疲労で目の痛み。散々でした。



最終配送場所をグルグルしながらようやく見つけたら、何とトラックの所長がいる。「辻川さん大丈夫でしたか?何度も電話したんですよ?」「すみません気付かなくて。時間は掛かりましたが、お弁当は間違いなく運びました。」と言ったら「無事なら良いんです。運転士が、トラックごと消えた事件が起きてようやく見つかったと警察から連絡が来たところでした。連絡が取れないので心配で来ました。」とのこと。


んー。仕事もワイルドなら、働いている方もワイルドらしい。

これだけ一回いくらなので、夜間割増も残業代も無い。自分の腕しだいと言えばそれまでですが、命がけの仕事の安いこと。しかも、日本経済と国民生活の動脈を担っているのにです。

みなさんが必要な全てをトラック運転士や物流労働者が担っているのです。

なるほど商品が安いはずです。それを作る労働者、運ぶ労働者の賃金が安いからに他ならない。

労働は、人間の生命活動ですから人間の命が安く、軽いことを身を持って知りました。

深夜遠い街道を一人走り、同じつくばナンバーのトラックを見つけると、あー仲間が走ってるんだなと親近感が出ます。


(私のトラック仲間!)

同じ苦労を経験した仲間が抱く親近感が分かる気がします。「トラック運転手(私は士を使いますが)は、ガラが悪いから勘違いされる」と言う先輩に「そうですか。私が知っている人たちは、見かけは怖そうだけどみんな優しい人たちですね。」と返したら「そうなんですよね。」と言ってました。

もうやりたくないと思いながら、大変でもやり遂げたと言う達成感と何とも言えない自信みたいな感覚が生まれる。

きっとそれがやっている者同士の仲間感覚や共同性なのかと思いました。

こんな苦労をして、疲労困憊、身体もボロボロでたった12000円。ひでーぜ。でもトラック労働者の仲間になれたのは、得した。

そんな勘定をしないとやっぱりやってられません。帰宅してバッタリ倒れ、起きがけのレポートでした。

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R