辻川慎一つくば便り

生きた現実への免疫力(チェーン装着訓練)

元JR社員で62才。大型バスの新人運転士として一本立ちして4ヶ月が経ちましたが、特にバックの下手さに自分でうんざりします。

我の担当バスには細かい傷が増えるばかり。この傷が300になった時、大変なことが起きるのか?「ハインリッヒの法則」が頭をよぎります。


(ハインリッヒの法則)

学校ではインフルエンザが流行りだしましたが、こちらに来てから頻繁に風邪をひくようになりました。今週も月曜日から熱が出ました。

それでも俺は必要とされてる。どんなもんだいと言えれば良いのですが、どうも単に高齢化による運転士不足と中小企業の経営事情に過ぎない様です。

ともあれ、代わりがいないのは事実。年休もまだ発生しませんし休めない事情もあります。

ネットを見ると風邪をひく第一の要因は、睡眠不足による免疫力の低下とある。確かに、毎日3時起きになってから絶えず風邪を引いている。

薬に頼らない自己対策は?

睡眠の質を高めるために、寝込んだ時以外に止めたことが無いアルコールを断って見た。

眠れないかと思ったら、熱があるので眠れる。う〜ん、素晴らしい!つまらないことかも知れませんが、生命維持の原理に感心する。


さらに、疲労が背中にたまり張るので出勤時に背中に「ホッカイロ」を貼って見た。リチウム電池の発明も素晴らしいと思うけど、「貼るホッカイロ」もノーベル賞をあげたくなるくらい頼りになる発明であることを再発見。

そして、乗務以外極力休んだ。


ようやく熱が下がり、昨日は先輩方にバスのチェーン装着を教えて頂きました。


(大雪の時には、この重いチェーンを2つ、駆動輪に装着します。)


何せ初心者は私だけ、私の訓練に人だかりができる。(先輩運転士たち5人ですが)

整備管理者の所長が、一つ説明すると先輩たちが次々と教えてくれる。大変ありがたいことなんですが、一人一人の話を全部聞いていると訳が分からなくなる。

「まず基本を教えてもらってから、応用編を教えて下さい!」と心で叫ぶのだが言えない。

仕方ないから、自分で基本は何かを探りながら、応用編も一緒に消化する。

生きた人間の話は、インターネットの様に選べない。だって先輩のみなさんが、後輩の私のために一生懸命言ってくれるんです。みんな聞きながら、自分の中で整理するしかありません。


「基本は、タイヤに傷を付けないこと、そしてタイヤの裏側に絶対チェーンを落とさないこと。タイヤを外さないと取れなくなる!」

なるほど!と頭に刻もうとする矢先に別の先輩が

「チェーンの裏表を間違えても効果に変わりはないよ。実際俺は間違ったことあるけど大丈夫だった!」

と「貴重なアドバイス」をくれる。

つまりどっちでも大丈夫?ん!何だそれ〜!

だが、それも真実。正しい答えが2つあって困るのは試験問題の世界だし…。



一度管理者がやってくれたのを見て、うわー大変だと思いながら私もやる。初心者には無理だろうと言われたタイヤの裏側のチェーンロック掛けを右手一本でやり、汚れを恐れずやり遂げたら「スゲー、直ぐできた。根性ある!」と言われた。


JR勝田車両センターの415系の交番検査で、はるかに難しい作業と格闘した経験が生きた。構造を確認しながら、手と指の感覚で勝負する。諦めない精神。そう言うことは共通だ。

自分の仕事をいい加減に考え無い動労水戸の組合員、そして国労の主任が教えてくれたことに心から感謝した。

JRから25年間鉄道の仕事から排除されたが、私には国鉄労働者のスピリットが流れていると感じた。それは、他で仕事に誇りを持って働いている人にも通用する。

それを確信した瞬間でした。


(1985年常磐線の新型車だった415系電車。私が運転士になった頃導入され、退職と共に廃車になった。)

インターネットでみなさん賢くなったと勘違いされている様に思う。ネットで得られるのは生きた人間の知恵や知性ではなく情報です。

重さや、持つ、触れる中で得られる感覚はネットでは分かりません。

しかも人間の感覚はみんな違います。違うと言うことは面倒みたいですが、違うことが大事なんだと思うのです。違うから凄い。違うから豊か。違うから面白い。違うから好きにも嫌いにもなれる。

ネットは、多くの人が時間と空間の制約を超えて情報を共有するには革命的と言えるツールだと思います。

しかし、人間が生きる共同性に活用されることで本当の革命的道具になるのではないでしょうか?画一化するためだけなら、人間の存在とは相容れないからです。


「辻川さん。実際に道路で一人でチェーンを着ける時には、無理して車道側も着けようとしてはいけない。車に接触される危険がある。だから歩道側に巻くだけでも効くから良いんだよ。状況しだいなんだ。」

それは失敗を重ねて来た別の先輩の生きた経験だった。

現実はマニュアルやセオリーだけでは行かない。ネット情報は、自分が生きる現実そのものではないのです。

もしデスクに座って、人も金も自由に動かせると思っている人がいるとすれば人としての免疫力はすでに無いのかも知れませんね。人間は一人として同じでないから生き延びてきたからです。 

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