辻川慎一つくば便り

「星を見上げる犬みたいだ」

侠客(ヤクザ)の子に生まれ、2才で捨てられ別の侠客に育てられたバス運転士の先輩がいます。

顔は確かに怖いけど、深く優しい方です。

昨日私の新組合員歓迎食事会に来た組合委員長が「組合で原発の学習会をやったことがあるんだけど、その感想を聞いたら『何だか星を見上げてる犬みたいな感じだな』と言われた。」とその方を語った。

分からないと言えば失礼になるから、そうは言わない。優しい詩人みたいな先輩だと思いました。


(ネットから。)


昨日訃報の連絡がありました。
国鉄分割民営化の嵐の中「いわき
客貨車区」廃止で、勝田車両センターへ。国労脱退を拒否し東海駅に置かれたロンドンバス喫茶店に飛ばされた人でした。

彼とは逆に、私は水戸機関区からいわきに飛ばされ、裁判を提訴して東海駅のそば屋まで戻り組合員2人と一緒におかれた。そこで彼の存在を知ることになります。

私は、さらに勝田駅売店に隔離されましたが、彼は勝田車両センターに戻されました。

動労水戸が最高裁に勝つと同時に、私は勝田車両センター配属を希望し鉄道本体に24年ぶりに戻りました。

彼とそこで再会したのです。とても喜んでくれました。先輩なのに「辻川の親分」と呼んでくれました。「難しいことは分かんねーけどよ。」って。落語が好きで優しい人でした。


(仲間と一緒に働いた勝田車両センター検修庫)


そして、明るく振る舞う彼が心を病んでいたことを仲間から聞くことになります。

彼は畑仕事を楽しみにしていて、大きく育てたニンニクを頂いたことがあります。

60になり、清掃の仕事しかないと言われJRを退職しました。心配をしていましたが、早すぎる死でした。

いわきは、去年10月に大水害を受けました。彼の畑は川辺りと聞いていました。きっと流されてしまったと思います。

死因は知らされていませんが、生きるすべを無くしたのかもしれません。

ずるくない生き方をして来ただけなのに。動労水戸は良いな!って言いながら、国労の仲間を裏切らず生きただけなのに。

星を見上げる犬が星になってしまった様な感じです。

天空の星ではなくこの地上に、犬ではなく今生きるその人こそが星なんだと思う。

悲しい歴史はもうたくさんです。時代や状況の過酷さが不幸の原因ではないと思います。信頼する仲間がいれば不幸にはならないのです。私たちは、永遠には何も残せません。

バラバラに生きていると思う孤独な存在が、心と力を合わせて生きる喜び。労働組合に対する考え方の根本を変えなければならないと思うのです。

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